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Brezza Leggera / ブレッツァ・レッジェーラ


<香 調> アロマティックオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml

<濃 度> Extrait de Parfum


トップ
パイン、ベルガモット、ブリーズ
ミドル
イモーテル、アルテミジア
ラスト
ミルラ、ムスク、ラブダナム



2025年2月19日発売の4種の「風」をテーマとした香りの中の1つ。タイトルの意味はGentle Breeze、つまり優しい風、そよ風。でも、聖書の中ではおそらく吐息のようなものをさしているのでしょう。

それは、ユダとイスラエルの王について語られる旧約聖書の列王記上の中の記述から。

 

 

The Lord said, “Go out and stand on the mountain in the presence of the Lord, for the Lord is about to pass by.”

Then a great and powerful wind tore the mountains apart and shattered the rocks before the Lord, but the Lord was not in the wind. After the wind there was an earthquake, but the Lord was not in the earthquake. 12 After the earthquake came a fire, but the Lord was not in the fire. And after the fire came a gentle whisper.

 

洞穴から出て山の上で主の前に立ちなさい。主が通り過ぎようとしている。

すると強い風が山々を引き裂き、岩を砕いたが、主は風の中にはおられませんでした。風の後は地震が起き、火の手が上がったが、どこにも主はおられなかった。そして、火の後に優しい囁き声が聞こえてきた。

 

強風、地震、火事。世の中で起きた震災は神の力であったり前兆であった(と、されています)。でも、(聖書の中で語られた)エリヤは神の声を知っていたので、それらの中に主がいないことを知っていた。その後に聞こえた囁きこそが主の声だったと。それは、囁きであり、朗々とした静寂の糸であり、恵みの息吹であり、導き付き添う者の存在を示すメッセージであった。

というような、難解なメッセージの中に登場する風を香りとしたもの。だから最初に、この風は吐息のようなものであろうと記載したのです。

 



キャップは溶岩のようであり、頭のようであり、鼻のようでもあり、
手を置く杖の頭のようでもあり、重量感抜群です。

 

忘れてしまった美の道へと誘う香りであり、人生という旅の些細な喜びを思い出させてくれる香り。孤独を感じている時も、絶え間なく響く音の中に存在する声であり香り。音もたてず密やかに、ずっとそばにいて見守っているものを香りに投影したのでしょう。聖書の中では、神は沈黙の中におり、雑音から離れて静けさに身を置き(瞑想して)、心の奥底にある良き羊飼い(神)の声に耳を傾ける必要がある。その声を認識できるようになると、その声が私たちをより豊かな人生に導くのだ、とされています。

 



Filippoのスタッフ、 Diegoによる商品説明。
Diego劇場とも言うべき、大きな身振り手振りで説明する彼の周りは常に人だかり。

 

4つの風の香りの中で一番精油感が強く、アロマティックだった香りを最初の1本に選びました。パインニードルのフレッシュさと共にイモーテルやミルラの甘苦いビターアンバー系の香りが、パチョリやオークモスなどのアーシーな香りと重なり、オリエンタルだけどフレッシュという二面性を感じさせる香りとなって広がります。結構なオリエンタルノートが入っているのに重くないのは、やはりこちらもIso E Superがどっさりと入っているからであり、Extrait de Parfumであっても気兼ねなく使えるアロマティックオリエンタルとなっています。精油だけで表現できそうな香りではあるけれど、精油だけでは決してこうはならない。それが合成香料の役目でもあり、用法でもあります。とてもバランスの良い隠れた立役者であり、精油感を引き立てています。

山の上に立ち、強風で風に千切れた葉や枝の匂い、地震で口を開けた土の匂い、パチパチと燃える樹木の匂い。スモーキーなタール香こそないものの、そうした場面を切り取ったという絵画的な香りとも言えそうです。

(31/03/2025)

 

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