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Tune / チューン


<香 調> フレッシュフローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 15ml
<濃 度> P、EDT

トップ
ローズ、ジャスミン
ミドル
サンダルウッド、コリアンダー、パチョリ、アルテミジア
ラスト
ウッディノート、ムスク



2002年発売。美の調和をテーマとした香りで、2002年箱根仙石原にオープンしたポーラ美術館の開館記念フレグランスとして発売されたもの。パルファムは限定12,000個だったのですが、12,000個って随分な数ですよね・・・。香りは2001年のフレグランスコンペティションで優秀賞となった永野由希子さんの香りをそのまま商品化したようです。

上記ではなくて、フレグランスコンペティションではいろいろと合成香料名が明らかにされています。ベースノートはCashmerane(ムスク)とアンバーウッディ系の軽いIso E Superで、パウダリーなオレンジブロッサム風のMethyl Naphtyl Ketoneにチュベローズやイランイランのフルーティーな酸味を強くしたようなCyclopidene等をトップに使用しています。

 

 

香り自体がとても軽くて、ローズの中のPhenylethyl alcoholがGeraniolやCyclopideneと共に香ります。そこからシトラスノートではないフローラルが出てきて薄っすらアロマティックな香りと重なっていくのですが、全体的にとても静かな香りです。残念ながら彼女がテーマとした「力強さと繊細さを併せ持つ少女の精神」は感じられないのですが、ボトルデザインとなっている「雫が水面に落ちた時の波紋」というのはぴったりですよ。全体を通じて強く前に出てくる香りがなく、軸もなく、個性もありません。でも「調和」という意味のチューンとしては「清々しくて静かなチューン」でぴったりなのです。水彩画のようにとても日本人的な香りです。

(14/01/2011)

 

 

Sampleレヴューからフルボトルのレヴューに変更です。上記はEdTのレヴューだったのですが、パルファムのレヴューを追記。

香りは基本的にEdTと印象が変わらずトップの梅っぽいローズ香が強く香ります。そこから次第に花開くようにフレッシュなフローラルへと展開していくのですが、香りそのものが軽いため、パルファムと言えどもある程度の量をきちんつ付けないと香ってくれないようです。後日、非売品ですが9mlのEdTの画像も追加しておきたいと思います。

(01/02/2011)

 

 

土星の環のような台座は水滴による波紋のデザインなのでしょう。器に乗せて撮影をしてみました。上記は夏に、下記は秋に。

 

 

調香としては、ローズ、ジャスミン、コリアンダー、アルテミジア、サンダルウッド、パチョリ、ムスク。後はカテゴライズが難しい合成香料がたくさん、といったところ。久しぶりに肌に乗せた香りは、天然香料よりも合成香料がメインに飛び出し、フレッシュアロマティックに少しスパイシーさを足したトップを過ぎてフローラルとなります。そのフローラルノートもアコードというほどしっかりとした1つ1つのフローラルの形ではなく、どちらかというとシンプルな合成香料たちをフローラル名に置き換えたという印象で、調香自体はさほど複雑ではないのではないかと思います。アロマティックなフレッシュノートをガツンと使用して軽さを出した点、ベースのアンバーウッディノートとムスクで支えている点はあの頃感のあるクラシカルさと、現代でも同じモダンさとが混在しています。特にローズやジャスミンのフローラルノートが香りだした後から、微かに漂うパチョリがウッディムスクに溶けていくあたり、とても繊細です。

透明感のある香りというのは合成香料なくしては成り立たないし、その透明感を幾重にも重ねて表現していく繊細さは、日本人調香師の得意なところだと思います。今の時代には少し合わない香りとなってしまったけれど、今の時代に同じテーマでコンペがなされた場合、どのような香りが集まるのだろうと想像すると、それはそれでとても楽しくて、図書館で昔の資料を紐解いた時のわくわく感を感じた香りでした。

(11/12/2024)

 

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