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Sampleレヴュー



■shi_so (20176年)

シソを使用した思想とひっかけた香りが発売に。今回の調香はBertrand Duchaufourさんで、自然界には存在しないGlycolierralというアイビー系のグリーンノートを使用しています。タイトルは画像にもあるように思想とシソをかけたもので、oを短く発音するか長く伸ばすかで意味が全く変わる日本語に焦点を当てたもの。

 

 

グリコリエラール、シソ、アイビーリーフ、カルダモン、スペアミント、ヴァーベナ、ブラックカラント

ミントにシソにアイビーというどう考えてもフレッシュで明るい香りに、カルダモンを効かせたあたりがBertrand Duchaufourさんらしい調香です。アイビー系のグリーンノートに支えられたミントが楽しく弾け、その残り香のアニス香がカルダモンと重なって香るのですが、カルダモンはスパイスらしく持続をせずに消え、アニス香とグリーンノートが残ります。系統としてはGuerlainのHerba Frescaタイプで、持続を伸ばしてもう少し大人のテイストを加えた印象です。シソだシソたというほどシソの量は多くはなく、飽くまでもフレッシュでアロマティックなグリーンノートを楽しむための香りですね。(08/06/2017)


■lumen_esce (2016年)

Violettyneという2000年にFirmenich社が世に送り出した新しいヴァイオレットのニューケミカルを使用した香り。調香はFrank Voelklが担当です。波長の短い明かりはパープルとなりますが、それを含めて「明かり」に焦点を当てたヴァイオレットです。

 

 

ヴィオレッティン、ヴァイオレットリーフ、フリージア、サンバックジャスミン、ローズ、ベルガモット、パチョリ

Methyl Octine Carbonateに似たヴァイオレットリーフということですが、香りはまさにキュウリ系ヴァイオレットリーフで始まります。ノンシトラスなのか、最初からキュウリが際立ち、すっきりとした明るいテイストでスパークした後、土っぽいアーシーなフローラルウッディへと変化していきます。Patchouli Prismaという精油のパチョリを再構築してウッディノートを豊かにした香料をベースに使用しているのですが、パチョリそのものというよりもパチョリっぽいオイリーなウッディノートが肌に残ります。ヴァイオレットリーフの合成香料を知っていると、もうそれでしかないという香りで始まりますが、それを楽しんでしまおうというのは、合成香料だから成せる技。(08/06/2017)


■iri_del (2015年)

Patricia Chouxによる調香で、テーマはアイリスアルデヒド。洗い立てのリネンのような香りを目指したようです。

 

 

アイリスアルデヒド、ウッディノート、アンブレット、ベルガモット、アンバー

2-Nonenalとも呼ばれるグレープ、キュウリ、アスパラガスなどの中に含まれているオイリーなアイリス香をテーマとした香りです。アイリスムスクのadr_ettと似た雰囲気ではあるのですが、こちらの方が明らかに明るくフレッシュで、透明感のあるアイリスで始まります。アンブレットのムスク香よりもアイリスの美しさが際立つ香りなのですが、それもそのはず、アイリスアルデヒドだけではなく、アイリスのコンクリートと、主成分であり合成香料の中でもとても高価なイロンアルファを使用してアイリスアコードを作り出したそう。結果としてとても都会的でシャープなアイリスになった、と。洗い立てのリネン感はadr_ettの方が上なのですが、こちらはとても品の良い洗濯糊のような印象に。(07/06/2017)


■orb_ital (2015年)

Patricia Chouxによる調香で、テーマはTakasago香料が作り出したアンバーウッディノートのOrbitone。サンダルウッドはTakasagoのHindinolを使用とのこと。ということはセミナーでも時折使用しているSandalmysore Coreですね。

 

 

オルビトン、ペッパー、ルバーブ、ヴァイオレット、サンダルウッド、フランキンセンス

トップでパッとペッパーが散り、香りはすぐにサンダルウッドへと切り替わっていきます。全ての要素が仄かな香りで、サンダルウッドもコンパウンドではなくシンプルな合成香料1つのみ。逆にフランキンセンスは精油なのかもしれません。後半はサンダルウッドではなくフランキンセンスの方が前に出てくるのです。でも、このオルビトンというアンバーウッディノートの合成香料の主張が少ない・・・と思ったら、Iso E Superじゃないですか。それはなかなか香りがわからないはずだ。サンダルウッドやフランキンセンスの隙間に入ってそこを埋めるような香料だからです。全体としてはとてもシンプルなフランキンセンス系ウッディといったところ。(07/06/2017)


■adr_ett (2015年)

Frank Voelklによる調香で、テーマは1991年にFirnemich社が作り出した合成ムスクのHelvetolide。

 

 

ヘルヴェトライド、ピンクペッパー、アイリス、アンバーグリス、バニラ、トンカビーン

ヘルヴェトライドは少しフルーティーなニュアンスがあり、トップノートから出てくるとても現代的なムスクで、ファブリックからバス&ボディラインまで幅広く使用されているムスクでもあります。そのムスクを大量に使用しつつ、香りの軸はアイリスにしたというもの。トップから天然香料に負けない美しさのアイリスが広がります。あぁ、アイリスが美しい・・・とうっとりしてもう1プッシュすると、アイリスをピンクペッパーがけん引して登場しました。でも、香りはムスクに柔らかく包まれ、余計な装飾を削ぎ落としたシンプルな形で香り続けます。アイリスらしさはそこまで長く続きませんので、最終的にはほの甘いリネン系の香り、つまり洗い立てのシーツの香りとなって肌に残ります。とても清潔感のある香りですよ。ハッと気づいてイメージ画のあるポストカードを見たら、ワイシャツの襟がデザインされていました。そう、洗い立てのシャツのイメージなんですよね。と、ここでタイトルの意味がドイツ語で「こざっぱりとした、キレイな」というものなのだということを知りました。全てが香りから伝わってきます。(06/06/2017)


■efflor_esce (2015年)

Frank Voelklによる調香で、テーマは1996年にFirnemich社が作り出したパラディソン。香水への頻度が増してきたへディオンに近いシトラスフレッシュなフローラルノートです。タイトルは花が咲くという意味の言葉。

 

 

パラディソン、ネロリ、チュベローズ、ベルガモット、ビターオレンジ、オスマンサス

あれ? このネロリは精油なのかな? と思わせる美しいネロリで始まります。でも、それはビターオレンジに支えられた合成香料でしょう。雑味がなくとても綺麗ですから。フレッシュで明るい、レースのカーテンから差し込む朝日のように目覚めにぴったりなフレッシュノートが広がった後、香りはパラディソンに支えられて少しアロマティックなフレッシュシトラスフローラルとなって消えていきます。チュベローズやオスマンサスはそれとわかるほど強くはなく、軸であるシトラスフローラルの部分に微かなアクセントを添えている程度です。清潔感のあるリフレッシュ系のサマーフレグランスといったところでしょうか。(06/06/2017)

 

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