*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Tabu / タブー


<香 調> オリエンタルアンバリー
<仕 様> レディース
<容 量> 50ml、45ml、15ml
<濃 度> EdT、EdC、Extrait de Parfum

トップ
ベルガモット、オレンジブロッサム、バジル
ミドル
カーネーション、ローズ、ジャスミン、クローヴ
ラスト
パチョリ、アンバー、ムスク、オークモス、バニラ



1932年、調香師Jean Carlesによって作られた最初の香り。ブランドの創設者であるJavier SerraとJean Carlesは友人であり、「衝撃的で価値のある香りを作ってくれ」と依頼したそうです。シンプルだけどとても個性的な香りはJean Carlesの大好きなパチョリを10パーセントも使用したこのタブーは、わずか18種の香料で作られているそうです。キーノートはパチョリとカーネーションで、パチョリをこれだけ濃く使用したオリエンタルなものは当時は斬新だったようです。このパチョリとカーネーションの組み合わせは後のユースデューやオピウムに繋がっていくのですが、さきがけとなったのはこの香りだったのです。

1932年当時の調香と変わることなく今も当時のままなのだそうですが、原料は時代と共に変化したそうです。精油は戦争で高価になったり、インドネシアが飢餓状態だった際にはパチョリの栽培よりも米が栽培されたりして精油の供給は安定しません。年によって香りが微妙に変わることも理由で合成に置き換えられてきたのです。

バイオリニストが聴衆の前で恋人であるピアニストにキスしている写真を広告として使用したことからバイオリンの形をしたボトルも作られています。でも、画像のボトルもダナの他の製品に使われている形なんですよ。60、70年代のヒッピー文化が大流行した際には価格が安いこともあって海外土産の定番となりました。パチョリがブームとなっていた頃です。僕も以前は違うボトルで所有していたのですが、使い切ってなくなってしまいました。香りの印象はやはりオリエンタルでどっしりとしたパチョリ系の毛足の長いふかふか絨毯だったのですが、今香るとなるほど、クローヴ調のフローラルがしっかりと香っています。これがあるからこそレディースなのですね。次第にパチョリとカーネーションだけではくてアンバー調の香りがオークモスと共に出てきます。ジャスミンやローズ、ましてやトップノートはほとんどわかりません。パチョリをどっしりと入れてしまっているので基本はトップから重めなんです。ラストになるに連れてカーネーションが消えていくので残るのはアンバー調の残り香とパチョリです。ちょっと真夏には使いづらい重さですが、秋冬にはとても温かみを感じる素敵な香りだと思います。

(17/07/2008)

EdCを追加です。ただ、香りは同じで薄くなっただけです。

(05/01/2012)

 

 

ヴィンテージのパルファムを追記です。32年の発売後、パルファムのボトルはあまり変わらず60年代まで同様だったようで、手元のボトルの画像が昔のポスターにそのまま映っています。50年代のポスターがとても多く、60年代になると別の香りの方が多くなりますので、売り出し中の香りというよりも、もう落ち着いた定番品という扱いだったのかもしれません。

手元のボトルは国内代理店だったブルーベルから発売されたものなのですが、ブルーベルの会社名がファーイーストエスエイであることから、これは1954年〜1975年の間に発売されたボトルだと特定することが出来ます。未開栓のパルファムを開封する瞬間というのはいつもドキドキするものなのですが、フラコンのキャップを見てみるとシリコンになっていますので、60年代後半〜70年代のものなのではないでしょうか。

香りをEdTと比較してみると、かなり印象が違っていて驚かされたのですが、パルファムにはきっちりとフローラルノートが生き生きと感じられるのです。逆に久しぶりに香ってみたEdTはトップにシナモンがあり、そのシナモンが印象的に弾けてからアンバーパチョリへと変化していくのですが、パルファムはシトラスノートが感じられ、さらにその奥にあるローズアブソリュートらしいフローラルノートも感じられるのです。今でこそ安価に流通していますが、古くは全ての香りのパルファムを発売していたほど力を入れていたブランドですから、品質も高かったんですね。現行品のEdTとは比較にならない厚み、深みをもったパルファムです。香りがパワフルで強いわけではなく、飽くまでも似たような香りたちでありながら深みを感じるのです。パルファムらしい違い方ですよね。

(06/06/2014)

 

<Dana Parfums Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜