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Sampleレヴュー

■Nerone (2024年)

ラファエロに関するネロと言えば、皇帝ネロ。コロッセオに隣接する丘の上に建設されたDumus Aurea (黄金宮殿)は、グロテスク様式として知られています。暴君として知られるネロによる治世はとても平和で市民の理解を得ていたというのが近年の説で、暴君説は後の皇帝によって書き換えられた歴史のよう。詳しくははこちらにて。

ルネサンス時代に発掘されたDumus Aureaは当時活躍していたラファエロにも大きな影響を与えています。そのネロとの関係性を「過剰と狂気」としてフルーツを過剰投入した香りになったそう。タイトルは増大の接尾語を付けたネロですので、とってもネロ、くらいでしょうか。

 

 

トップ:ココナッツ、サフラン、ラズベリー
ミドル:サトウキビ、トンカビーン、パッションフルーツ
ベース:バニラ、ウード、レザー

サンプルからこぼれて香るのが強めのアンバーグリスだったため、またこれもそうなのか・・・と思ったのですが、肌に乗せるととても滑らかな、でも少しアニマリックなレザーとなりました。過剰投入されているはずのフルーツが見当たらないのですが、ココナッツがトゲトゲしいアンバーグリスノートを和らげ、全体のトーンとしてはレザーウードな感じとなっています。どちらかというと男性的ですが、レザーウードにココナッツが重なるのはとても意外で、ココナッツらしさが強く感じられない点も意外。Neroはブラックの意味もあるわけですが、パチョリに頼らないブラックな香りにも感じられます。(15/04/2024)


■A (2023年)

フランカーという言葉ではなく、Another Annoneという意味でホワイトボトルで発売となりました。タイトルにはAlbinoの象という意味も込められています。

 

 

トップ:ピンクペッパー、ココナッツ、マンゴー
ミドル:アイリス、オーキッド、サンバックジャスミン
ベース:バニラ、トンカビーン、パチョリ、アンバー、ムスク

フルーティーなトップと、ココナッツを微かに感じる柔らかなホワイトフローラルは、オリジナルのAnnoneより穏やかで、とても優しい肌触りの香りとなりました。オリジナルよりフローラル感は強いものの、主張するようなホワイトフローラルブーケではなく、スイートムスクに包まれた全体としてホワイトをイメージしたようなヴェールのような香りとなりました。トップのフルーティーなアクセントはすぐに消え、アンバーウッディ色が強かったオリジナルのラストノートとは違い、スイートムスクに包まれたアンバーウッディとなって落ち着きます。よりホワイト感は増していますが、少しザラついた手触りに感じられる部分が象の肌を思わせます。オフィシャルでは深く考えずに楽しんで下さいとあるのですが、とても静かに漂うアンバームスクで、アイリスはそれほど強くはありません。おそらくヴァイオレットに近い香料が使用されているのでしょう。オリジナルはインドからローマに連れてこられたばかりのAnnoneの香りだとしたら、こちらはラファエロが描いた絵画の中に残るAnnoneの姿のよう。(14/06/2023)

 

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