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No.1 Iris / No.1 アイリス


<香 調> パウダリーウッディムスク
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 30ml
<濃 度> P

トップ
アイリス、ネロリ、アンブレットシード、オレンジ、ベチバー、サンダルウッド、ミルラ、フランキンセンス、クマリン、ムスク
ミドル
ラスト



 

2004年に発売されたArtisan Collection 4種の香りのうちの最初を飾った香りはアイリスでした。アイリスの精油と比較すると別の香りでパウダリーさはあまりありません。付けた瞬間はアイリスっぽさがあるのですが、すぐに落ち着いたフローラルの香りとなります。レディースっぽいフェミニンさを抑えてある感じですね。最初の4種がユニセックスで発売されたのがわかるテイストで、ミドル以降にアイリスらしさが増し、柔らかなウッディとなるのですが、それでもやはりフェミニンさは控えめです。HermesのHiris方がシンプルで骨格が明確で、こちらはムスクで包んだようなランドリー系のアイリスです。

(2008)

この香りからシリーズ含めてPradaの香り全てを手がけることとなったのがDaniela Andrierです。彼女はMiuccia Pradaに依頼されてこの香りを作り出したのですが、Miuccia Pradaは流行よりも普遍的な香りを望んだようです。ですから、華美な香りではなく肌着のようにそっと静かに香り続けるアイリスを、イタリアらしいこのエッセンスを最初の香りに相応しいと選んだのでしょう。この香りが発売されて3年後、このアイリスが基となってInfusion d'Irisが発売され、その後は毎年のように様々なバージョン違いが市場を賑わすようになりました。少し手を加えただけで新作として発売することは、コストも時間もかかりませんから、近年たくさんのブランドがとる手法となっています。このArtisan Collectionをミックスして作られるのが、Infusion d'Irisのシリーズで、チュベローズ、オレンジブロッサム、ベチバーなど変化球が生まれたのです。この香りはその根底にある1番最初の香りであり、濃度も1番高い30mlのパルファムです。

じっくりと香ってみると、予想以上にベチバーが土台を支えていたことに気づかされます。かなりウッディ色の強いアイリスで、ミルラとベチバーがアイリスをムスクと共に包み込んで柔らかくしているようなイメージで、香ばしさが出ているのが特徴です。アイリス系の香水の中で、ベチバーと組み合わせているのはあまり見られませんので、ある意味とても貴重かもしれませんよ。時間と共にミルラが出てきて、当初の2008年のレヴューとは別のイメージになってしまったため、当時のサンプルと比較をしてみると、発売当初のものよりもウッディノートが強く感じられますので、現行品はアイリスを抑えてウッディノートを強めているのかもしれません。アイリスの天然香料はとにかく高価ですからね。当初のものはアイリスがもう少し強く持続も短いのですが、現行品の方が持続してくれます。

Infusion d'Irisと比較すると系統は同じなのですが香りは全く別物で、Infusion d'Irisはオレンジブロッサム系のフローラルノートが少しヤクルトのようにクリーミーに香り続けるのですが、こちらのパルファムはInfusion d'Irisよりも存在感があり、後半のミルラの強さは意外なほどです。

(20/02/2013)

 

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