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Sampleレヴュー

■Dans la Nuit (1924年)

「夜に」というタイトルで最初に作られた歴史的な香り。ボトルがとても美しいことでも有名です。オリジナルを手がけたのはMaurice Blanchetなのですが、1985年に再販となっています。この際、調香が変わってしまっている可能性もありますが、詳細は不明。

トップ:アルデヒド、グリーンノート、ヴァイオレット、ベルガモット、レモン
ミドル:カーネーション、シナモン、アイリス、ジャスミン、イランイラン、スズラン、ローズ
ベース:サンダルウッド、トンカビーン、アンバー、ムスク、シベット、バニラ、ベチバー

上の調香が当時のものなのか現代のものなのかちょっとわからないのですが、カーネーションにイランイラン、パチョリ、バニラ、トンカビーン、ムスク等が香ります。5つの香りの中では1番オリエンタルで、時間と共にアーモンド系のムスクっぽい香りが残ってフローラルノートが消えてしまいます。もう少しオリエンタル香が強かったり、フローラルが持続してくれれば嬉しいのですが、パウダリームスクとバニラの香りになるのでわずか10分です。昔はもっと骨太だったのではないかと思うと残念です。


■Vers le Jour (1925年)

「夜明け前に」というタイトルで、2000年に再販となっています。オリジナルを手がけたのはMaurice Blanchet。香りはあまり強いインパクトのないフローラルブーケで、スズラン、ジャスミンのようなホワイトフローラルが核となって清々しくてすっきりとしたものになっています。ベースの重さは全くないのですが、ホワイトムスクは結構入っているようです。


■Sans Adieu (1929年)

「さよならは言わずに」というタイトルの香りでオリジナルを手がけたのはMaurice Blanchet。1995年に再構成させて再販されましたので、こちらも昔のままの香りではありません。香りはなんとも意外なマリンフローラルなんですよ。ちょっとメロンが効いたような瓜系マリンフローラルです。すっきりさっぱりと金属的なのかというとそうではなくて、とても可愛らしくて少女のような可愛らしさを持った香りとなっています。


■Je Reviens (1932年)

フルボトルのレヴューを参照。


■Vers Toi (1934年)

「あなたのもとへ」というタイトルで2000年に再販された香り。その際に調香も変わってしまったようです。オリジナルの香りを手がけたのはMaurice Blanchet。
香りはグリーンなパウダリーフローラルでベースにオークのような甘くて苦いウッディノートがあります。でも、つけた瞬間とてもグリーンでさっぱりとしており、クラシカルなテイストをきちんと踏襲しているのがわかります。香りは時間と共に柔らかく優しくなり、最後はテンダーフローラルからウッディへと変化して消えていきます。


以上の5つの香りですが、全てが昔のままではない再販調香なのではないかと思います。タイトルをつなげると、「夜に」「夜明け前に」「戻ってきます」「さよならは言わずに」「あなたのもとへ」となり、ひとつの文章となるのです。

夜に別れの言葉を言わなかったのは、明け方にはあなたのもとに戻ってくるから・・・という感じでしょうか。

2004年頃、この5種類各15mlのセットが1,500円ほど(9.95ポンド)で発売され、その商品が並行輸入で国内流通していましたので、手にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。1つの文章となる逸話のある香水たちですから、こちらの1つとしてまとめました。

(23/07/2009)

 

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