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L’Origan / ロリガン


<香 調> フロリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 約7.5ml
<濃 度> P

トップ
ベルガモット、ネロリ、イランイラン、ピーチ
ミドル
カーネーション、オレンジブロッサム、ヴァイオレット、ローズ
ラスト
バニラ、クマリン、サンダルウッド、ムスク



Francois Cotyのファーストフレグランスだと言われていますが、実際には1904年に発売されたラ・ローズ・ジャックミノが最初の製品です。すでにこの時点で合成ベースをがっちりと使っていたようです。その成功を受けて1905年に3つの香りが発売されました。Ambre Antique、La Jacee、そしてL'Origanです。

コティにとって最初のヒット作となったフロリエンタルな香りで、タイトルはハーブの「オレガノ」です。付けた瞬間はとてもクラシカルな香りなのですが、すぐに薄いフロリエンタルになります。昔はもっともっと重厚なパルファムだったんでしょうね。今の香りは再販のコロンなのでとても軽いんですよ。あっという間にラストノートになってしまって、香りそのものを十分に楽しむというまでいかないなぁ・・・というのが印象です。価格の安いコロンではなく、高価な昔のパルファムを復刻して欲しいところです。コロンだと個々の香料を判別する間もなく消えてしまうんですよ。アルデヒドとパチョリの欠片のようなものが薄っすらと残ります。

(08/12/2006)


上の記載はコロンのSampleレビューなのですが、年代物のパルファムを入手しました。ボトルのキャップを取るとプラスティックの小さな栓があります。資生堂のZenクラシックのものと同じです。香りの持続もコロンとは雲泥の差(8時間ほど香っています)で、深みも圧倒的に違います。まず感じるのが草の香りなんです。シトラスや軽めな部分は飛んでしまっているのかあまり主張がないのですが、ヴァイオレット、ローズ、クマリン、バニラのような雰囲気は伝わってきますね。トップでは少しシプレっぽい感じもしたので、オークモスもありそうです。甘さはセミオリエンタルという程度のふくよかな甘さで、それほど主張はしていません。バランスをとるためのバニラな感じです。ウッディにフローラルに重なっているのは草を手でちぎった時の青さ、渋さがそこに加わっています。香りは緩やかに緩やかに変化し、カーネーションがアンバーノートに重なる感じで柔らかさを増して行きます。グリーンノートがひと段落してクマリンが出てきたのですね。

合成ノートや調合ノートが華やかになってきた時代であり、コティも進んでされらを使用していたのですが(率先して取り入れていたというべきですか)、この香りも天然香料100パーセントではありませんが、現代のコロンとは明らかに違っていてゲランやキャロン、エルメス等のクラシカルなパルファムと並べても全く遜色ない香りになっています。さすがにこのボトルは1900年代前半のものではないでしょうけど、少なくとも現在でも楽しめる香りとして形をとどめているのが凄いです。20、30年は経過しているだろうに。

思い出せないのがもどかしいのですが、「どことなく似た雰囲気の香りが確実にある」と感じるのは、それだけこの香りが世の中に愛されてヒットしたいわば土台であり模倣される香りだったからなのだと思います。

(01/04/2008)

このタイプのボトルが1965年の書籍に載っています。いろいろな香りがこのタイプのボトルだったのは60年代だったんですね。4、50年前ならやはりヴィンテージです。

(08/09/2010)

改めまして現行品のコロンのレヴューです。700円程度で売られている商品ですが、スプレーするとまずシトラスノートとクローヴ(ではなく主成分のEugenol)がスパークします。「え? それだけ?」というようなシンプルさに驚きますが、次第に少しIonone系のヴァイオレット香とウッディノートが微かに加わり、そこを過ぎるとバニラが香りだします。もう本当に「それだけ」です。シンプルでシンプルでシンプルで・・・というコロンなのですが、ヴィンテージのパルファムの方が深みがある分カーネーションらしさが生きているように思います。コロンはすぐにVanillinとEugenol、軽いシナモン調の合成香料香ばかりになってしまうのが少し残念です。液体の色はエッセンシャルオイルではなくて着色ですよ。

(07/12/2010)

 

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