真紅の花から香り立つ、美と誘惑。

一通りを試してみた中で、一番好みに合っていたのはこの香りでした。それは、オリエンタルノートの中で色づくように香るフローラルノートが、真っ赤な椿にぴったりだったから。パチョリとウードを軸としたウッディベースに、ローズ、ジャスミン、アンバーノートなどが重なり、暗めな生地の中に浮かぶ椿の花の和服の生地のように、いきいきと鮮やかに香っています。オフィシャルではモダンシプレとなっていますが、それほどシプレ感は強くなく、どちらかというとフロリエンタルの方が伝わりやすいと思います。

椿そのそものは香りがない花の代表のように言われ、椿姫などにもモチーフとして登場していますが、実際に香り椿と呼ばれる品種は結構多く、その香りの種類も様々です。ジャスミン調のものもありますし、ローズ調のものあります。特にローズの主成分であるフェニルエチルアルコールをたっぷり漂わせている品種もありました。こちらはその生花そのものではありませんが、黒い背景の中に浮かぶ椿のイメージを美しく表現した印象です。

(10/01/2019)