レザーアイテムが大好きなフランチェスカのセカンドライン。もちろんテーマは全てレザーにつながっており、レザーアクセサリーも発売されています。彼女は幼少期をレザーの街フィレンツェで過ごしていたのだそう。至る所にレザーアイテムがあり、街の中ではレザー製品が売られ、とても身近なものだったことでしょう。ただ、他のレザーと違うのは、彼女がアニマルノートが大好きだという点です。2021年に最初の香りが公開となり、スタートしました。30、50mlのExtrait de Parfumが118、168ユーロで発売に。(07/05/2024)

■Exquisite Affair (2023年)

絶妙な事件。それは無邪気さと誘惑するセクシーさという対照的な側面を、絶妙なバランスで仕立てたもの。

トップ:ベルガモット、マンダリン、ピンクペッパー
ミドル:ピーチ、オスマンサス、シナモン、カシス
ベース:アニマリックレザー、パチョリ、サンダルウッド、コットンキャンディー、バニラ

オスマンサスにはアプリコットのフルーティーな側面とレザーというダークな側面がありますが、アプリコットをピーチに置き換え、グルマンな甘さを足した香り。彼女はピーチとレザーという組み合わせのセクシーさを楽しんだようです。香りはアニマリックではなく弾けるピーチで始まるオスマンサス風のレザーでスタート。トップはややクセのあるスパイスやカシスという不協和音のような香りがオスマンサスを取り巻いていますが、雲が晴れるようにそこを抜けると、オスマンサスレザーに切り替わります。ただ、生花のオスマンサスではなくウッディノートとイオノンベータ(オイリーなウッディノート)が主体となったレザーウッディで、オスマンサスを楽しむ香りではなく、飽くまでも主体はレザーとなっています。どことなくアメリカのヤンキーキャンドルにありそうな香り。(08/05/2024)

アツミゲシは廃棄前に撮影したものです。

■Obsessive Devotion (2023年)

強迫観念的な献身というタイトルなのですが、チャンパカアブソリュートの素晴らしい香りに対する賛辞を、レザーに合わせて表現したもの。

トップ:ベルガモット、グレープフルーツ
ミドル:ピーチ、ピンクペッパー、イランイラン、チャンパカ
ベース:アイリス、スモーキーレザー、オークモス、パチョリ、サンダルウッド

え? チャンパカアブソリュート? と思ってしまうほど、チャンパカアブソリュート感のないトップで始まります。やはりこの香りもトップノートはとてもカオスで、スモーキーなレザーに甘くパウダリーなラムネが重なっているような、グルマン調のスモーキーレザーという見事なまでの不調和。でも、この不調和は慣れてくるとクセになるタイプの香りで、世の中に同じものは2つとない、個性的なスタイルです。特にラストノートはパウダリーで甘いレザーと言う点ではGuerlainのHabit Rougeを思わせます。香りはその後、パチョリの効いたモッシーシプレへと切り替わっていきます。モスがかなり強めに肌に残りますが、オークモスではなくVeramossという合成香料が使用されています。チャンパカアブソリュートらしさはあまり感じられないし、トップノートはとてもカオスですが、時間ごとに表情を変えていきます。(07/05/2024)


■Divine Perversion (2021年)

香水とアクセサリー。それらを1つにまとめたレザーの香り。タイトルは神の倒錯という意味で、可愛らしいラズベリーとグルマンなカラメル、そしてアニマリックなレザーという相反する2つの倒錯。

トップ:ラズベリー、ピンクペッパー
ミドル:ローズ、アイリス、カラメル
ベース:レザー、アンバー、ウッディノート、アニマルノート

ラズベリーピンクとブラックというのは、華やかでシックな面もありますが、とてもフェミニンなパンクロックテイストをも感じさせるもの。スポットライトが当たってキラキラと輝くラズベリーのシャワーを抜けると、たっぷりのリップスティック調のヴァイオレットがパウダリーノートと共にレザーに重なっていきます。ラズベリーはヴァイオレットを軸に組み立てますので、そのヴァイオレットの部分がミドルへと移ろい、ラストへ引き継がれていくキーノートとなっています。だから、トップはフルーティーで可愛らしいけど、香りの軸はヴァイオレットレザーなのです。これはまさに彼女らしいスタイルでしょう。彼女ピンクではなく、真っ赤なリップスティックとレザーをイメージしたようです。(07/05/2024)