2003年発売で、調香はAnnie Buzantian。セクシーな石鹸系です。グロウとアレッサンドロデラクアを足して割ったような石鹸系。スズランのようなツンとした香りがない分、柔らかく優しい印象の石鹸系。薄いシルクのヴェールを纏ったような香りで、「息を呑む」というブレスレスなタイトル通りにしっとりとした香りが広がります。石鹸系は比較的好かれやすいので好感度は高いのではないでしょうか。グロウはホワイトローズの印象がありますが、こちらはネロリも香ります。

(15/07/2006)

漠然と石鹸系という印象だったのですが、久しぶりに肌に乗せた香りはシトラスムスクで始まりました。シトラスノートはいろいろな香りを重ねているようですが、それほど豊かではありません。カシゴラとは何のことだろう・・・と調べてみると、カシミアヤギとアンゴラヤギの交配種なのだそう。ということはおそらくカシュメランを使用した温かみのあるウッディムスクで、素肌感を表現したのでしょう。ベースにはシンプルな合成香料のサンダルウッドがムスクと共に横たわり、シトラスの余韻を受け止めます。

久しぶりに試した香りは、以前より好印象だったり、新たな発見があったりして楽しいのですが、これは意外とウッディノートが強く感じられる点以外は目新しさがなく、Victoria's Secretというファストファッション的な流れの中で消えていった香りでした。2003年当時は石鹸系が流行していたため、その流れの中で作られたのでしょう。今香るととても何か物足りなさを感じてしまうのです。

(18/03/2021)