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Gio / ジオ


<香 調> フルーティーフローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 15ml
<濃 度> P

トップ
マンダリン、ピーチ、ローズウッド
ミドル
ガーデニア、チュベローズ
ラスト
バニラ、サンダルウッド、アンバー



1992年発売。Giorgio Armaniにとって2つ目の香りで彼の友人が付けた彼のニックネームをタイトルとしたもの。もちろん、Giorgioですよ。香りを手がけたのはFrancoise Caronで、当時はDolce & Gabbanaの最初の香りとかChloeの Narcisse等が発売されていた頃です。この後に続くフルーティーフローラルブームの予兆であり、バブル期に流行したフルーティーフロリエンタルの名残を感じさせてくれる香りとなっています。

 



付けた瞬間に広がるのはピーチ。まずはピーチのこってりとした甘さがローズっぽい香気の中に広がっています。これは甘い、甘いとは言ってもバニラではなくてフルーツの中の甘さになっているのでハニーノートなのでしょうか。その甘さに微かなパチョリのテイストが感じられる辺りがこの時代の「大人っぽさ」です。この部分をなくしてしまった製品たちが2000年以降のフルーティーフローラルブームとなってティーンに絶大な人気を誇っていくわけですが、まだまだ大人の香りだった頃のフルーティーさが感じられますね。ミドルのガーデニアやチュベローズは全てピーチに包み込まれており、それらしさをあまり感じないまま残り香となって薄れていきます。ピーチ香が薄れていくとガーデニアとチュベローズだったのか・・・という少しクリーミーなフローラル感の名残を感じられるようになり、時間と共にどんどんガーデニアっぽさが前に出てきます。ガーデニアとチュベローズというよりもジャスミンとココナッツ(+ローズ)という雰囲気を経てチュベローズに落ち着く感じです。

ポスターにもあるように、どちらかというと軽やかに使うフレッシュフレグランスではなくて、しっとりとセクシーに使いたい、という香りです。残念ながら今の時代には合わないのか、廃番となってしまっているようです。

(22/02/2011)

 

いつの間にか、経年劣化でタイトルが消えてしまいました。この時代の印刷技術では良くあることです。まぁ、余計な印刷などない方がボトルは美しいわけですから、気にしないのが一番。

上記で発売された頃の香りとしてDolce & Gabbanaの最初の香りとかChloeの Narcisseを挙げていますが、1990年に発売されて大ヒットしたLancomeTresorの影響が一番大きいはずです。その大ヒットに続いて、ハニー調のローズ系フルーティーフローラルが流行系となったのです。1つヒットが生まれると右に倣え、というのはいつの時代も同じです。Gioはローズではなく、そのフローラルノートをチュベローズやガーデニアに切り替えたことで、トロピカル風な香りとなったのですが、それはトップのピーチやアプリコットのラクトニックな甘さがガーデニアやチュベローズのココナッツトーンに重なっていくから。もちろんベースにあるのは同じくココナッツトーンのサンダルウッド。ココナッツだけではなくバニラの甘さも加わり、ココナッツ、バニラ、ハニーのトリプルにアンバーを加えて基礎を固めたというもの。最後はサンダルウッドを感じるスイートムスクの方が強く肌に残ります。

この香りの中のピーチがやがてパイナップルやマンゴー、ライチ、グアヴァなどに置き換わり、フローラルノートはさっぱりとしたものに置き換えられ、2000年代のフルーティーフローラル全盛へと引き継がれていくのでした。時代の流れの中で、流行の一端を感じる香りです。

(12/01/2024)

 

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