*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Cashmere Donna / カシミア・ドンナ


<香 調> フローラルウッディムスク
<仕 様> レディース
<容 量> 100ml
<濃 度> EDT

トップ
アルデヒド、グリーンベルガモット
ミドル
ダマスクローズ、ジャスミン、スズラン
ラスト
シダーウッド、アンバー、バニラ、ホワイトムスク



 

2006年発売の初香水。その質の良さからイタリアはもとより、アメリカ、ヨーロッパで話題となりました。イタリアのニュース記事も発売当時にチェックしていたのですが、結構あちこちに出ていた記憶があります。

カシミアニットを手がけるブランドらしくパッケージがカシミアの袋になっているんです。このカシミアの袋を触ったときの柔らかさ、ぬくもり、喜び等を香りに置き換えることが良くできたものだと賞賛を浴びた香りです。香りも流行系のフルーティーフローラルではなく、トップから広がるのはグリーンアルデヒドです。そこからフローラルがゆっくりと広がり、ラストには温かみをもったウッディが出てくるのです。ミドル以降までしっかりとアルデヒドも持続をするのですが、その全体的なまとまりある香りが、本当にカシミアにぴったりで、柔らかさを十二分に感じさせてくれます。ラストノートになるとアルデヒドが薄れてウッディとムスクがメインとなっていきます。甘さは仄かで主張していません。

アルデヒドが香っているうちは優等生的というか、背筋の伸びた感じがするのですが、アルデヒドが消え入る頃になると今度は上品な包み込むようなふんわりとした香りになります。

(28/06/2007)

 

久しぶりに試してみたのですが、経年でアルデヒドが穏やかになり、強めに主張することなく落ち着いたアルデヒドが広がります。シトラスと共にスパークするようないわゆるフローラルアルデヒドではなく、バニラやアーモンドに隠れて広がるアルデヒドで、その存在は肌に乗せてしばらくしてからの方が際立ちます。

以前はアーモンド調のスイートノートを感じていなかったようなのですが、こんなにアーモンドっぽいスイートノートだったかとハッとしました。それでも香りはアルデヒドをウッディムスクが柔らかく包み込み、ボディクリームのような滑らかな残り香となって落ち着きます。EdTですので全体のトーンは軽めですが、今の時代であればExtrait de Parfumでしょうから、もっともっとリッチになっていたことでしょう。

香りのないものに香りをつけることができるのは香水の良い点であり、その香りの解釈も様々で正解がないばかりか、全てが正解なのも楽しい点です。残念ながら廃番となってしまっていますが、フェミニンなカシミアの香りは案外男性にも好まれたのではないでしょうか。

(18/01/2024)

 

<Cristiano Fissore Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜