天然香料の中でフルーツの香りというのは選択できるほど多くはなく、シトラスフルーツ以外には数えるほどしか存在しません。その中でフルーティーな香りを持った貴重な香料がキンモクセイです。アプリコット調の香りを持ったキンモクセイを軸に、ジャスミン、バニラ、ブラックカラントアブソリュートを組み合わせ、ジュエリーのような輝きを持った香りにしました。弾けるトロピカルフルーツの香りにわくわくするはずです。

トロピカルフルーツは同じ樹木から取れる果実でも少しずつ味わいが違います。この香水も付けたときの気持ちによって少しずつ香りが変化し、毎日少しずつ違った香りをお楽しみいただけることでしょう。エデンの園にいるのかと錯覚してしまうほど甘美な香りです。

というのがオフィシャルサイトの解説です。「楽園の果実」と名づけられたこの香りはキンモクセイジャスミンですね。それも、本気でオスマンサスアブソリュートを使用しています。 時間と共にどんどんジャスミンが消え、キンモクセイ(オスマンサス)が広がるのです。市場にはいくつかのタイプのアブソリュートが流通していますが、僕が今まで香った中で最も良質だったのはこのブランドのものなのですが、だからこそ植物そのものの荒々しさを湛えているのです。ミドル以降は少しバニラが効いてきてSharini parfum naturalsのJardin d'Osmanthusに似た雰囲気になっていきます。天然香料なのに酔いそうななまめかしさを感じさせてくれる香りです。

キンモクセイの花の季節には花の香りに誘われて、キンモクセイの香水を探す方が増えますが、これが本物なのです。これこそが、天然香料のパワーなんですよ。使い安い可愛らしさをもった香りではないのです。16mlで45.62ユーロ、33mlで86.28ユーロ、50mlでも124.96ユーロ・・・。質の良いオスマンサスアブソリュートは1mlが1万円以上することを考えると、仲介業者を介さない直接販売だからこその価格だということが理解出来るのではないでしょうか。

(29/11/2010)