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Sampleレヴュー

■Acqua di Teriaca (2020年)

ペストが大流行した際に活躍したシュナーベル博士も、解毒剤として使用していたというテリアカ(Teriaca Veneziana)をモチーフとして、このCovid 19の中を生き抜くために急遽作られた香り。リカルドが1800年代初頭のテリアカの瓶をヴェネツィアで香った経験からこの香りが生まれました。テリアカ自体は3世紀から存在し、特に毒蛇にかまれた際の解毒剤として古代ローマ時代から使用されてきましたが、時代と共に解毒剤から疫病などの治療薬へと変わり、やがて医学の発達と共に姿を消しました。

 

 

トップ:ジュニパー、スターアニス、ベルガモット、パインニードル
ミドル:ラブダナム、レザー、ハニー、スティラックス、トルコローズ
ベース:シスタス、アンバーグリス、シプレアコード、ウード、カストリウム

ハーブとスパイスが重なり、それこそSanta Maria NovellaMaresciallaを彷彿とさせるものになっているのではないかと思ったのですが、そこまでハーブスパイス類は強くなく、トップであっさりと消えて何ともメンズっぽいフレッシュノートがそれらを包み込んでいきます。薬草系というには少しインパクトの薄い香りで、カストリウムの効いたアニマリックなベースを使いつつもそこは飼いならされたアニマリックさでもあり、基本的に誰もが使いやすい香りを意識してまとめられた、という印象を受けます。疫病から身を守るというテーマであれば、もう少し力強くて効果のありそうなタイプというか、エナジーを感じられる香りでも良かったのかもしれません。実際のテリアカにはスパイスやハーブに加え、必ず毒蛇の肉が使用されていたそうですから。でも飽くまでも彼が香った印象で作られた香りですからね。(28/08/2020)


■Maverick’s Rose (2019年)

チェコのDelikatesy MadeleineというコスメブランドのオーナーでありビューティーエディターのIvana Rudicovaの香り。つまりはコラボです。

 

 

トップ:ゼラニウム、ピンクペッパー、ピオニー
ミドル:トルコローズ、ローズ、ポメグラネイト、サフラン
ベース:サンダルウッド、レザー、ムスク

ローズがどのように香るか、というのがポイントだと思うのですが、予想していなかったRose oxideがスパークして始まります。メタリックなローズがゼラニウムと共に弾け、そこからサフランの柔らかな香りに包まれてとても個性的に広がっていくのです。ローズは感じられるものの、Rose oxideがとても強く、天然香料とぶつかり合うことで火花を散らしているよう。後半はローズの余韻と共にアンバーグリスの効いたサフランレザーが重なるという、少し落ち着いた、慣れ親しんだ風のベースへと引き継がれていき安心するのですが、そこに行きつくまで展開の早いドラマを見ているようです。そうですよね、Maverick(型破りな)ローズなのですから。(17/08/2020)


■Shisha Lounge (2019年)

バルセロナのショップで先行発売された、水タバコ(シーシャ)をテーマとした香り。グラナダにあるカルデリア通りは水タバコを楽しめるバーやラウンジがたくさんあるのだそう。Google Earthで見て見ると、とても狭くて短い通りの中にモロッコの雑貨店がひしめき合い、そこだけがモロッコになっていました。

 

 

トップ:ピンクペッパー、スターアニス、ヘーゼルナッツ、ネロリ
ミドル:タバコ、パチョリ、ラブダナム、オークモス
ベース:トンカビーン、ムスク、アンバー、バニラ

トルコで試したシーシャはグルマン系のものが多くあり、甘めな匂いのものがこのまれるのかな、という印象だったのですが、こちらもナッツにタバコとバニラが重なるスイートオリエンタルな香りで始まりました。スモーキーではないタバコの匂いで、タールらしいテイストではなく、ラブダナムやパチョリのオリエンタルノートに重なっていきます。軽いシトラスのシーシャもありますが、こうしたオリエンタルグルマンなタバコの方が、誰もが想像しやすいシーシャのイメージだと思います。もう少しスモーキーさがあっても良かったのかな、と思いますがとても使いやすくまとまったオリエンタルです。パチョリとオークモスはありますが、シプレ感は強くありません。(26/08/2020)


■Morayma Jazmin (2016年)

グラナダの最後の女王モレイマに捧げられたジャスミンの香り。同じくモレイマという香りが発売されていますが、これは廃番となってしまっているようです。それは・・・

 

 

トップ:グリーンジャスミン、サンバックジャスミン、ジャスミンティー
ミドル:スパニッシュジャスミン、ナイトブルーミングジャスミン、アイリス
ベース:パチョリ、シプレアコード

香ってみたら、廃番の理由がわかりました。これはリッチすぎます。サンバックジャスミンとジャスミンのダブルなアブソリュートがワイルドながらとても美しく広がるから。アブソリュートをたっぷりと使用したEdPは色も濃く、最初にサンバックジャスミンが、その次にジャスミンにスライドするようにつながり、艶やかな香りを広げていくのです。ジャスミンは夜に咲く花のため、白い花弁なのですが、時間と共にインドールが登場し花弁は茶色に変色していきます。アブソリュートにはその変色していく過程を思わせるインドールも強く感じられ、微かにシプレを感じるラストへと静かに導かれていくのです。最初から最後までジャスミンだけど、少しずつニュアンスが変わり楽しませてくれます。(25/08/2020)


■Carmen de los Carmenes (2019年)

EdPラインに加わった新作です。グラナダのAlbaycin(アルバイシン)にある典型的なグラナダ庭園をテーマとした香り。そこには、噴水やプールがあり、シトラス果樹やジャスミンが配置されていることが多いようです。きっと市民の皆さんが憩う居心地の良い場所なのでしょう。

 

 

トップ:マンダリン、セドラ、ライム
ミドル:マンダリンブロッサム、ネロリ、ジャスミン、アンバー
ベース:アンバーグリス、ムスク、ベチバー、サンダルウッド

香りはシトラスアンバーやシトラスバニラの系統なのですが、それらをずっと柔らかく優しく、それでありながらフレッシュに仕立てたような香りです。ジャスミンやオレンジブロッサムのホワイトフローラルノートをフレッシュノートの綿で包み込んだような香りで、すりガラス越しに風景を見ているような白濁した印象を受けます。だから、軽やかだけどシトラスコロンのような明るさはなく、もっとゆっくりと、ジワリと香り立つようなウッディムスクに包まれたフローラルとなっています。(30/05/2019)


■Knus (2018年)

彼がオランダで開催したコレクションReconstructing Klederdrachtに合わせてオランダをテーマとした香りを発売に。Speculaas(スペキュラース)というスパイスクッキーをイメージして作られたため、Speculaasに使用されるスパイスがそのまま組み込まれています。

 

 

ジンジャー、チューリップ、シナモン、ナツメグ、クローヴ、ペッパー、アニス、カルダモン、コーヒー、シダーウッド、パチョリ

スパイススパイススパイスとパチョリ!!! スパイシーに弾けたのは、甘さのあるパチョリとスパイスたちでした。これは、コーヒーというよりもパチョリとチョコレートのコンビネーションにスパイスを重ねたという雰囲気で、グルマンではなくオリエンタルです。こってりとした甘さではないものの、しっかりとしたベースがあり、たっぷりと肌に乗せて楽しみたいと思わせてくれました。パチョリとチョコレートのコンビネーションはSerge LutensのBorneo 1834、VC&AのMoonlight Patchouli、Smell BentのHungry Hungry Hippies!などに見られるとても相性の良いコンビネーションで、チョコレートをグルマンではなくスパイスとして重ねているのが特徴です。この香りもカカオアブソリュートに近い香りがパチョリに重なって香り、カカオっぽさが抜けると少しオイリーなウッディノートがパチョリと共に肌に残ります。この香りを香り、オランダのスパイスクッキーを食べてみたくなったのは言うまでもありません。ちなみに、タイトルはリラックスする、心地良いという意味なのだそう。コーヒータイムの香りがぴったりですよね。(06/02/2019)


■La Lindosa (2018年)

彼の故郷であるコロンビアをテーマとした最初の香りが、同じくコロンビア出身のJorge Leeによって作られました。La Lindosaというのは下記の地図の場所にある街で、壁画があることで有名な街です。

 

 

トップ:パッションフルーツ、グラナディア、ピンクペッパー
ミドル:エレミ、ジャスミン、ブラックペッパー
ベース:ガイヤックウッド、コパイババルサム、フランキンセンス

調香にあるグラナディアというのはパッションフルーツの一種で、なるほどね、これはパッションフルーツだ、というトロピカルなフルーティーノートで始まります。少しパイナップルっぽかったり、カシスっぽいニュアンスだったりしますが、それがパッションフルーツの特徴ですよね。通常そうしたフルーツを補填するのはジャスミンを軸としたフローラルノートで、それがフルーティーフローラルに導かれるためありきたりな香りとなってしまうところなのですが、これはフルーツがありながらフルーティーフローラルではなく、フルーティーウッディへと変化していきます。ウッディノートが強いわけではなく、フルーツの余韻を優しくけん引する形で、とてもユニセックスなラストへとつながっていきます。コロンピアだと国花であるオーキッドやコーヒーをテーマにしそうですが、そこに行かないのがコロンビア出身の彼らならでは。日本だって桜やヒノキだけではないのですから。(05/02/2019)


■Aljibe (2017年)

タイトルは地下に水源を確保するための建築様式のことで、濃度はExtrait De Parfumです。

 

 

トップ:ベルガモット、シトロネラ、バジル
ミドル:ラベンダー、ジャスミン、クローヴ
ベース:ベチバー、シプレノート、ドライアンバー

とてもアロマティックにスタートし、清々しいビオトープを思い起こさせたのですが、香りはゆっくりとフゼアに変化していきました。そう、シプレとフゼアはとても近い香料で構成されており、そこにラベンダーが加わることで一気にメンズに傾いていくのです。何だか久しぶりに正統派なフゼアを香ったような気がします。香り方もとても穏やかで、あまり拡散をしません。ムスクに頼っていないところも流行を意識していない姿勢を感じさせます。時代に流されない香り。(05/02/2019)


■ZirYab Peppermint (2016年)

ネロリとミントを加えた、ジルヤーブのフランカー。アンダルシアはジブラルタル海峡を越えたらそこはモロッコ。モロッコと言えばミントティーですよね。そして、オレンジブロッサムの産地でもあります。レコンキスタ(キリスト教化)によりイベリア半島のイスラムたちはモロッコへと追いやられたという歴史もあります。

 

 

トップ:マンダリン、ミント、コリアンダー
ミドル:ジャスミン、ネロリ、シナモン
ベース:シダーウッド、アンバーグリス、アンバーウッディ

肌に乗せた瞬間、ひんやりするほどミントがあるのに、爆発するほど香らないというミントです。じっくり香っていくと、精油らしいミントが確認できるのですが、ミントの香水というほどではないのです。ネロリもその存在がわからないほどで、オリジナルのZirYabをアンバーグリス系のベースに入れ替え、シトラスを少しアロマティックなものに入れ替えた、という雰囲気です。フランカーですのでベースは似ていますが、こちらの方がベースがしっかりとしていて力強いのが意外なところ。普通ミントとネロリを加えたらサマーフレグランス風に感じますよね。(29/11/2017)


■Al Misk (2017年)

イスラム勢力がイベリア半島一体を統治していた時代のその周辺地域のことをAl Andalusと呼ぶそうですが、その統治時代の香りとしてムスクをテーマとしたものに。

 

 

トップ:ベルガモット、アブサン、コパイババルサム
ミドル:マグノリア、メース、ブラックペッパー
ベース:ムスク、ガジュンバルサム、ガイヤックウッド

あぁ、なるほどね・・・というムスクでした。この調香でどのように展開していくのか、物語をあらすじだけ読んで知っていたような感覚。シトラスがスパイスと共に香るものの、全てをムスクが包み込んでいて、柔らかで肌ざわりの良い布、シルクのストール巻いているような香り。フローラル感はなく、スパイスもムスクに飲み込まれて強くは出ず、サンダルウッドのようなダスティなウッディノートだけがムスクに溶け込んで香っています。ゆっくり香ると樹脂っぽい甘さも感じられるのですが、軽めなムスクをたっぷりと使用した少しオリエンタル調のムスクと言えます。(28/11/2017)


■De Solis (2017年)

スペインではベストセラーだというBrigida Gallego-Coinによる書籍、Isabel de Solis Sorayaにインスパイアされた香り。アルハンブラ宮殿を舞台に、王位継承の波に翻弄されたグラナダの王妃の物語。宮殿の奴隷だったキリスト教徒の彼女は、イスラム教徒に捉えられ、名前をSorayaに変更して改宗させられました。その後、グラナダ王のMuley Hacenに見初められ、結婚をする。正妻とその息子、王と妾の跡継ぎ紛争がアルハンブラ宮殿で繰り広げられていたようです。

 

 

トップ:ラベンダー、ローズ、マグノリア、ベルガモット
ミドル:ナツメグ、ブラックペッパー、カルダモン、ネロリ
ベース:ムスク、アトラスシダーウッド、サンダルウッド、シナモン

唯一Eau de Parfum Fraicheとされた香りは、トップにイザベルの素朴さを、ミドルにイスラムに改宗させられた苦悩を、ベースに結婚して自分自身を取り戻していく様子を表現したもので、全体的にとても不思議です。肌に乗せた瞬間、あれ? フレッシュだ、オゾンやグリーンかなと感じた瞬間回れ右をしたかのようにアロマティックなラベンダーとベルガモットに切り替わり、そこからはグイグイとカルダモンが全てを押しのけて登場するのです。フェミニンでは決してない。でも、カルダモンは生き生きと生命力豊かに香り、やがて軽いシナモン調のウッディムスクへと引き継がれていきます。ベースが軽やかで、オリエンタルになっていないため、ムスクがなければドライにも感じられるほどの終わり方です。だから Fraicheなんでしょうね。(28/11/2017)


■Morayma (2016年)

とても美しいことで有名だったというナスル朝グラナダ王国最後の君主ムハンマド12世の妻、つまり最後の王妃。今でもグラナダにはモライマという名前を使ったお店がたくさんあるそう。下記の画像はリカルドさんがイスタンブールのボスポラス海峡で撮影したもの。

 

 

トップ:グリーングアヴァ、グレープフルーツ
ミドル:ガーデニア、マグノリア、ナルシス、ジャスミン
ベース:ヘイ、ムスク、アイリス

グアヴァがグリーンアップルのように瑞々しく弾けてスタートします。とても爽やかでトロピカル、でもこってりと甘いわけではなく瑞々しいトロピカルさが印象的なのです。香りはそこからフルーツの余韻と共に明るいホワイトフローラルに包まれていきます。ミドルのフローラルはどれ1つとして際立つことなく、少しオゾン系にも感じるフレッシュノートが軸となった、エアリーでフレッシュなフローラルとなって落ち着くのです。EdPですが、気兼ねなく使えるEdTのような明るさでとても日本人向きな優しい残り香に。(28/11/2017)


■SacroMonte (2016年)

アルハンブラ宮殿の北側にあるサクロモンテの丘では、夜になると有名な洞窟フラメンコが賑わいをみせる。ロマ族、つまりジプシーたちがこの地に住み、フラメンコを育てたのです。

トップ:グラス、フィグ、バジル
ミドル:スズラン、ジャスミン、ブラックプラム
ベース:ホワイトムスク、アンバー、ヘイ

フラメンコの衣装を切り取ると、もっと色とりどりの原色が香りとなって弾けそうですが、これは飽くまでもサクラモンテ、つまり聖なる山がタイトルです。そうか、とても乾燥した大地なのか・・・と想像しやすいフィグがトップにあります。フィグがグリーンに包まれて爽快に香るものと想像していたら、かなりグリーンノートが強く、リアルな土臭さ、雑草感を感じるグリーンフィグとなっていました。フィグにはジャスミンとココナッツが必要なのですが、ココナッツが強くはなく、逆にバジルがあることでアロマティックで爽やかな、丘を吹き抜ける夏の風のよう。ヘイが最後にアンバーと重なり、少しオイリーでオリエンタルヘイとなって消えていくのですが、このラストノートはちょっとメンズっぽいかもしれません。(27/11/2017)

 



■ZamBra (2016年)

ザンブラとは、アラビア語で笛の意味を持ち、ムーア人がグラナダに伝えた言葉だそう。今では、フラメンコの一種のダンスのこと。グラナダを拠点とする彼らしいタイトルなわけですね。

トップ:ベルガモット、レモングラス、バジル
ミドル:ラベンダー、ジャスミン、クローヴ
ベース:ベチバー、シプレアコード、アンバーグリス

この香りだけがメンズのEdTなのですが、なるほどレモングラスね、という明るいフレッシュな部分がトップでスパークし、サマーフレグランスにぴったりな濃度で輝きます。ラベンダーやバジルもアロマティックに香り、あまり甘さのないベチバー調のベースノートへ引き継がれていくのですが、フゼアになっていないため、これならばユニセックスで使えるよ、というスタイルにまとまっています。クラシカル過ぎず、個性的過ぎて使いにくいものではない、でも何だかユニークなコロン風のトワレ。(27/11/2017)

 

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