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Sampleレヴュー (X Collection)

10th Anniversary Fragrances, X Collection

 

 

Nishaneの10周年記念に向けて、彼らはベストセラーの香り5種類をローマ数字の10であるXになぞらえて新たなバージョンを作り出しました。いわゆるフランカーではありますが、ユニークなのはオリジナルを手がけた調香師ではなく、あえて別の方に依頼したというもの。Cecile ZarokianのAniのみ同じですが。

 


 

■Ani X (2023年)

Cecile Zarokianによる調香で、2019年に発売されたNo Boundariesの最初の香りのXバージョン。

トップ:ベルガモット、レモン、アクアノート、ハニーデューメロン、カルダモン、ブルージンジャー、ピンクペッパー
ミドル:ラベンダー、セージ、グリーンアップル、ブラックカラント、ローズ、パチョリ
ベース:シダーウッド、カシミアウッド、サンダルウッド、バニラ、アンバーグリスインフュージョン、ホワイトムスク

オリジナルは良くも悪くも彼女らしいオリエンタルベースにシトラスとスパイスを合わせたものだったのですが、X Collectionではアロマティックなハーブ類が加わり全体的にトップからミドルのトーンが明るくなりました。よりフレッシュに生まれ変わったオリエンタルで、時間が経過した後はオリジナルにとても良く似たベースへと引き継がれていきます。オリジナルを初夏風にしたフランカーらしいフランカーと言えそうです。(12/04/2023)


■Hacivat X (2023年)

Julien Rasquinetによる調香で、2017年に発売されたShadow Play Trilogyの中で人気の香りのXバージョン。

トップ:ベルガモット、パイナップル、ピンクペッパー
ミドル:ライム、オレンジブロッサム、ジャスミン
ベース:パチョリ、シダーウッド、ベチバー

第一印象はオリジナルにとても近い印象でした。よくよく香るとベースのオークモスがウッディノートに置き換わっていたり、フローラルノートが強化されていたりするのですが、クラシカルなトーンが保持されているため、もともとモダンなフルーティーウッディシプレが、よりモダンで少し明るいフルーティーウッディに生まれ変わった感じです。オリジナルの妹版といったところ。(12/04/2023)


■Hundred Silent Ways X (2023年)

Anne Flipoによる調香で、2016年にリリースされたRumi Collectionの香りのXバージョン。

トップ:マンダリン、ピーチ、チュベローズ
ミドル:ガーデニア、ジャスミン、アイリス、ヘリオトロープ
ベース:バニラ、レザー、パチョリ

オリジナルはバニラの効いたフルーティーバニラが軸となっていたのですが、こちらはヘリオトロープを足して、更にベースにレザーを配置したという姉を超えた母親のようなバージョン。シックさが増し、落ち着いたトーンがフルーティーなバニラフレグランスの持つ少し可愛らしい側面をグッと渋くしています。どちらもいいけど、昼はオリジナルを、夜にはXをという感じでしょうか。5つの中では一番オリジナルと違うラストノートになります。(12/04/2023)


■Wulong Cha X (2023年)

Julien Rasquinetによる調香で、2015年に発売されたCollection Miniature Artの香りのXバージョン。

トップ:ベルガモット、マンダリン、ゆず、リツィアクベバ
ミドル:マグノリア、ホワイトタイム、グリーンティー
ベース:ムスク、フィグ

シトラスノートがよりリッチになり、マグノリアのフローラル感が加わったウーロン茶。オリジナルよりも濃厚にスタートし、オリジナルにあったウーロン茶はグリーンティーへと置き換えられました。ウーロン茶はもともと渋めなトーンですから、明るいトップが必要なのですが、グリーンティーに置き換わったので、シトラスノートとの相性がとても良く、明るくクリアに広がっていきます。これは似ているけれど、じっくり向き合うと違いがわかり、慣れると簡単に見分けがつくようになる双子の兄弟のような香り。(11/04/2023)


■Fan your Flames X (2023年)

Miroslav Petkovによる調香で、2016年に発売されたRumi Collectionの香りのXバージョン。

トップ:ココナッツ、ラム、マスティック
ミドル:タバコ、トンカビーン、タイム、キャロット
ベース:シダーウッド、オークモス、パチョリ

オリジナルのココナッツとクマリンの効いたタバコがとても好きなのですが、こちらは少しレザーやパチョリを感じるようなダークテイストとなりました。よりセクシーになった感じです。オリジナルの方がやんちゃな印象で、Xバージョンの方が口数の少ない静かなセクシーさ。となると、オリジナルが弟でこちらが兄でしょうか。でも、子どもっぽくはないので、年を経たロマンスグレーなイケてる兄弟といったところ。ラストノートはオリジナルととても良く似ています。(11/04/2023)

 

 

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