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Sampleレヴュー

■Musc Immortel (2017年)

Harrodsの限定品として発売された香り。その後、世界展開となりました。

トップ:グレープフルーツ、クラリセージ、アイリス
ミドル:パチョリ、ベチバー、シプリオール
ベース:アンブレット、ムスク、イモーテル

イモーテルはエバーラスティングフラワー(枯れない花)とも呼ばれ、すぐにドライフラワーとなります。その花が黄色であることから、ゴールドの花ということてせテーマとなったのでしょう。このイモーテルは水蒸気蒸留と溶剤抽出で随分と香りに違いがあるのですが、精油は少しクミン調のアロマティックな香りであるのに対し、アブソリュートは甘く苦い樹脂っぽさを持っています。どちらを使用したのか、というのがポイントになるわけですが、これは両方が感じられます。トップでは、クミン調のアロマティックなノートをアイリスムスクが包み込んで香り、パチョリとクラリセージがアクセントを伴ってとてもシックに広がります。イモーテルは強すぎず、でも土っぽいアクセントがユニークに香り、L'Artisan ParfumeurのDzongkhaのスパイスを、全てクマリンに置き換えたようなミドルから、やがてクマリンムスクに甘苦いイモーテルが重なるラストへとつながっていきます。(01/05/2020)


■Rouge Saray (2020年)

Jean-Phillipe Clermontが中東の文化や歴史をテーマに、スパイスや砂漠のイメージを形にしたもの。赤(ルージュ)は夕陽が染める砂漠の砂。赤はペトラ遺跡の岩。それを通じて取引されたのはスパイスやフランキンセンス、ミルラだった。赤は中東の人々の温かな心。赤は富や豊かさの象徴であり、何よりもデーツの色。

トップ:ジャスミンペタル、シナモン、プラムアコード
ミドル:ヘリオトロープ、デーツアコード、パチョリ
ベース:ペルーバルサム、サンダルウッド、バニラ、ガイヤックウッド

ウードではない中東色ということで、期待していた通りのオリエンタルグルマンでした。突出した香りはなく、全体としてデーツ風オリエンタルという感じのまとまりで、シナモンも強すぎず、フルーティーなプラムを曇らせ、干し柿のようなくすんだドライフルーツノートに重なっていきます。ヘリオトロープのパウダリーな甘さはデーツの中に組み込まれ、メインとしては香りません。香りはそこから少しリキュールっぽいテイストを感じさせつつ、バニラの効いたオリエンタルウッディへと変化していくのです。とても品のあるオリエンタルグルマンで、ハニーノートも強すぎず、甘さもウッディノートの中に溶けて穏やかに広がり、香ばしいビスケットのようなラストノートとなって落ち着きます。決して使いづらいオリエンタルではなく、ブラックコレクションの他の香りに通じていく、同じ調香師のサインを感じられる香りとなっています。ウードやスモーキーなタールを組み合わせても良さそうですが、敢えてそういう部分は使用せず、中東の赤のイメージに徹したという潔さを感じました。(30/04/2020)

 

 

 

 

■Rose Omeyyade (2014年)

ウマイヤ朝(661-750年)をテーマとした香り。カリフ世襲制度による最初のイスラム王朝と呼ばれ、ウマイヤ家がシリアのダマスカスを首都として西アジアを支配、その後に中央アジアや北アフリカ、アラビア半島まで、最大でスペインからパキスタンまで拡大した王朝で、それを考えると今のイスラム国家の広がりも納得が出来るものに。

トップ:ラズベリー、ローズバッド、ピンクペッパー
ミドル:パチョリ、ガイヤックウッド、ブラウンシュガーアコード
ベース:サンダルウッド、ウード、アンバー

世界中の愛好家の評価が高いという香りだけに、どこまでロースが美しくまとめられているのかがポイント。トップではピンクペッパーがシャンパンの泡のように弾け、そこからベリー系のローズへと変化していくのですが、軸にパチョリやウッディノート、オリエンタルがベースにあるため可愛らしい香りでありつつも、落ち着いた上品さを湛えています。ラズベリーがあまり主張しつづけることなく控えめに消えていくのも大人っぽい出方で、香りはゆっくりゆっくりとオリエンタルな香りへと変化していきます。ローズウードとなっているわけではなく、オリエンタルなローズというのが全体の雰囲気で、ブラウンシュガーやガイヤックウッドは強くありません。ローズは調合タイプとアブソリュートのミックスで、アブソリュートの部分もわずかながら感じられる香りとなっています。パチョリをメインとしたスイートオリエンタルにローズをニュアンスとして重ねた香りですね。(25/12/2015)


■Larmes du Desert (2014年)

砂漠の涙というタイトルなのですが、それはいったい何かというとミルラです。フレグランスの生まれた場所、アラビアに対するオマージュとしていますが、香水ではなくてアルコールがアラビア。ゴールドにフランキンセンスとミルラを加えていますので、クリスマスにぴったりな香りだと思います。

トップ:フランキンセンス、サイプレス
ミドル:パチョリ、ガイヤックウッド、シダーウッド
ベース:ミルラ、シスタス、ベンゾイン、アンバー、プレシャスウッド

展示会で香った際、一番ユニークに感じたのがこの香りです。何故なら、ミルラがとてもアロマティックにオリエンタルに香っていたから。ミルラというのはなかなか主軸というかテーマになりにくい個性なのですが、こんなに生き生きとしたミルラは久しぶりだったのです。トップでは微かにサイプレスがアクセントとなりフレッシュに、でもすぐにベンゾインが甘さを、ガイヤックウッドがスモーキーな部分を見せ始め、全体としてアンバーミルラとなって肌に残ります。ミルラにスモーキーウッディを足し、更にはアンバーでセクシーにまとめたというユニークな香り。(24/12/2015)


■Aube Rubis (2014年)

ルビーの夕暮れというタイトルで、夕暮れというのは「生まれ変わり続ける」と言う意味があるようです。

トップ:ベルガモット、グレープフルーツ、ブラックカラント
ミドル:セージ、ヴァイオレット、アイリス
ベース:パチョリ、ハイチベチバー、プラリネ

ルビーという色とフルーツのニュアンスがかき消されるほど渋い香りです。もちろんフルーティーさはアクセントとして生きているのですが、香の軸はアイリスとパチョリで、思いの外ミドル以降にベチバーが香るようになります。パチョリとベチバーを単品香料ではなく精油で使用し、どっしりとした深みの中にヴァイオレットとアイリスを静かに溶け込ませ、アンバーウッディノートを多用してオリエンタルなウッディとしてまとめたもの。オフィシャルとしてはフルーティーウッディとしていますが、フルーティーと記載するほどフルーティーではなく、ヴァイオレットやアイリスの柔らかさが生きている調香となっています。とてもクールでエレガントだというのが第一印象でした。(22/12/2015)

 

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