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Obsession / オブセッション


<香 調> オリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 7.5ml、50ml

<濃 度> Extrait de Parfum、EdP


トップ
マンダリン、ベルガモット、バジル、グリーンノート
ミドル
ジャスミン、オレンジブロッサム、コリアンダー
ラスト
アンバー、バニラ、ベチバー、フランキンセンス、パチョリ、オークモス



 

現代では息子のAurelianが大活躍していますが、こちらは父であり、2004年よりGivaudan社の調香スクールの校長として若手の育成をしているJean Guichardによる調香で、1985年に発売された香りです。

妄想というか、頭から離れない様子がタイトルとなっているように、ビジュアルは男女共にセクシーさを際立たせていたのが特徴で、メンズは翌年に発売となれました。日本ではバブル期でしたから、こちらの香りを愛用していた方も多いのではないでしょうか。同年発売のPoisonが大ヒットしたわけですが、そちらよりも更にセクシーさを増していた香りだったように思います。香りも時代に合わせた個性を引き出すオリエンタル。

 

 

 

この香りが国内でもパルファムとして発売されていたことを記憶していた方はいらっしゃいますでしょうか? 当時はクラランスが正規代理店として商品を輸入販売していたんですよ。パルファムのボトルは容量の割には大きくてどっしりとしており、中国を意識したようなブラウンボトルになっているのですが、この香りが発売された背景にあったのは、前年に発売されて瞬く間にヒットしたChanelのCocoがありました。

 

 

そう、Cocoこそが中国趣味のオリエンタルだったわけで、そのヒットを受けて時代の流れに乗っかった、というのがこのブランドらしさだと思います。

 

 

香りはCocoを彷彿とさせるシトラスとジャスミンの組み合わせにスパイスとハーブを加えてオリエンタルにしているのですが、Cocoほどジャスミンが強くはなくスパイスを強めることで差別化したような印象を受けます。Cocoに感じるハニーノートはこちらではベンゾインに置き換え、更にパチョリを強めてオリエンタルな印象を濃くしているようですね。特にこの香りのラストノートは懐かしいほど濃厚なムスクがもわもわと肌に残ります。それもやはり素肌感を表現したかったからなのでしょう。どちらも時代を象徴するようなオリエンタルな香りですから、後年にも流行がつながっていくわけですが、98年発売のVivienne WestwoodのBoudoirも似た雰囲気です。

(28/08/2014)

 

 

EdPを追加です。レディースとして発売されたことが不思議なほど、パチョリ強めなオリエンタル香が広がります。全体の印象としてはパルファムと同じで、濃度だけが違う商品に思われるのですが、このボトルは廃番後も求められた方が多いのか、あまり見当たらず未使用品はプレミア価格となってしまっています。

香りの系統は、古くはCotyのL'Origan、そこからDanaのTabu、YSLのOpiumへと引き継がれ、そこからChanelのCocoへとつながっていったパチョリとクローヴにフローラルノートを重ねたスタイル。あぁ、Estee LauderのYouth Dewなどもこの系統です。ということは、フェミニンとは言い難いけれど、Opiumのようにジャスミンが効いていたらElixilのように広がって感じられたのだと。ただこのObsessionはフローラルノートが強くはなく、単品香料で存在感を薄くして使用されており、それでいて素肌感に合うようにラストノートは艶めかしく肌に溶けていきます。

いつの時代も形は変われど女性たちに一定の支持を得ていたオリエンタルですから、きっとまた違う形で登場することでしょう。パチョリ系のオリエンタルがお好きな方にぴったりな香りでした。

(23/01/2025)

 

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