■Ambrorient (2008年)

Les Orientauxコレクションとして3種(Ambrorient、Orientalissime、Oriental spice)発売されたうちの1つで濃度はEDPです。

シトラスフルーツ、フラワーペタル、ハニー、アンバー、レザー、バルサムノート

典型的なシトラスアンバーです。アンバーノートもラブダナムのものではなくて甘い樹脂香というもので深みがあるというよりはシトラスのおかげでさっぱりと感じます。それでも十分な甘さが出ているのでオリエンタルなのですが、フローラルはあまり感じません。ミドル以降はハニーノートがアンバー香に重なって出てきて甘く広がります。とても使い安いシトラスアンバーだと思います。


■Modern Chypre (2007年)

2007年10月に発売されたLes Chypresというコレクションの1つで、クラシカルとモダンと2つのシプレがあります。調香はFabrice Pellegrin氏で濃度はEDTのもの。

ベルガモット、グリーンマンダリン、ラズベリー、スズラン、ホワイトローズ、プラリネ、パチョリ

トップからシプレなんか忘れるくらいにジューシーな香りが広がります。やはりベリー系の香りが出てくるとケミカルに感じてしまいますね。シトラスノートにベリー系の香りが重なっているというのが第一印象なのですが、ミドル以降は緩やかにパチョリが出てきて少しオリエンタル風になります。シプレというほどのものではないのでかなり一般的に使いやすくまとめたものなのでしょう。シプレを期待すると少し残念な感じです。どことなくバブル期の押しの強い主張のはっきりとした香りにも思えます。


■Tonka (2006年)

サンダルウッドとトンカビーンを核とした珍しい香り。トンカビーンをタイトルとした製品は極めて珍しいと思います。

トップ:ベルガモット、ジンジャー、ピンクペッパー
ミドル:パチョリ、シナモン、ドライフルーツ
ベース:ベチバー、トンカビーン、サンダルウッド

国内でも発売されているトワレバージョンのレヴューです。これがトンカビーンなわけないじゃん!!というスパイシーウッディで幕開けする香りで、トンカビーンらしさはしばらくしないと出てきません。スパイスとトンカビーンの組み合わせがとても典型的なメンズ香を醸し出しており、ユニセックスというよりも男性の方が使い安い香りだと思います。パチョリもベチバーも強すぎるほどではないのでオリエンタルではないのですが、香れば香るほど典型的なメンズ香になっていきます。トンカビーンなのに不思議です。


■Cedre (2006年)

シダーウッドをメインとしたスパイシーウッディな香り。

シダーウッド、ラブダナム、シナモン

基本の調和はこの3つの香りです。おがくずのようなシダーウッドの香りそのものではなくて、シナモンがしっかりと効いていて、ドライすぎずに温かみのあるスパイシーウッディな香りです。とってもしっかりとウッディが香ります。シトラスやフローラルが全くないために、純粋にウッディを楽しみたい方にはぴったりですね。とても落ち着く香りです。(08/06/2007)

■Pivoine (2006年)

ピオニー(芍薬)をメインとした女性らしい香り。チャイニーズプラムとは梅のことなのか、プラムのことなのか。

ピオニー、ライチ、チャイニーズプラム

フルーティーフローラルなのだと想像していたのですが、それほど強くフルーティーではありません。梅っぽさもなくて、プラムなんだろうなぁ。優しくてバニラではなく花の甘さを感じる香り。ピオニーのスパイシーさは感じないので、生花っぽさを感じるわけではないんです。これだったらユニセックスで使えそうかも。(08/06/2007)

■Folie de figue (2007年)

悲しみのイチジクというタイトルのCollection Couleursの1つ。

イチジクの果実と葉、白樺、グリーンアロマティックノート

フィグの香りがぶわーっと広がるのですが、果実というよりも葉の香りの方が強いです。グリーンノートがしっかりあるからでしょうか。グリーン系のウッディで、渋さも感じます。特にミドル以降は甘さというよりも葉の渋さの方が勝っているので、メンズ寄りのユニセックスな印象なんです。果実の甘さが出ていたらディプティックやラルチザンのようになり、女性でも使えるユニセックスになるのですが、これはちょっとメンズ寄り。(08/06/2007)