インディゴの影と名づけられた香り。影というのは光があってこそのものであり、動作によって生まれ変わる。身体や物体にあるだけではなく、心にも影がある・・・。そんな良く知っているもののに捉えどころのない影をテーマにしたもの。画像は81年生まれの若きブラジル人フォトグラファーGustavo Pellizzonによるもの。その画像に合わせて調香を担当したのはJacques FloriやMichel Almairacの元でジュニアパフューマーとして働いていた若きRobertet社のMylene Alranです。また、液体は美しいブルーとなりました。

チュベローズを樹脂と合わせてダークにしていくなんて、ありそうでなかった贅沢な試みだと楽しくなりました。トップではぺティグレンがパッと弾け、微かにチュベローズのニュアンスを感じながらも香りの軸はレザー系のウッディノートへと移り、ファーバルサムのような甘苦いオリエンタル香となって消えていきます。影という暗いイメージはダークでスモーキーな樹脂系とウッディノートで、影に隠れて見えなくなっている華やかな部分をチュベローズで表現したのかもしれません。基本的には少しレザー調の樹脂香がお好きな方向けと言えそうです。

(08/10/2014)

フルボトルを購入しての追記です。サンプルで試していた時よりもしっかりと肌に広がっていることもあり、オリエンタルなレザーを楽しむことが出来ます。あまり大きな香りの変化はなく、トップからガツンとオリエンタルで、印象としてはあまりブレていません。フルボトルの液体はとても美しく、海のような印象ながら全く海の香りではないことも楽しいところ。

(31/03/2015)