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Sampleレヴュー (Collection Experience)

Collection Experienceとして発売された3種のフルーティーフローラル。どうしてもEscadaなどが市場を旋風していた時代を思い出してしまうのですが、あの頃から20年以上経つているわけで、Z世代にはこうしたフルーティーフローラルがある意味斬新で楽しく感じられるのかもしれません。あの頃のトロピカルフルーティーフローラルとどのように違うのか。調香は全てBertrand Duchaufourに委ねたことで、スパイス使いの彼はどのようにまとめたのか。

3つのうち1つはあの頃感が感じられましたが、他の2つは少し違って感じられたのは、スイカやメロンのようなウォーターフルーツが使われていないこと、可愛らしいベリー系やピーチが主体ではないことが理由かもしれません。全体のトーンはフルーティーフローラルなのに、もう少しリアルにトロピカルなのです。

コロナ禍を抜けた解放感が人々を旅に誘い、終焉した安堵感が気持ちをリゾートに向け始めたということでしょう。50mlのExtrait de Parfumが120ユーロと手頃感のある価格で発売に。

 

 

■Infinity Bloom (2025年)

バリ島をテーマとした香り。トロピカルフローラルが咲き、潮風と田んぼの土の香りが広がるリゾートでは、時間がゆっくりと流れている。夜にはコオロギの音と葉が揺れて奏でるシンフォニーが静かな眠りに誘う。

トップ:クリスタルウォーター、パイナップル、オレンジ
ミドル:パッションフルーツ、フランジパニ、ジャスミン、ジンジャー
ベース:オーキッド、ムスク、エキゾチックウッド

トロピカルフルーティーフローラルを爽やかなExtrait de Parfumに仕立てた香り。25年前に一世を風靡したスイカやメロンなどウリ系のフレッシュフルーツはなく、あっさりとしたパイナップルとパッションフルーツが瑞々しく広がります。そうか、田園風景をトロピカルに重ねたのかと期待したのですが、そうしたユニセックス感、ベースの渋さはなく、飽くまでもわくわくする熱帯の高揚感を損なわないフルーティーフローラルにとどめ、最後にまたパイナップル調のフルーティームスクに戻るという技術の詰まった調香です。(03/04/2025)


■Sunset Karibu (2025年)

Malindi Bayに陽が沈む夕暮れのひと時をテーマとした香り。Karibuはスワヒリ語でWelcomeの意味で、カリヴ海のCaribeではなく、アフリカのケニアにあるビーチで、トロピカルカクテルを飲むひと時という香り。

トップ:潮風、アジアンペア、ポメグラネイト
ミドル:オスマンサス、クリアウォーター、ライチジュース
ベース:焼けた砂、モス、ブロンドウッド

3種の中では一番あの頃感を感じる香り。それはマリンノートがフレッシュなグリーンと共にフルーティーフローラルを包んでスタートするから。ベースの渋さは全く感じられず、調香師やブランド名を隠したら、20年前の商品名が浮かびそうなタイプですが、焼き直し感がないのはBertrand Duchaufourというフィルターのせいなのかもしれません。しばらくこうした香りと離れていたからか、案外悪くはないのが意外に感じられるかもしれません。3種の中ではこれが一番フレッシュなランドリー系ムスクで終わります。(04/04/2025)


■Tropical Rhapsody (2025年)

バハマの砂浜の美しさをぎゅっと閉じ込めた香り。エルーセラ島には赤いコンク貝やサンゴのかけらでピンクとなった砂浜があることからラベルはピンクとなりました。画像を見る限り、ビビッドなピンクではなくベビーピンク系ですね。チャールズ皇太子とダイアナ妃のハネムーン先として話題になった場所だそう。

 

 

トップ:ストロベリー、ピンクペッパー、ブラックペッパー、ブラックカラント
ミドル:スターフルーツ、ローズ、ハイビスカス、アクアノート
ベース:パチョリ、アンバーグリス、ムスク、ミルラ

3種の中では一番クールなフルーティーフローラル。それはビターなスターフルーツが香るから。スターフルーツというよりも、パパイヤやジャックフルーツに近いトーンで、トロピカルだけどビターさがあるという南国らしいフルーティーフローラルです。アクアノートは強くはなく、ベースのアンバーグリスも控えめで、フルーティーフローラルを邪魔するほどではありません。3種の中では一番ムスクが厚めで、バニラ強めのスイートムスクがフルーティーに残り、最後の最後に耐え切れなかったかのようにオリエンタルムスクとなります。(04/04/2025)

 

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