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Amyitis / アミティス


<香 調> アロマティックウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> EDP

トップ
キャラウェイ、セイボリー、チリペッパー、グリーンリーブス
ミドル
アイリス、ヴァイオレット、ガイヤックウッド、ヴァージニアシダーウッド
ラスト
サフラン、オポポナックス、モス、アンバー



2008年発売。バビロンの空中庭園をテーマとした香りで、タイトルはその空中庭園を造られた女王の名前です。

 



パッと香った瞬間のイメージはパウダリーグリーンでした。そこからシダーウッドやガイヤックウッドが立ち上がってどんどんウッディになっていくのですが、湿布のような香りの部分とチリのピリピリとした香りがアクセントになっていて、とても面白い香りになっています。空中庭園は緑に溢れていたでしょうし、石造りの粉塵の粉っぽさも感じていたかもしれません。基本的に華やかなフローラルが排除され、スパイシーグリーンウッディにパウダリーさが加わったというニュアンスで広がっていきます。今までの香りがジャスミンやネロリをメインとしたフローラルだったので、こういう渋めなグリーンウッディがあるとラインナップとしては新鮮で楽しいですよね。香りのイメージではミラーハリスのラインにあってもおかしくないなぁ・・・という感じもしますが、全体的にキャラウェイの甘さが特徴で、リコリスとかスターアニスの甘さがお好きな方には良いのではないかと思います。

 



全体的にはとてもアロマティックな感じがしていて精油ならではの特徴が良く出ている香りです。モスもオークモスとツリーモスのエクストラクトを使用しているらしいのですが、最終的に苔むしたウッディシプレ系に落ち着くのはそのためなのですね。アロマティックさが薄れるとライトなシプレ系のウッディとなって落ち着きます。オポポナックスの甘さはないのですがパウダリーさはそこそこけん引され肌の上でさらりと香っています。ラストノートの香りはProfumi di PantelleriaのIl Profumo di Pantelleriaにも似ていてアロマティックシプレとなって落ち着きます。

(15/11/2008)

 

 

2024年11月、残念なニュースが駆け巡りました。それはMona di Orioの廃業です。Mona亡き後に引き継いだFredrik Dalmanによる調香でリリースされたAliena Collectionも含めて全てが廃番に。 JeroenはFredrikと共にPantomime Parfumをスタートさせていますし、Zenologyもありますから整理するタイミングだということなのでしょう。Fredrikも自身のTuffTuff Studioを立ち上げましたので、これからは他社の調香も積極的に行っていくことと思います。

 

 

Monaの香りは天然香料率が高めだったため、当初より価格が高めでした。今でこそハイエンドなラインが多くありますが、当時は結構高価格だったのです。その中でも最後まで復刻されることなく終わったのがこの香りでした。それはそれだけ市場に受け入れられなかった香りということです。いつの時代もシプレは大ヒットというタイプではありませんからね。コアなターゲットのみがひっそりとと愛するタイプの香りでしたから。

 

 

久しいぶりに肌に乗せた香りも、当時と大きく印象は変わらず薬草っぽいアロマティックノートで始まります。薬草だけど漢方ではないのは、ドライではなくフレッシュで摘みたての明るさがあるから。キャラウェイを強めに配すると、どうしても歯磨き粉っぽいチーンが感じられるのですが、彼女はそこを渋めなサフラン調のウッディノートで支えました。改めて香るとサフランが結構強めです。でも、サフランのみでレザーノートやスエードがないのです。あるのはアイリスとウッディノートたち。何度肌に乗せても大ヒットしそうな香りには感じられませんが、薬草系のサフランウッディはいつも優し気に香り、古書のように表紙は色褪せても変わらない良さを保持しています。

 

 

いつかまた、別の形で復刻される可能性がないわけではありません。一度、きちんとお別れをしておきましょう、ということで。

(16/12/2024)

 

 

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