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Vanille de Tahiti / ヴァニーユ・ドゥ・タヒチ


<香 調> フロリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 50ml
<濃 度> EdP

トップ
イランイランアブソリュート、チャンパカアブソリュート
ミドル
タヒチアンバニラCO2
ラスト
アンバー、サンダルウッド、ムスク



2020年発売。バニラの主要な産地はブルボン諸島とメキシコですが、それ以外にタヒチがあります。インドネシアなどの熱帯地域でも栽培が盛んなバニラですが、タヒチ産のバニラはアニス調の甘さがあることで知られています。そのタヒチアンバニラのCO2エクストラクトを使用した香り。

 

 

タヒチのバニラなんだからトロピカルにしようよ、とでもあったのか、イランイランとチャンパカを使用したトロピカルなフロリエンタルバニラになりました。イランイランとバニラの組み合わせはすでにGuerlainのAqua Allegoria (Ylang & Vanille)でお馴染みですが、Guerlainよりもイランイランの精油感が強く、バニラというよりもイランイランを楽しむ香りなのではないかと思ってしまうほど、イランイランが甘くしっとりと広がります。ベースのサンダルウッドは強くはなく、微かなアンバームスクが広がっているだけという、とてもシンプルなバニライランイランです。Ylang Ylang Nosy Beよりもずっとイランイランを楽しめます。

(15/11/2022)

 

マダガスカルのイランイラン農家ととレユニオン島のバニラ農家を訪れた者としては、このイランイランとバニラの組み合わせはとても心に響くものでした。

バニラの産地は世界中にありますが、香料として有名なのはマダガスカル、レユニオン島の他にタヒチ、メキシコがあります。その他はインドネシア(バリ島他)と中国くらいでしょうか。香料以外ではスリランカやニューカレドニアなどのフレンチポリネシア諸国、アフリカなども栽培されています。熱帯地域であれば栽培が可能な植物で、国内でも九州、沖縄で栽培されています。わざわざこの商品にタヒチと名付けられたのは、もちろんタヒチ産のバニラエクストラクトが使用されているからであり、それはアブソリュートではなくCO2(超臨界二酸化炭素抽出法)によるもの。

タヒチ産のバニラが他諸国のものと芳香が違うのは、タヒチ産のものが一番アニス調の芳香成分を多く含有しているから。だから、他の商品よりもアニス調の香りが強めです。ボトルからはバニラエクストラクト特有のリキュール香が広がり、品質の良さを裏付けてくれましたが、香りは上記のレヴューの通りにそこからチャンパカやイランイランのフローラルノートが重なり、媚薬的なトロピカル香を目指したようなしっとりとしたフロリエンタルへと変化していきます。バニラエクストラクトは甘いだけではなく、リキュールや樹脂香のニュアンスも持ったオリエンタルな香りで、強く打ち出せば打ち出すほど渋くなります。そこをアンバーノートとウッディノートで補填し、フローラルノートで全体を使いやすくまとめたというのが全体像です。イランイランも精油ではなく少しフルーティーなアブソリュートが使用されているのがリッチなところ。美味しいだけのグルマンではない、イランイランバニラを楽しめます。

(05/12/2024)

 

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