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Amado Mio / アマド・ミオ


<香 調> フロリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> EDP

トップ
クラリセージ、グリーンノート、ラベンダー、ラズベリー
ミドル
カーネーション、ゼラニウム、ローズ
ラスト
アンバー、シダーウッド、イモーテル、ハニータバコ、ムスク、トンカビーン、ベチバー、ウィートabs



2023年発売。第一次世界大戦が終わり、世の中が正常化し、賑やかだった20年代のシチリア。その片田舎の小さな町で出会った若いカップルSebastianoとGiuseppinaの物語。Sebastianoはスーツを着て、レコード店で働くGiuseppinaの素へバラを抱えて向かう。その胸ポケットには葉巻が2本ありました。それはプロポーズした日のことで、Giuseppinaが亡くなるまで彼は幾度となくこの話を聞いたのだそう。そう、これはアントニオの祖父母の出会いの物語。だからタバコとローズなのです。祖父のSebastianoはアントニオが生まれる2年前に亡くなったそうですが、思い出はいつも祖母と共にあり、彼らの出会いから100年後、香りとなってリリースされたのでした。その詳細はこちらに。

 

 

タイトルは香りの彼らの世界観をからイメージされたモノクロ映画GildaのRita Hayworthの歌で、私の愛する人という意味。

 

 

2023年の展示会で彼に会った際、テスターで香ったのですが、その時の記憶がタバコローズでとてもクールだったので、迷うことなくカターニアの彼のお店でこの香りを購入したのでした。本当ならば100mlが欲しかったけれど、どうしても荷物は減らしたい、という葛藤があっての50mlでした。

 

 

ラベンダーやグリーンノートは強くはなく、ローズを少しグリーンに感じさせている程度。だから、最初はタバコローズというよりもタバコゼラニウムに感じられたのですが、ラベンダーとゼラニウムにクマリンのオリエンタルであればフゼアになってしまう。でも、この香りはフゼアではありません。アンバーノートにはバニラだけでなくハニーノートも重なっており、ハニーローズがオリエンタルになっているというのが全体像です。小麦のアブソリュートの香ばしさは強くなく、ハニーアンバータバコローズという軸を揺るがすものではありません。タバコやアンバーが醸し出すトーンが少しクラシカルで、それが祖父母の物語であることを思い出させてくれ、最後の最後は線香花火の松葉のように甘苦いイモーテルが肌に残ります。

カターニアは美しい街だし、リゾートも近いけれど、街の中心を外れたら、そこは混沌とした迷路の下町が広がっています。旅先で使うと記憶に残るもの。カターニアやシラクーサで来ていた上着にはこの香りが残っており、帰国後にも思い出したのでした。彼は今もお店から5分ほどの実家にいるそうですよ。時間があれば、お店でもっとゆっくりしたかった。

(14/05/2024)

 

 

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