*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Atmosphere d'Emotion

 

 

霧の次は雨となり、小雨、にわか雨、豪雨となりました。ボトルには水滴がデザインされ、キャップには黒いコットンが付けられました。全てにマリンノートが使われていますが、それぞれ全く違ったニュアンスになっています。50mlのExtrait de Parfumが125ユーロで発売に。


■Pioggia Moderata (2022年)

にわか雨はミラノの街中にふる雨。雨に濡れたアスファルトを思わせるダークな香り。

ベルガモット、アイリス、マリンノート、マートル、ナツメグ、ジャスミン、クローヴ、プレシャスウッド、アーシーノート、ムスク、タイム、トンカビーン、ラブダナム、パチョリ、サンダルウッド

3つの中では一番力強い香りです。スモーキーなダークウッディトーンにマリンノートが重なり、マリンノートなのにオリエンタルに香るという少しパラレルな調香。後半はスモーキーなニュアンスを残したままラブダナムの効いたオリエンタルムスクとなって落ち着きます。この香りの中ではマリンノートがスパイスのような役割で、少し個性的なマリンノートを楽しみたい方には楽しい1本となりそうです。(07/07/2022)


■Pioggia Forte (2022年)

豪雨は海岸に降る雨。突然の豪雨の中で抱き合い、結ばれる二人。

ガーデニア、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、シクラメン、マリンノート、ムスク、ベンゾイン、アンバー、プレシャスウッド、ベジタブルムスク

3つの中では一番フローラルノートが感じられる香り。でも、可愛らしいテイストでは決してなく、フローラルトーンがあったかと思ったらすぐにフレッシュウッディムスクへと切り替わっていきます。マリンノートもありますが、それよりもフレッシュノートの方が強く、一番明るさを感じるマリンフレッシュウッディムスクを経て、最後はアンバーグリスムスクとなって終わります。3種の中では一番ムスクが強く、アンバーグリスもかなり強めに残ります。マリンノートのフレグランスは大流行を経て嫌悪される匂いとなりましたが、若い世代には新しく感じられるのかもしれません。(07/07/2022)


■Pioggia Debole (2022年)

小雨は森に降る雨。湿った薪の匂いに、カビっぽい雨上がりのペトリコールを加えたもの。

ベルガモット、パインウッド、マリンノート、レモン、ジャスミン、シダーウッド、ベンゾイン、サンダルウッド、ムスク、プレシャスウッド

3つの中では一番マリンノートが効いた香り。でも、ペトリコールがとても土っぽいニュアンスを感じさせ、トップではピネン類がすっきりと香り、香りはそこから土っぽい、でも透明感のあるウッディムスクへと変化していきます。雨上がりの匂いを探している方は結構多いのではないかと思いますが、あの特有のニュアンスを感じられる香りです。特に夏のスコールの後のもわっと熱気に満ちた空気感を経て、フレッシュウッディムスクとなって落ち着きます。(06/07/2022)

 

 

イタリア語で霧、つまりFogという意味の3つ目のラインです。霧に包まれ、歩く森の中。見えにくいものを手探りで探すのは、聴覚、嗅覚、指先の感覚まで全てを研ぎ澄まさなくてはならない。モノクロにこだわる彼らしいニューラインです。放射霧、移流霧、蒸気霧、前線霧、上昇霧と日本では5つに霧は分類されていますが、フィリッポはそれを厚み、濃さ、深さというニュアンスの似た、でも良く考えると違う言葉で分けました。ボトルにはコットンが霧のようにあしらわれており、見ても楽しいボトルです。また、液体にはセミナーでも良く使用していますグリッターが入れられており、ゆらゆらと揺れるくぐもった霧のようなテイストに。全てが霧につながっていくのです。(07/06/2018)

 

■NEBBIA spessa (2017年)

浜辺に漂う、深い霧。

 

 

海藻、アクアノート、露アコード

海辺というテーマに沿って、マリンノート、シーモスノートを主体としたほの甘いマリンフレグランスです。昔のマリンノートとは違い、香り方がそこまでパワフルではないのですが、それでもマリンノートだというだけでちょっと敬遠してしまう人たちがいるのも事実。でも、霧が晴れていくようにすーっとマリンノートが薄れていくあたり、案外使いやすかったりするのかもしれません。昔のマリンと違い、海藻の香りが少しモスっぽく漂っているところも好感が持てて、ベースは軽めなムスクとウッディノートが支えています。更にはラストノートに残るのは軽いフローラルノートだったりもするんですよ。Extrait de ParfumというよりやはりEdT感覚な香りです。(07/06/2018)


■NEBBIA fitta (2017年)

一番表現しにくい、厚みのある霧。

 

 

アンバー、パチョリ、プレシャスウッド、アーシーノート

普通、霧を表現するのにパチョリは使用しないと思います。何故ならば、イメージが黒に近いから。でも、彼のイメージした霧は明るさを遮ってしまった暗闇の霧なわけですよ。だから、パチョリとなったわけです。少し湿った大地を表現するためにアクアノートが使用されていますが、それも微かなアクセントに過ぎず、ゆっくりとアーシーなウッディノートへと変化していきます。トータルとしてウッディノートが主軸ですが、とても軽やかでEdT感覚で使えますよ。(07/06/2018)

 

<Filippo Sorcinelli Topへ戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜