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Iris Nazarena / イリス・ナザレナ


<香 調> パウダリーウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 10ml×3
<濃 度> EDP

トップ
アイリス、アンブレット、ジュニパーベリー、スターアニス
ミドル
レザー、ウード、クローヴ、ローズドゥメイ
ラスト
フランキンセンス、ウッディノート、ムスク、ベチバー



2013年発売。ニューボトルになって2つ目の香りはRalf Schwiegerによるアイリスの香りとなりました。画像のようなこれまたミステリアスな配色のアイリス(の特定品種)をタイトルとした商品に。

 

 

香りは、付けた瞬間からもうアイリスが満開です。フレッシュなパウダリーノートが全開で香るのですが、邪魔している他の香料たちが感じられないということは、それだけアイリスが軸であることを明確にし、他のものを押さえてバランスを取っているからに他なりません。アイリスのシングルノートだとHermesのHirisが有名ですが、そちらと比べるとアイリスの本物感が段違いで、こちらの方がウッディノートを感じる土っぽいニュアンスとなっています。アイリスは根から香料を採取するため、天然香料はどうしても土っぽいニュアンスを含むものなのです。もちろん天然香料のみで作られたアイリスではないでしょうが、その良さを存分に感じさせてくれつつ、少し個性的にまとめた、という感じですね。香りはアイリスのパウダリーさがゆっくりと引き潮のように引いていってムスクが軽いウッディノートと共に残ります。香りの変化はアイリスのパウダリーさがあるか否かくらいで、それ以外はあまり変化のない静かな香りなのですが、全てが控えめな印象で品の良さを感じます。品質的なものは判断しかねますが、以前にL'Artisan Parfumeurが限定発売していたIris Pallidaよりも僕はこちらの方が好き。

(04/02/2014)

 

 

2013年の発売当初は、アトマイザーと10ml×3本がセットで195ドルで販売されていたのですが、今ではアトマイザーが85ドルで別売りとなり、10ml×3本は110ドルとなりました。そうですよね、他の香りを買う度にアトマイザーを増やすことになってしまうわけですから。

アイリスについて上記を補足しますと、このミステリアスなアイリスの名前はIris Bismarckianaで、通称がIris Nazarenaです。それは何故かというと、産地がイスラエルのベイルート寄り、つまり北部にあるNazarethという地方だから。とてもレアなアイリスで、なかなか市場には出回らない品種のようです。

香りは上記のレヴューと変わらず、とにかくウッディ、土っぽいニュアンスの強いアイリスで、大地の力強さを感じます。他のブランドのものだともっと軽やかなスズラン系、ホワイトフローラルノートをミドルにたっぷり配し、軽やかに仕立てていくのですが、こちらは大地の栄養をたっぷり吸って開花したようなエネルギーを感じるパウダリーウッディとなっています。もともとアイリスの香料がそうした香りなのですが、そこを生かし、個性として誇張したようなニュアンスなのです。クローヴもウードもアロマティックなニュアンスも、その1つ1つが大きく主張をすることなく、終始アイリスの変調剤となって補佐し続けていますので、アイリスの香りがお好きな方は是非、お試しを。

(13/02/2019)

 

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