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Sampleレビュー

 

 

■7 as a Constant (2023年)

7という数字は世界中で様々な意味をもっていますが、遊牧民にとっての7は幸運や繁栄を意味するだけでなく、出発点のマイルストーンとしての意味を持つそう。それは北斗七星のように導きの7つである、と。調香はAngeline Poubeauが担当。

トップ:アプリコット、キャロット、ダヴァナ、リーフグリーン、アクアノート
ミドル:アンバー、アイリス、オスマンサス
ベース:ガジュンバルサム、カシミア、ムスク、ウード、パチョリ

トップにアプリコットがあることで、これはとてもオスマンサスを強く感じる香りとなっています。そう、キーノートはオスマンサスで、グリーンノートとアクアティックな香りをアクセントに、通常レザーで支えるベースはオリエンタルとなっています。それでもダークになりすぎないのはアクアティックな香りが微かに効いているおかげ。アイリスは感じられるけれど強くはなく、オスマンサスがパウダリーに感じられるほどではありません。(26/08/2025)


■30 Years Special Edition (2021年)

旧ソビエト連邦から独立して30周年を記念して作られた限定の香り。この30年で急成長し、国民の生活が豊かになったことで満たされた気持ちを花々に込めた愛の賛歌。調香はAngeline Poubeauが担当。

トップ:ベルガモット、ネロリ、スズラン、チェリーブロッサム、レッドフルーツ
ミドル:ローズ、レッドベリー、サフラン、カルダモン、スパイス
ベース:アンバーグリス、レザー、ウード、ムスク、レジン

ローズを軸としたフルーティーフローラルをハニーとスパイスでまとめ、オリエンタルなベースに引き継いでいくとてもクールなフェミニンフレグランス。フルーツがたくさんあるのに可愛らしさはほどほどで、男性的になることはなくフェミニンなクールさを保持しています。どことなく花束というよりも寒い冬に飲むジャムを入れたロシアンティーをイメージしてしまうけれど、最初から最後まで変化が楽しくてじっくりと香ってしまう。(25/08/2025)


■Black Gold (2020年)

これはブラックゴールドと呼ばれるオイルの香り。それは、カザフスタン西部の荒涼とした土地の匂いであり、カスピ海の風、砂、泥炭、ステップ気候の草原にエンジンオイルの匂い。調香はLucas Sieuzacが担当です。

トップ:クミン、ガルバナム
ミドル:ベチバー、ラムアコード
ベース:レザー、ヴァージニアンシダーウッド、スティラックス

あぁ、これは一番心地良い香りだ。ベチバーの香ばしいトーンを軸にドライなレザーで彩られたメンズ過ぎないベチバーレザー。トップノートで少し金属的な香りがあったのはエンジンオイルなのかもしれないけれど、それがベチバーを無機質に感じさせていて、HermesのTerre d'Hermesがお好きな方に良さそうな香り。(25/08/2025)


■Heart of Alma-Ata (2020年)

Alma-AtaとはAlmatyの古い言い方で、りんごの父というりんごが豊かに実る土地であったことを意味していたそう。調香はSarah McCartneyで、市場のフルーツやスイート、ハチミツなどをモチーフにまとめたよう。

トップ:アップル、メロン、アプリコット
ミドル:ビーワックス、ハニー、レッドベリー
ベース:チョコレート、ブラックティー、バニラ、ムスク

アメリカのYankee Candle風のグルマンです。ハニーとチョコレートにフルーツを重ねていますが、リアルではなくあまり美味しくないグルマンに感じられてしまうのは、合成香料が強めに感じられてしまうから。でも、最初に記載したようにキャンドルではこうしたタイプの香りがありますから、そうした香りがお好きな方には良さそうです。(22/08/2025)


■Land of Tulips (2020年)

カザフスタンの春の姿。それは地平線のどこまでも続くチューリップの咲く草原。ペルシア(トルコ)だという説が有名ですが、チューリップはの発祥は天山山脈の麓であるという説があるのだそう。調香はSebastian Martinが担当。

トップ:フリージア、ベルガモット、シクラメン
ミドル:チューリップ、グリーンノート
ベース:ホワイトムスク、ウッディノート

少し個性的なフローラルです。可愛らしくなく、可憐でもない。透明感のあるフローラルノートにウッディノートが重なり、少し個性的なフルーツをアクセントにして広がるのですが、実は芳香性のチューリップってフリージアの香りに近いものがあったりするんですよ。黄色のチューリップは特に。そう考えると、リアルなチューリップの再現なのかも・・・と思えてきます。(22/08/2025)


■Music of Mountains (2020年)

アルマティの中国国境に広がる山々。その麓の森の朝の香りを、牧草地、きのこ、川や草原などを織り交ぜてSebastian Martinが調香。

トップ:シナモン、ナツメグ
ミドル:パインウッド、ラベンダー、シスタス
ベース:シダーウッド、ベチバー、サンダルウッド、パチョリ

どうしてその風景がシナモンなのか分かりづらいけれど、スパイスが力強く弾けてスタートです。そこからはアロマティックなグリーンとウッディノートと共にシナモンの残り香が広がっていくのですが、朝っぽくはないし、牧草地でもない。ましてや森林のイメージでもない。でも、牛を馬に乗った男性が追い立てながら放牧している牧歌的なシーンと言われたらそうかも・・・と思う。どちらかというと80年代に流行したメンズフレグランス調の香りで、特に後半はカウボーイ風となって落ち着きます。(21/08/2025)


■Pulse of Astana (2020年)

計画的に移転された新首都アスタナは、ガラスと金属の近代的な都市。だからメタリックな香りを組み込んたようです。調香はSarah McCartneyが担当。

トップ:ブラックカラント、アルデヒド、レインノート、グラス
ミドル:ローズ、メタリックノート、ピンクペッパー
ベース:ホワイトムスク、シダーウッド、ウッディノート

調香そのままの香り。アルデヒドと湿気たカビ(Geosmin)がメタリックなローズと共に弾けるから。一見とても使いにくい個性に感じられるけれど、クセが強いトップを抜けると霧がは晴れるように、ゆっくりと近未来都市の風景が広がります。好き嫌いは分かれる個性ではあるかと思いますが、ニッチなカテゴリはこうした香りがあることだし、試して面白いタイプの香りだと思います。(21/08/2025)


■Saga of the Silk Road (2020年)

シルクロードにはいくつかルートがあるのですが、中国からカザフスタンのアルマティを通るルートもあるし、カスピ海北の草原を行くルートもあり、カザフスタンとしては欠かせないエッセンス。香辛料やシルク、宝石や磁器などを積み草原を行くキャラバンたちをSarah McCartneyが調香。

トップ:フランキンセンス、ブラックペッパー、ミルラ、アルテミジア
ミドル:スパイス、レッドワイン、オリエンタルノート
ベース:ローズウッド、アンバーグリス、サンダルウッド、トルーバルサム、レジン

えー、これはスパイスではない。スパイスが全く香らない、ローズウッドの爆発。リナロールを多量に含んだローズウッドが透明感のある空気感に包まれて香るというもので、フランキンセンスも香らず、もちろんミルラはトップで香ることもなく、ハーブ類を微かなアクセントとして広がっていきます。砂漠ではなく草原を行くということでハーブ類があるのでしょう。ベースはウッディオリエンタルではあるものの、大量の軽やかなアンバーウッディノートとローズウッドに支えられ、まるで薄められたオリエンタルのよう。シルクロードがテーマでなければ、使いやすい香りではあるのですが、テーマを考えるとあまりにも薄すぎて少し残念な感じに。(20/08/2025)


■Silver Edelweiss (2020年)

高山植物として有名なエーデルワイスをタイトルとした香り。山岳地帯の多いカザフスタンでは山頂の象徴であり、幸運を呼ぶ花とされているそう。もとIFFのシニアパフューマーVanessa Prudentが調香を担当。

トップ:パイン、フランキンセンス
ミドル:グリーンノート、クローヴ
ベース:バニラ、ムスク

エーデルワイスの花のイメージではなく、エーデルワイスが咲く風景を切り取った香り。だから、パインニードルがグリーンノートと共に広がるのです。でも、そこに色どりを添えているのが可愛らしいフルーティーノートで、とてもシンプルで使いやすいフルーティーグリーンフローラルムスクとなって消えていきます。タイプとしてはJo Malone風といったところでしょう。(20/08/2025)


■The Legend of Tomiris (2020年)

女王トミュリス - 史上最強の戦士として映画化されている、中央アジアのカスピ海東に勢力を有していたマッサゲタイ族の女王トミュリスの伝説をテーマにAngela Ciampagnaが調香。不屈の女王として名をはせた古代カザフスタンの女王なのだそう。

トップ:ネロリ、タンジェリン、グラス、ホワイトフローラル
ミドル:ローズ、ヴァイオレット、ホワイトムスク、ナツメグ、カラムス、アミリスウッド
ベース:パチョリ、エボニーウッド、サンダルウッド、ベチバー、ガイヤックウッド、バニラ、パピルス、コパイババルサム

とても彼女らしいコンプレックス(複雑)な香り。基本的にはカーネーション調のスパイシーローズウッディなのですが、ヴァイオレットが効いており、セクシーだけど力強いトーンで広がっていきます。使いにくいカラムスをアクセントとするあたり、じゃじゃ馬を飼いならす映像が浮かんだりしましたが、全体のトーンは決して使いにくい個性ではなく、残り香も穏やかでクールな個性で楽しめる1本だと思います。何となく初期のL'Artisan Parfumeurに通じる香り。(19/08/2025)


■Wind of the Great Steppe (2020年)

カザフスタン人にとって幸せと自由を感じる香りは果てしなくどこまでも続く草原の匂い。灼熱の陽射しに焼かれた石、ひび割れた大地、革製の馬具を孕んだ草原の匂い。調香はSarah McCartneyが担当。

トップ:ダヴァナ、アルテミジア、サフラン、クミン、ミント、ドライハーブ
ミドル:ヴァイオレット、ワイルドフラワー
ベース:レザー、シダーウッド、ベチバー、パチョリ

ミントがとても印象的なフルーティーグリーンフローラルで始まります。合成香料のグリーンノートがまとまっておらず、少しバラバラに感じられるのですが、時間と共に落ち着き、少し渋めなウッディノートへと変化していきます。ただ、グリーンノートは突き抜けるほど鋭く強く、ローズ系のフルーティーなゼラニウム香料が少しうるさく感じられ整理したくなるのですが、テーマがテーマですから、グリーンが鋭いのも仕方のないことかもしれません。もう少し穏やかだと良いのに。馬の乗って疾走する香りであって、草原に寝そべる香りではありません。残念ながら、僕にとっては最後までバランスの悪さが際立ってしまいました。(19/08/2025)

 

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