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Sampleレヴュー

■Liqueur BPM (2023年)

Pierre-Constantin Guerosの調香で、Paris. 1870 - 2023. 4:10 AMというテーマに。Zag Erlatというロンドンのプロデューサーによるオリエンタルなサウンドに乗せた香り。BPMとはテンポのことで、少しスローなテンポの音楽は、映画などに登場する中世の酒場を思い起こさせます。

 

 

アロマティックノート、ペア、ブロンドタバコ、カシュメラン、レザー、バニラ、パチョリ、アンバー

香りは微かにペアをアクセントとしたタバコレザーウッディで、かなりオリエンタルなトーンで始まります。あぁ、これね・・・というセクシー感。タバコもレザーもウッディムスクのカシュメランも1つに溶けあっているのですが、トップにアロマティックな香りがあることが、大麻などの植物らしさを思わせ、少し危険なニュアンスを表現しているのかな、と感じさせます。ただ、酒場というからにはもっとタバコのスモーキーなニュアンスがあっても良さそうなものなのですが、リアルさは追求せずにそうした雰囲気を行儀良くまとめた印象です。後半はレザーが薄れ、タバコの残り香とオリエンタルウッディとなるのですが、この香りの中のタバコノートは比較的ドライで、タール感が少ないタイプが使用されており、ペアの中のココナッツ調の部分がラストノートを柔らかくしているため、ユニセックスで楽しめる香りとなっています。Rose TromboneやBouquet Encoreを重ねてリミックスにしても楽しめそうです。(17/05/2023)

 

 

■Ambre Cello (2021年)

Pierre-Constantin Guerosの調香で、チェロの音色に乗せて香るオリエンタルノート。

ベルガモット、ミルラ、トンカビーン、ベンゾイン、バニラ

Cecile Zarokianが得意としている教科書のようなアンバーノートを想像していたのですが、全くそうは感じなかったのはパウダリーノートがとても控え目だったから。トップのシトラスノートはとてもリッチなのにありがちなシトラスアンバーではなく、どこかピリッとスパイスが効いているようなドライさがあり、そこから次第に樹脂特有のクセの効いたアンバーへと変化し、最後はアンバーグリスが肌に残ります。ミルラも抜群に良いアクセントで、エジプトへ向かう船を思わせるようなチェロが奏でるオリエンタルな音楽にとてもマッチしています。(02/08/2022)


■Piano Santal (2019年)

Jean Jacquesの調香で、ピアノの音色で目覚めるベッドタイム。試作品を香った時、この香りでは間違いなく二度寝すると笑った思い出。

サンダルウッド、シダーウッド、ホワイトムスク、スキンアコード、ベルガモット、アンブロキサン、ミルク、キャラウェイ

記憶の中にあった香りはとてもラクトニックなサンダルウッドで、パウダリーにも感じたのですが、肌の上ではそれほどパウダリーノートは強くはなく、ミルキーで甘いサンダルウッドが静かに広がっていきます。ミルクをミルクらしく楽しめるフレグランスはそれほど多くはないのですが、Firmenichがとてもミルキーなサンダルウッドの香料を発売しているので、どうしてもそれに思えてしまいます。もともと質の良いサンダルウッドはココナッツ調の甘さがあるため、ココナッツと一緒に使われることが多いのですが、これはそこをあえてミルクに置き換えた香り。でも、やっぱり二度寝すると思います。(01/08/2022)



 

■The Darbouka (2017年)

ダルブッカというアラブ諸国の民族打楽器をテーマとした香りで、Nicolas Leroyというダルブッカ奏者による音楽と共に。音源はこちらから。イメージはサハラ砂漠の遊牧民たちが飲む甘いスパイスティー。音源はこちらから。

 

 

トップ:ベルガモット、キャラウェイ、ピンクペッパー
ミドル:イモーテル、キャンディーフルーツ、ジュニパーベリー
ベース:ウード、ココア、スティラックス

様々な要素が混ざった香り。全体を通して感じるのは、調香にはないブラックティーの香りで、キャンディーフルーツというほどフルーツ香は強くなく、ウードもイモーテルもとても控えめ。逆にジュニパーのアロマティックな部分やスパイス、微かなココアの香ばしさがアクセントとなり、アロマティックなオリエンタルとなって香るのです。ドライではないけれどグルマンでもない。でも、暑い中東では暑いというだけで体力を消耗してしまうのか、かなり甘いデーツやお菓子が人気です。そこに合わせる紅茶はこういうものなのかも、と思わせてくれた香り。イモーテルの甘く苦みのある香りは、時間を経て最後の最後、肌に残るようになります。経過も楽しめる香りですよ。(31/01/2018)


■Cuir Kora (2017年)

セネガルやガンビアなど西アフリカを中心とした国々で奏でられているコラという弦楽器をテーマとした香り。Cheikh Dialloという奏者によるサバンナの平和の祈りの音楽と共に。音源はこちらから。

 

 

トップ:マンゴー、ピーチ、カルダモン
ミドル:エレミ、レザー
ベース:ラブダナム、ローズウッド、ベンゾイン

レザーにマンゴーを合わせてしまうユニークさ。でもそれはトロピカルな香りではなく、しっかりとしたレザーなのです。レザーのアクセントとしてトロピカルフルーツを使用し、クリーミーなニュアンスを加えたことで結果として柔らかく滑らかなレザーとなっているのです。ラブダナムやベンゾインのどっしりとした部分は強くはなく、飽くまでもテーマに沿ったレザーのオリエンタルバージョンという形で、時間と共に少し甘さが増し、イソブチルキノリンのようなレザーノートが微かに感じられるようになります。でも、最後まで柔らかく品の良いレザーですよ。(31/01/2018)

 

 

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