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Sampleレヴュー / Casamorati 1888

1888年、イタリアはボローニャに創設された「Fabbrica di Profumi C.Casamorati」というブランドの復刻です。石鹸や香水を手がけていたこのブランドの香りを毎年2種ずつ復刻という形で発売しているシリーズです。18〜19世紀という華やかな時代の香りたちは75mlのEdPが216ユーロで発売中。このブランドのシリーズの中ではサイトによっては1本2万円ほどですので比較的カジュアルなシリーズと言えます。


■Lira (2011年)

竪琴を意味するタイトルは、ローズとジャスミンという2大フローラルを軸に愛の物語を描き出した香りに。

トップ:ベルガモット、ブラッドオレンジ、ラベンダー
ミドル:ブルガリアンローズ、エジプシャンジャスミン、シナモン、リコリス
ベース:バニラ、ムスク、カラメル

愛の物語と言うキーワードに繋がるのはハニーです。これはシトラスハニーが軸となっていて、結構強く香るシトラスノートが甘いハニーに包まれて香ります。その奥にフローラルノートがあるのですが、ローズは残念ながらあまり良く分かりません。逆にジャスミンはシトラスノートと重なってネロリっぽいジャスミンとしてハニーノートの中に隠れています。ベースのバニラは香りますがカラメルノートはあまり強くはなく、基本的にはシトラスハニーのまま薄れていきます。とてもスイートなフロリエンタルといったところですね。(25/04/2012)


■Regio (2011年)

地中海の豪華なモザイクの記憶。タイトルは王立の・・・という意味ですから、王族とか臣下のような高貴なイメージを表したものなのでしょう。

トップ:レモンブロッサム、ベルガモット、ラベンダー、グレープフルーツ
ミドル:イランイラン、ダマスクローズ、ゼラニウム、カルダモン、プラム、カーネーション
ベース:パチョリ、バニラ、ホワイトムスク、アンブレットシード

びっくりするほどジューシーなトップノートで始まります。パイナップルとグレープフルーツのジューシーなコンビネーションが弾け、驚いたのもつかの間、香りは次第にスパイスとハーブが香りはじめ深みと厚みを感じさせてくれるようになります。少しツリーモスもあるようで、パチョリと共に微かなシプレノートを形成しており、品の良いモダンクラシカルなアロマティックシプレへと変化して落ち着きます。これはメンズとしておくにはもったいないくらいのユニセックスで、Fieroよりもずっとカジュアルに使える香りです。(25/04/2012)


■Bouquet Ideale (2010年)

理想的、完璧なブーケという意味のタイトルで、パウダリーなカシミアアコードを作り出し、そこにバニラやパピルスを加えたスパイシーオリエンタルな香り。ロマンティックな4月の夜にぴったりとのことですが、フローラルではないのがポイント。

トップ:シナモン、ナツメグ
ミドル:サンダルウッド、ガイヤックウッド、ヴァージニアシダーウッド、パピルス
ベース:タバコフラワー、ラブダナムアブソリュート、バニラ、クマリン、ムスク

ブーケという名前がどうして付けられたのか疑問なくらいのオンエンタルアンバリーな香りです。ウッディ系グルマンとも言えそうなほど甘さが前に出ており、甘く甘く肌に馴染んでいきます。スパイスが弾けたのはトップだけで、基本はオリエンタルなのですが、ウッディノートが軽い合成の単品香料ではなく精油であるため、厚みのある香りとなっているのが特徴です。ラブダナムアブソリュートが香っていますが、少しグルマンテイストに感じてしまうのはミルキーな(ラクトン系)香料が香っているからだと思います。(25/04/2012)


■Fiero (2010年)

たっぷりのシトラスにスパイスを加えた力強いメンズのコロン。

トップ:レモン、レモングラス、ブラッドオレンジ
ミドル:タイム、ラベンダー、タラゴン、ミント、ネロリ
ベース:ナツメグ、マイソールサンダルウッド、パチョリ、ベチバー、クマリン

イメージはまさにクラシカルなメンズのコロンです。レモンの香りとラベンダーが他のハーブと共にすっきりと香り、ハーブ多めなフゼアっぽいコロンになっています。これならほぼ精油でまとめられるのではないかと思えるほどのナチュラルさで、香りはレモンがひと段落するとサンダルウッドとパチョリの落ち着いた雰囲気へと沈んでいきます。肌に残るアンバーラベンダー風のラストノートはスーツに良く会う紳士っぽい雰囲気で、時代がいくら変わろうと廃れることのないオーソドックスなかっこ良さを感じさせてくれます。(25/04/2012)


■Fiore d'Ulivo (2009年)

地中海地方の春を彩るオリーヴの花に焦点をあてたという珍しいタイトル。地中海地方ではどこでもオリーヴの樹木を見ることが出来ますから、とても生活に馴染みのある香りなのでしょう。オリーヴの花は2、3日しか咲かない短命の花であることから、その香りへの賛辞という意味も込められているそうです。

トップ:レモンピール、バジル、ロータスフラワー、アンブレットシード
ミドル:オリーヴブロッサム、ジャスミン、マグノリア
ベース:ベンゾイン、アンバー、ムスク

付けた瞬間、うわぁ・・・と声を上げてしまったほど馴染み深い香りでスタートしました。それはクローヴァーのようなパウダリーなグリーンフローラルで、すっきりと青く清々しく香ります。リンデンブロッサム系にも思えたのですが、香りは次第にウィステリア(藤の花)のような雰囲気となり、やがてローズが出てきてカジュアルなフェミニンさを感じさせてくれるようになります。軽やかで柔らかで優しげな雰囲気はとても日本人好みなテイストだと思いますよ。成分的には調香体験セミナーで使用している単品香料たちがいくつも感じられますが、合成香料あってこその透明感なのです。(24/04/2012)


■Mefisto (2009年)

伝統的なイタリアンコロンへのオマージュ。

トップ:グレープフルーツ、レモン、ベルガモット
ミドル:ラベンダー、ローズ、フィレンツェアイリス
ベース:ウッディノート(シダーウッド、サンダルウッド)、ムスク、アンバー

少しビターなシトラスがトップから弾け、比較的分かりやすいシトラスハーバルな香りでスタートします。精油のみで組まれた香りではありませんが、力強いメンズ香ではなくフレッシュで爽やかです。ベースのウッディノートとアンバーが出てきてラストはオリエンタルになっていくとオフィシャルの説明にありましたが、意外なほどオリエンタルさは感じられず、一般的なシトラスハーバルコロンからウッディムスクに落ち着く品の良い香りとなっています。ラストノートの清潔感は、育ちの良い優等生的な雰囲気を感じます。(24/04/2012)

 

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