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Sampleレヴュー (Crazy Collection)

 

■Wabisabi (2023年)

Cristian Calabroの調香で、タイトルはもちろんワビサビ。イタリア人が日本特有の美意識や感覚をどのように捉えているのか、気になりますよね。

トップ:ワサビアコード、ベルガモット、ピンクペッパー、ライムリーフ、ペアアコード
ミドル:トルコローズ、ジャスミン、サンバックジャスミン、イランイラン、ゼラニウム、エレミ
ベース:バニラ、シナモン、ムスク

慎ましい、質素な中に奥深い豊かな趣を感じる心のことをわびさびと呼ぶわけで、苔むした岩などがわかりやすいわびさびです。ワサビなどを入れてしまったら、静けさが消えてしまうではないかと思ったのですが、香り自体はラクトニックなフローラルでした。ワサビの音がワビサビに通じるからなのか、ワサビを入れたことがクレイジーなのか。ペアアコードがペアというよりもココナッツ系のラクトニックな香りで、それらがジャスミンを包み込んでムスクに溶けているというのが全体像。確かに近年多いアンバーグリスがいつまでも残る騒々しいラストノートではないし、全体のトーンは落ち着いていますが、日本人にとってのわびさびの持つ静けさやシンプルさはあまり感じられないかもしれません。普通に売れ筋になりそうな、微かにシナモンが入ったラクトニックなフローラルムスクです。(12/05/2023)


■Gambling (2023年)

AFMのMaurizio Cerizzaの調香で、テーマはギャンブル、つまりは大胆な賭け事。その興奮とギリギリのバランスを表現した香り。

トップ:ピートウイスキーアコード、アドレナリンアコード、ベルガモット、山椒、コーヒー
ミドル:マスティック、ヒノキ、ガルバナム、エレミ
ベース:ベチバー、シダーウッド、ガイヤックウッド、アンブレットシード、ベンゾイン、アミリスウッド、ムスク

ピート(泥炭)はウイスキーの香りづけに使われるもので、麦芽をピートで燻すことでスモーキーな香りを付けるもの。そのスモーキーなウッディノートがトップで弾けてスタートです。これは、一筋縄ではいかない個性的な香りですが、かといって使いにくい個性でもなく、ギリギリのバランスでスモーキーウッディとしてまとめた香り。トップではウイスキーやコーヒーがアクセントとなって広がり、最後は少しオリエンタルな甘さが加わったスモーキーウッディムスクとなります。時間と共にガイヤックウッドからベチバーに比重が変わりますが、ガルバナムは感じられるほど強くはないため、グリーンではありません。(12/05/2023)


■Bon Bon Pop (2023年)

若手のDouglas Morelの調香で、イメージしたのは子どもの頃の無邪気さ。甘いお菓子に夢中だった頃のポップな感覚。

トップ:ベルガモット、ホワイトピーチ、ココナッツ
ミドル:ジャスミン、パチョリ
ベース:ブラウンシュガー、プレシャスウッド、ドライアンバー、ムスク

大量のアンバーグリスをグルマンに閉じ込めた香りです。スプレーした瞬間にアンバーグリスが弾け、時間と共にそれがあまり美味しくはないアンバーグリスクリームとなって広がります。アンバーグリスがなかったらポップで美味しいテイストだったのかもしれまぜんが、全てをアンバーグリスが覆している。その点がクレイジーというコレクション名につながっていくのかもしれません。そもそもパチョリやオリエンタルな要素がベースにあるので、あまりポップでもグルマンでもないのです。(11/05/2023)

 

 

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