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Sampleレビュー
Geza Schon
ga01 / gs02
Patricia Choux
pc02 / pc02
Mark Buxton
mb01 / mb02 / mb03
Arturetto landi
al01 / al02
   
Egon Oelkers
eo01 / eo02 / eo03
Henning Biehl
hb01
   

■eo03 (2007年)

Egon Oelkers氏の3つ目の香りで、テーマは全てを満足させる贅沢な白。

トップ:グリーンリーブス、オレンジブロッサム、ペッパー、ピーチ、ラズベリー、ネロリ
ミドル:スズラン、エジプシャンジャスミン、チュベローズ、イランイラン、クローヴ、ヴァイオレット
ベース:エレミ、サンダルウッド、ベチバー、アーモンド、アンバーグリス、ムスク

グリーンフローラルとホワイトフローラルのブーケっぽいすっきりとした香りを予想していたのですが、予想に反してオリエンタル寄りの香りでした。アーモンドだけではない柔らかな甘さが全体を包んでいて、すっきりとしたホワイトフローラルが見えにくい感じです。クローヴも強めに出ていて、強いて言うならカサブランカですね。カサブランカの持つ甘さ、妖艶さ、スパイシーさ、肉厚な感じがします。というか、カサブランカだと思ったら生花に良く似た雰囲気なのではないかとも思えてきました。ちょっとベースのアーモンドがカサブランカっぽさを邪魔していますが、カサブランカをテーマにドライなインセンスとウッディノートを加えた感じというと伝わり安いのかな。(15/07/2008)



■al02 (2007年)

Arturetto landi氏の2つ目の香りで、テーマは雄大な略奪、豪華なエントランス。

トップ:マンダリン、レモン、ベルガモット、ピーチ、プラム
ミドル:ジャスミン、ローズ、カーネーション、カルダモン、シナモン
ベース:インセンス、ラブダナム、トンカビーン、バニラ、ベチバー、パチョリ、サンダルウッド、ホワイトムスク

テーマそのものが理解し辛いのですが、きっと虜にするということを現しているのではないかと。大きな口を開けてまっている・・・ような。
香りはとてもオリエンタルで、スパイシーアンバリーな香りというのが印象です。そのオリエンタルさをメンズっぽくしないためにフルーツとフローラルが加わっているというニュアンスで、微妙なスタンスのユニセックスになっています。フルーツの持つセクシーさ加減はレディースっぽいのですが、スパイシーさはメンズっぽいのです。(15/07/2008)



■gs01 (2007年)

Geza Schon氏の手がけた最初の香りでもテーマは深く吐き出す静寂の持つパワー。

トップ:オレンジブロッサム、グリーンライム、キャロットシード、マグノリア、バジル、ピンクペッパー、ベイリーフ
ミドル:ホワイトピーチ、フリージア、ウォーターリリー、ローズ、ジャスミン、ダヴァナ
ベース:シダーウッド、ベチバー、サンダルウッド、ガイヤックウッド、バスマーティ、ムスク、アンバーグリス、モス

ピーチのフルーティーさがグリーノートとさっぱりとしたフルーティーに囲まれて香るフレッシュフルーティーフローラルで始まります。ちょっとグリーンが顔を出すのですが、しばらくするとクリーミーさも出てきて柔らかな温かみのあるフローラルになります。すっきりとした香りからニュアンスが変わるのですが、気温が上がって香りがふくよかに香り始める雰囲気にも似ています。ベースのウッディも決して強すぎることはなく、渋さもあまり強くはありません。ベースの中でイメージに近いのはバスマーティという香り米の香り。お米の炊けた時のライススチームに仄かな甘さを足してマグノリアを加えたような香りが全体のイメージです。(21/02/2008)


■hb01 (2007年)

Henning Biehl氏の手がけた最初の香りで、テーマは優雅さの持つ力。このHenning Biehl氏はフルート奏者でもあり、ガーデナーでもあるという別の顔を持っているそうです。

トップ:オレンジブロッサム、ブラックカラント、ピーチ、グリーンリーブス、ベルガモット
ミドル:ローズ、ジャスミン、スズラン、アイリス、チュベローズ、ベルガモット
ベース:バニラ、シダーウッド、サンダルウッド、ムスク

最初付けた瞬間に香りを間違えたのかと思うくらいに調香にはないハニーノートが香りました。次第にハニーノートの中にピーチやパチョリっぽいクセのある部分が出てきて独特な香りになっていきます。ピーチにグリーノートが重なったような香りがツンと立っていて浮いた感じがしているのですが、それがまた素敵に感じます。どこかにこういう系統の香りがあったなぁ・・・と想像すると、ミカレフの香りかも。ということは、ミツコにも通じる部分があるはずです。モダンクラシカルの王道で、フルーティーさを持った素敵な香りです。べったりとしたピーチではなくて飽くまでもグリーノートの加わったフレッシュな香りである点がポイントかも。香りのイメージはピーチ、グリーンノートにチュベローズ、パチョリという雰囲気です。(21/02/2008)


■mb01 (2007年)


Mark Buxtonの手がけた最初の香り。彼はComme des Garconsの香りを手がけた人なんです。この香りのテーマはクールなエロティシズム。

トップ:ベルガモット、ミモザ、ブラックカラント
ミドル:チュベローズ、ガーデニア、チャンパカ、ジャスミン
ベース:アンバー、ムスク、サンダルウッド

トップはシトラスがはじけるように香りますが、基本はホワイトフローラルブーケです。すっきりとしたガーデニアの花束をまとめたという記述の通りにミドルの軸はガーデニアで、ガーデニアにベルガモットが重なった香りが第一印象です。次第に少しパウダリーさのあるクリーミーな香りが出てきてサンダルウッドと共に肌に馴染んで消えていくのですが、アンバー香はほとんど感じません。香り自体はとてもすっきりとしていて早春から初夏に向けて使いたくなるような香りです。このシリーズの中ではちょっと高めで100mlが164ドルのもの。(21/02/2008)


■mb02 (2007年)

Mark Buxtonの手がけた2つ目の香りでテーマはリラックスの出来るアバンギャルドな香り。

トップ:ヴァイオレット、ベルガモット、タジェット、バジル
ミドル:カーネーション、ヴァイオレットリーブス、アイリス、ラブダナム
ベース:サンダルウッド、ムスク、ファーバルサム、シャムベンゾイン

一言で言うとヴァイオレットです。核はしっかりとヴァイオレットなのですが、トップにはグリーンがあってバジルとかアイリスとかキレイに調和しています。青すぎずにパウダリーすぎずに濃厚さのないさっぱり系のヴァイオレットなのですが、次第にムスク調のほんわかとした香りにアイリスが交じり合って優しく肌になじんで行きます。ヴァイオレットをグリーン調でまとめたものがあまり多くないことと、きちんとユニセックスになっている点が好感触なのですが、欲を言えばベースのファーバルサムがもう少し主張していてくれたら良かったかも。ベースで強いのはサンダルウッドとムスクでバルサムとベンゾインはあまりわからないです。価格は100mlが130ドルと他に比べて安めです。(21/02/2008)


■eo01 (2007年)

Egon Oelkers氏の1番目の香りでテーマは「心に響く温かなバルサム」。

トップ:タンジェリン、ブラッドオレンジ、カルダモン、ナツメグ、アプリコット、ココナッツ
ミドル:ローズウッド、オールスパイス、アイリス、オーキッド、スズラン
ベース:スティラックス、バニラ、シナモン、トンカビーン、シダーウッド、ベチバー、パチョリ、サンダルウッド、アンバーグリス、ムスク

トップからココナッツが強く出ています。ココナッツの香る甘い樹脂系ウッディというニュアンスで、トップのシトラスとスパイスはあまり感じませんね。ココナッツに押しやられています。メンズにしてはスパイスが弱く、レディースにしてはウッディが強いというユニセックスになっています。ミドル以降、どんどんとウッディが強くなっていきますが、ココナッツの香りはまだまだ存在感を出しています。ミドルの香りが全くわからないのですが、ラストノートは甘さのあるウッディに落ち着いて静かに香っているので、これはこれで良いのかも。(21/02/2008)


■eo02 (2007年)

Egon Oelkers氏の2番目の香りでテーマは「ハイクラスで洗練されたコロニアル様式」。

トップ:ベルガモット、グレープフルーツ、ガルバナム、カルダモン、コリアンダー
ミドル:タイム、ダバナ、ファー、ローズ、ジャスミン、カーネーション
ベース:アトラスシダーウッド、パチョリ、サンダルウッド、インセンス、バニラ、シナモン、アンバーグリス、ムスク

イギリスの植民地時代の様式をテーマとした様子で、これはメンズの香りです。ですから香りも英国紳士的なクラシカルさをもったメンズになっています。本当にオーソドックスなんですよ。なんだろう、スパイスとハーブがウッディと絡むという感じで、シトラスハーバルウッディの典型だと思います。あまりに王道過ぎて似ている系がごっそりありますので、価格帯に見合うかなぁ・・・というのは微妙です。ミドル以降は優しさを感じるハーバル系ウッディになりますが、あまり甘さは出ていません。(20/02/2008)


■pc01 (2007年)

Patricia Choux女史の1番目の香りでテーマは「夕陽を眺めて深呼吸した時の心地良さ」。

トップ:タンジェリン、ネロリ、ダバナ、マンゴーリーブス
ミドル:ピオニー、アイリス、マンゴー
ベース:カシミアウッド、ベチバー、ムスク

マンゴーリーブスの力でしょうか、トップから少しキュウリっぽいグリーンが出ています。すっきりと爽やかなグリーンフローラルと言った印象です。キュウリっぽいのですが、全くの瓜系ではなくて、草取りをした時に軍手についてしまった青さをも感じるので、とても生々しい青さを感じているようです。マンゴーの香りはそこまでトロピカルさを出していなくて、あるのはわかるのですが、押さえたあたりが面白さに繋がっているのかも。ピオニーの瑞々しさがトップに出ていた青臭さと交じり合って爽やかに香りますが、持続はそこまで長くない気がします。ラストノートは瓜っぽい青さが薄れてウッディがほんのりと出てきてそのまま消えていきます。(20/02/2008)


■gs02 (2007年)

geza schonによる2番目の香りで、テーマは「傲慢さは時にエロティックである」。13歳の時、すでに100種類の香りの違いを見分けることが出来たそうです。調香師向きな方だったんですね。近年ではEscentric MoleculesのMolecules 01が彼の作品。

トップ:アブサン、カンパリ、オレンジ、タイム、アンジェリカルート
ミドル:レザー、カストリウム
ベース:アンバーグリス、トンカビーン、バニラ

アブサンとアンジェリカの中に強すぎない形でアニマルノートが効いている、という不思議な香り。フローラルが全くなくて、ハーバルなんですよ。かすかにミントっぽい香りもしているのですが、青臭いというほどの強さになっていないのは、アブサンとアンジェリカが柔らかさを出しているからだと思うんです。香りは時間と共に少しパウダリーさを増して丸みを帯びた香りになっていきます。アニマルノートが強すぎないので、とても使いやすくて上品な香りにまとまっています。よくよく香っていないとレザーはわからないのですが、ラストノートになると存在感が増してきます。バニラとレザーの絡み合ったウッディという印象になっていきます。(20/02/2008)


■pc02 (2007年)

patricia chouxによる2番目の香り。調香師を夢見た少女が世界中を旅し、実験を怖がらず、慣習を打ち破る勇気を持った女性となって香りを紡ぎ出す。
テーマは「サーカスやコットンキャンディー、くすくす笑う蝶たち、そして、至福の時」

トップ:ベルガモット、カルダモン、スパイス
ミドル:ピオニー、フリージア、ルークム
ベース:ブロンドウッド、パチョリ、トンカビーン、ハニー、ムスク

ルークムって「トルコの喜び」って言うんですね。訳してみて初めて知りました。ごくごく普通に美味しそうなフルーティーフローラルです。特別変わった感じはしないなぁ・・・と思っていたら、フルーツの中に少しクリーミーな甘さが出てきました。その後にオリエンタルなパチョリが顔を出して少し大人びた印象になっていきます。フルーツはトップで消えてしまうんですね。もっともっと強いグルマン系かと思っていたので意外だったのですが、ラストノートはふんわりとした甘さとウッディが優しく肌の上に残り、パチョリとともに香っています。(20/02/2008)


■ mb03 (2007年)

mark buxtonによる3つ目の香り。彼は著名な調香師で、Comme des Garconsの2等Garconsを始め、手がけたヒット作はたくさんあります。パリ在住のイギリス系ドイツ人である彼は、視覚を無くすことで嗅覚を生かして香りを作ります。この香りのテーマは「パワーのダークサイド」

ミドル:ローマンカモミール、レッドペッパー、エレミ
ベース:ラブダナム、カシミアウッド、スティラックス、アンバーグリス、ムスク、インセンス、サンダルウッド、パチョリ

トップノートがないという形で、付けた瞬間はハーバルグリーンとアンバーが重なります。基本的にはベースのアンバー系ノートが強いのですが、一言では言い表せないような系統です。難しいわけではないのですが、少しずついろいろな欠片が集まっている気がするんです。ウッディも硬質なものと軟質なものが、アンバーも動物っぽいものと樹脂っぽいものとが、ハーブもスパイスっぽいものとグリーンのものとか、それぞれ混在しているのがわかる香りです。パチョリは強くなく、それほどアーシーになっているわけでもありません。ドライでもないけれど、セクシーとまではいかない、という微妙なスタンスでストップしているウッディアンバリーな香り。個人的には好きです。物凄く独特かというとそうではなくて、使いやすい香りだと思いますよ。(20/02/2008)


■al01 (2007年)

Arturetto Landi氏はもともと化学者だったそうです。偶然に調香師になったのだとか。彼の1番目の香水は、フルーティーフローラルです。イメージは「嗅覚オペラ」

トップ:ガルバナム、パイナップル、カシス、ピーチ、ベルガモット、バジル、ラズベリー
ミドル:フリージア、ヴァイオレット、オレンジブロッサム、イランイラン、スズラン、ジャスミン、ガーデニア、ヘリオトロープ、オーキッド
ベース:アイリス、ベチバー、サンダルウッド、オークモス、ホワイトムスク、アンバーグリス

とんでもなく詰め込んだような調香です。いろいろと華やかに飛び散る香りがまるでオペラを見ているかのように広がる、ということなのでしょうけど、香ってみてとても楽しい香りです。トップはフルーティーフローラルなのにバジルやガルバナムのグリーンが渋くツンと出ていて、苦味もあったりして不思議な香りでスタートします。その後にヴァイオレットやスズランっぽさ、フルーツの残り香にガーデニアっぽい香りが中心となってフローラルに移行し、最終的にはウッディが少し出てきて、落ち着いた品の良い香りになります。フルーツが長引かないので可愛らしい印象は強すぎないんです。逆にオークモスが香るのでミドル以降はモダンクラシカルな雰囲気にも感じますね。そんなに強くはないんですけどね。(20/02/2008)


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