ボディケアラインを香りにしたいという思いから、もっと若い世代をターゲットにした95ユーロという低価格商品でリリースされた2つの香り。ボトルは手作業で染められています。

■Luce dei Cuori (2022年)

心の光というタイトルで、自分自身が感じる幸せに色を付けるということは、内なる欲求に耳を傾け、応えようとすること。物質的な幸福感から離れ、心の中にあるものを知ることからはじめよう、というもの。

トップ:ローズマリー、オレンジ、ローズ、エレミ、フランキンセンス
ミドル:アイリス、シダーウッド
ベース:サンダルウッド、バニラ、トンカビーン、パチョリ、アンバー、ムスク

2つの香りには共通したエッセンスがあります。ローズマリー、エレミ、フランキンセンス、そしてベースノート。でも、ローズマリーは強く香ることなくフランキンセンスを主体とした明るいオリエンタルとなって広がっていきます。トップではオレンジとローズがアクセントに、ミドル以降はフランキンセンスに甘さが柔らかく重なって香り続けるのです。香りを言葉で表現していくのは難しいことですが、難しく考えずに心が求める光を、香りとして楽しんでください、というものです。重すぎないオリエンタルさで、スモーキーなタイプでも力強いタイプでもなく、レザーやアニマルノートがあるわけでもないので、誰もが使いやすいフランキンセンスの香りです。(05/07/2022)

■Dolcissimo Sollievo (2022年)

最高に甘い心地というタイトルで、自分の内面を読み解いていく、より深く知ることで、完璧な慰め(救い)となる。こうした慰めという言葉を使うあたりが神学を学んだ彼らしいポイントです。

トップ:ローズマリー、ガーデニア、エレミ、フランキンセンス
ミドル:スズラン、マリンノート、アイリス
ベース:バニラ、トンカビーン、パチョリ、アンバー、ムスク

トップの印象ではLuce dei Cuoriの方が甘く、こちらの方がマリンノートがトップで香り、フレッシュに始まります。シトラスピール感もトップでは強く弾け、明るく始まるのです。そこからはペアフレグランスに近い感じで微かにマリンノートを感じるオリエンタルなベースへと引き継がれていきます。フランキンセンスはLuce dei Cuoriの方が強めで、こちらの方が控え目。ラストノートの甘さはどちらも似たようなテイストですが、フローラル感がある分フェミニンな側面もあります。心を落ち着けるお守りのように使ってもいいかもしれませんよね。(05/07/2022)