2022年発売。Sidonie Lancesseurの調香で、テーマはオーロラの写真となりました。Froydis Dalheimというノルウェー北部、北極圏のシンガーでフォトグラファーだという女性による写真で、オフィシャルサイトでは彼女が撮影した美しい画像を楽しむことが出来ます。

(c) Froydis Dalheim

オーロラの蛍光ブルーグリーンのニュアンスは、ミントとパインニードルにジャスミン調のフローラルノートを軸にして表現されました。トップでは冷たさを感じるほどのアロマティックノートが弾け、そこからゆっくりとジャスミン調のフローラルノートへと変化していくのです。フィグミルクの甘くこってりとした香りはトップではなくジャスミンのアクセントとなってムスクへ引き継がれていきます。ミントやパインニードルの余韻をけん引しているのはフレッシュな合成香料なのですが、それが全体をクリーンで明るく引き締めています。後半はどんどんジャスミンが香るようになるのですが、生花らしい香りではなく飽くまでもジャスミン調であり、強くはないウッディムスクに溶け込んで広がっていきます。No.5では冬の湖面の輝きをアルデヒドとジャスミンで表現したわけですが、この香りは北極圏のパインニードルとミントで表現したわけです。

液体はクリアそのもので、スプレーチューブが全く見えなくなるほどの透明感です。氷のような透き通った液体は、着色の必要など感じさせない美しさです。

(11/07/2022)