■Araba Fenice (2020年)

フェニックスがデザインされた香りで、生まれ変わりを意味するフェニックスらしく、大きな改革や、変化しなくてはならない場面に直面した時の香り。調香はArturetto Landiです。

トップ:ベルガモット、グリーンリーフ、マンダリン、グリーンアップル、ピーチ、プラム、ストロベリー、ココナッツ、ブラックカラント、デュー
ミドル:ジャスミン、マグノリア、スズラン、ヘリオトロープ、オーキッド、チュベローズ、オレンジブロッサム
ベース:シダーウッド、パチョリ、サンダルウッド、シュガー、プラリネ、アンバーグリス、ホワイトムスク

透明感のあるハニーがフルーティーフローラルを包み込んだ、フレッシュフルーティーフローラルムスクです。この中に感じられる核となっている香りは、他の香水にも近年良く使われているのですが、ハニーっぽくて且つ瑞々しい、透明で柔らかなシートで全てを覆うような香りです。それが可愛らしいフルーティーフローラルを包み込んでいるわけですから、可愛らしさを少しヴェールに包んで抑えているようなニュアンスで始まります。香りはそこから少しウッディノートの効いたベースへと変化していくのですが、自分を甘やかしてくれそうな心地良い音楽に合う香り。(11/08/2022)


■Pura Essenza (2020年)

ユニコーンが描かれた香りの意味は正義。思いやりや慈悲に満ちた心を求める人たちの香り。調香はAulentissimaというブランドを手がけているGiovanni Festaが担当。。

トップ:ジャスミン、山椒、レッドベリー
ミドル:レザー、スティラックス、エディブルノート
ベース:ベンゾイン、ウード、ムスク

オリエンタルなレザーにベリーが重なるという、フルーティーレザーで始まります。男性的なレザーをユニセックスに傾けるために強すぎないベリーを配し、ウードとレザーを軽やかにするためにジャスミン調のフレッシュフローラルノートを入れたというニュアンスで、レザーやウードが控え目な分、誰もが手にしやすい香りとなっているのです。ムエットで香った際にはインパクトがいまいちに感じられたのは、トップノートが少し弱かったからかもしれません。最後まで重さを全く感じないまま終わりますので、たっぷり使っても全然平気なオリエンタルさです。(11/08/2022)


■Anima Libera (2020年)

ペガサスがデザインされた香りのタイトルはフリーソウルで、調香はLuca Maffeiが担当。詩人、芸術家、夢想家、自由を求めて様々な困難や壁を軽やかに乗り越えていく人々の香り。

トップ:ベルガモット、ピンクペッパー、マテ
ミドル:ジャスミン、ミネラルアコード、ホワイトアイリス
ベース:シダーウッド、ムスク、アンブロキサン

たっぷりのジューシーなシトラスで幕開ける、日曜日の朝、カーテンを開けて陽射しを浴びた時のような目覚めの香り。ジャスミンやアイリス、ウッディノートはとても柔らかなたっぷりのムスクに包まれて静かに香り、時間と共にアイリスムスクへと変化していきます。その点もやはりシーツの上、つまりはベッドルームを想像させるのです。どの年代も性別を超えて使いやすい、シェアしやすい清潔感のある香りです。(10/08/2022)


■Forza Suprema (2020年)

ドラゴンが描かれた香りで、大きな仕事をやり遂げるために、結果を出すためにもっとパワーが必要な時に使う香りで、タイトルは最高のパワーの意味。調香はLuca Maffeiです。

トップ:ベルガモット、ジンジャー、ネロリ
ミドル:レザー、ラブダナム、バーチ、ビターココア、ナツメグ
ベース:フランキンセンス、ベチバー、カシュメラン、ムスク

5つの中では一番好みに合っていた香りでした。それはスパイスたちがビターなフランキンセンスにつながっていくスパイシーオリエンタルな香りだったから。ムエットでは比較的ドライなスパイシー感だったのですが、肌ではラブダナムが強めに香り、時間と共にどんどんダークなオリエンタルへと変化していきます。その頃にはスパイスもなくなり、オリエンタルムスクとなって落ち着くのですが、ドラゴンだったらもう少しスモーキーでも良かったのかな、と思うところですが、ターゲットが若い世代ですので、とにかく誰もが使いやすい香りを意識したのでしょう。5つの中では個性的ですが、他のラインと比較するとシンプルに感じられるはずです。(10/08/2022)