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Sampleレヴュー

■Untitled #1 (2012年)

この香りだけレヴューが出来ていないことを知ったSpyrosが、わざわざ昔のサンプルを探し出して展示会に持ってきてくれました。これでコンプリートだよ、と。

サンバックジャスミン、ホワイトジンジャーリリー、カカオ

これは・・・なかなか再販出来ないだろう香り。だって、サンバックジャスミンアブソリュートが本気で使用されているから。カカオの香ばしい香りは強くはなく、ジンジャーリリーのCO2エクストラクトもスパイス的な割合で良いアクセントとなって香ります。とにかく、サンバックジャスミンのアブソリュートがとても豊かな香りを放ちますので、それだけで価値があるというもの。通常はピーチ系の香料で少し可愛らしいアクセントを添えるのですが、ジンジャーリリーとココアとはユニークの一言に尽きます。(22/11/2016)


■Untitled #2 (2012年)

チャイをテーマとした香り。タイトルが思い浮かばないというか、テーマなく作ったという感じらしいのでタイトルをなくしたシリーズなのだそうです。皆さんの自由にして良いよ、という意味もあるのだと思いますが、この後は3と4の発売も控えているのだとか。

チャイアコード、ミルク、カカオ、バニラ、ローズ等

これは衝撃的なトップで始まります。おそらくDiacetylではないかと思うのですが、ツンとした腐敗しそうなヨーグルトの酸味っぽい乳酸菌香がトップで弾け、うわぁ・・・と顔を背けた次の瞬間、チャイではなくてスパイシーなカカオミルクへとあっという間に変化し、ホッと息をつきました。香りは確かに調香の通りな感じで、チャイ(カルダモン、クローヴ、シナモン、バニラ)にラクトン系のミルキーノートとカカオを足した香りですね。ローズはほとんど分からないほどの量で、全て隠れてしまっています。ローズとカカオの組み合わせでローズたっぷりなものを楽しみたいならばSmell BentのFrankenが良いと思いますし、ウッディ調のものであればSerge Lutensのものが良いと思います。でもこれは、3つの中で1番個性的なカカオの香り。最終的にはクリスマスにぴったりなシナモンクッキー系のグルマン香となって消えていきます。(06/11/2012)


■Tindrer (2012年)

輝くというデンマーク語のタイトルで、とあるバンドの音楽タイトルにインスパイアされたもの。この歌を聴くといつも田舎の春の朝を思い浮かべます。家を出るとすでに陽は昇っていますが、まだ草には露に濡れている、そんな4月の朝。澄み切った青空には時折綿菓子を引き伸ばしたような雲が・・・。日中、気温が上がると晴天と豪雨を繰り返す不安定な転記となりますが、夜は星空が広がります。そう、これがスカンジナビアの夏の訪れ。全体的なイメージはセピアだそうですが、夏の訪れを感じさせてくれるような春から初夏のイメージなんですね。

サイプレス、ガルバナム、濡れた土、カットグラス、ヴァイオレット、ヘリオトロピン、アンバーグリス、ムスク、オークモス、シダーウッド

香水として使うのはどうかと思うほど、リアルな草の香りです。土っぽいグリーンばかりが際立ち、その中にレモングラスのようなツンとした酸味が見え隠れしています。本当に、露にぬれた草の上で昼寝しているような香りですので、そういったグリーン香がお好きな方にはたまらないと思うのですが、一般市場にはなかなか出回らないタイプだと思います。ミドルではヴァイオレット調の酸味が感じられるようになり、土臭さは軽減していきます。それは彼のコメントにあるように、温度が上がって露が消えていく様子にも似ていて、香りの変化をもきちんと楽しむことが出来ますよ。そのヴァイオレットの酸味も最後はなくなり、薄いグリーンフローラルへと変化した後、柔らかなシプレウッディノートが肌に残ります。(05/11/2012)


■Indigo (2012年)

大都市のマンションの最上階。夏の終わりはまだ暑さが残っていますが、風は乾燥して冷たさを感じるようになります。正午になると照り返した太陽が暑さを増しますが、見下した町並みの活気とは逆に1人きりでゆっくりと過ごす1日。夕方になって日が沈む頃、窓を閉めようとすると温かな乾いた空気が頬をなでます。そこで初めて今日が金曜日だったということに気づいた。その時、突然電話がなって・・・。

マスティック、アンジェリカルート、アンブレットシード、ヒヤシンス、ローズオットー、フランキンセンス、アトラスシダーウッド、サンダルウッド、アンバー

小説の始まりのようなイメージで作られた香りなのですが、軸となっているのはマスティックです。彼はギリシアに住んでいたことがあるそうなのです。そう、マスティックというのはあまり香水には馴染みのない精油なのですが、アイスクリームに使われたり、クッキーを初めとしたお菓子やスキンケアにも使われているギリシアの精油なのです。樹木の樹脂なのですが、透き通った黄色が綺麗で、焚くと薄いレモンのような芳香が軽やかに香ります。それをリラックスするための香りとして作ったのがこのインディゴなのでしょう。

香りは、独特な酸味と共にスタートします。一言では表現が出来ないほどスパイシーだけど樹脂っぽいトップノートなのです。香りは次第にローズを感じられるようになるのですが、アンジェリカルートやアンブレットシードのもつセリっぽい香りが最初からずっと香っており、ハーバルな印象が長く続くのが特徴で、ミドル以降はトップで感じたシャープさはなくなり、薄いセリっぽいローズ香がウッディノートと共に広がる、というのが全体像ですね。ウッディノートで1番強いのはシダーウッドなのですが、全然重さというか重厚感を感じないまま薄れていきます。(02/11/2012)

 

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