2012年発売の最初のラインの1つで調香はSylvie Fischerが担当。高砂香料の中堅どころの女性調香師で、これからの時代に活躍するであろう方です。ヘリウムというと声の変わるガスや軽いガスだというイメージですが、彼女がヘリウムから得たイメージは熱気球とスモークだったようです。スモーキーなインセンスで禅の心を表現したというのがこの香り。ヘリウムが煙の印象だったなんて、少し意外な気もしますが、もともとのヘリウムは無香です。でも、こんな香りがしていたら素敵だと思わせてくれるファンタジーさを感じさせてくれる香りに。

全体的なイメージは水タバコのナルギレアコードが軸です。ですから、HermesのAmbre Narguileに似た印象なのですが、ローズのツンとした酸味を含んだ樹脂の香りが広がり、スモーキーだけど焦げ臭くは無い、少しくすんだ空気感を感じさせてくれます。個性的だけど決して使いにくいという部類ではなく、カッコいい個性を感じさせてくれる香りとなっています。フェミニンだったり、ガーリーな香りではありませんが、樹脂系のオリエンタルノートがお好きな方はもちろん、軽いスモーキーノートがお好きな方にも良さそうです。女性の場合はシングルノートのローズを重ねてもカッコいいと思いますよ。

(09/01/2013)