*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Tanglewood Bouquet / タングルウッド・ブーケ


<香 調> グリーンフローラルウッディ
<仕 様> レディース
<容 量> 100ml
<濃 度> EDP

トップ
ジャスミン、イランイラン、クリサンセマム
ミドル
ピーチ、ヘリオトロープ
ラスト
ベンゾイン、スティラックス、シナモン、ナツメグ、ムスク、バニラ



1932年発売。一度廃番になってからの復刻版なのですが、オリジナルはカリスマ女優のGreta Garboにインスパイアされて作られたそうです。Tanglewoodとは、ボストン郊外の小さな村の名前なのです。何故この名前がついているのかよくわからないのですが。

香りは、他の香りに類するグリーン香が弱く、ベースは似た感じがあるのですが、落ち着いたフローラルになっています。華やかにパッと広がるというよりも、静かにずっとそこにいるというスタイルで、優しいフローラルが続きます。かといって主張が少ないわけではないのですが。クラシックすぎるわけではないのですが、どことなく母の鏡台を思わせる懐かしいトーン。付けた瞬間はパッとグリーンが香りますが、ゆっくり香っていると、フローラルが抜け、ゲランにありそうな少しオリエンタルな香りとなっていきます。ベースのスパイスはそれほど強くなく、バニラの甘さも強くはありません。全体的にとても上品です。

(27/11/2006)

 

画像を差し替えたタイミングで再レヴューを。改めて香りと向き合うと、シプレではなくハニーノートの利いたグリーンフローラルでした。グリーンフローラルだけどグリーンノートが強すぎるわけではなく、シプレに落ち着くわけでもなく、セミオリエンタルに近いハニー調の香りとなって終わるのです。

おそらく1932年当初はフローラルノートがアブソリュートだったでしょうから、かなりワイルドだったに違いありません。そして当時新しかったヘリオトロープの香料を使用し、Mitoukoにも使用されたAldehyde C-14をピーチとして使用し、フローラルノートを柔らかくしていったのでしょう。この香りにアロマティックなハーブ系が少し重なっていくと資生堂のリニューアル前の初代INOUIを思わせる香りに通じていくと思うのですが、あの時代はこうした香りが多かったため、残ることなく消えていったのだと思います。音楽とは違い、昔の香りが復刻されてリバイバルヒットすることがない香水の世界。せめてこの当時のこうした香りは引き継がれて欲しいものです。

(18/06/2024)

 

<The Crown Perfumery Co Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜