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Dodo / ドードー


<香 調> フルーティーフゼアオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 10ml
<濃 度> EdP (23%)

トップ
ベルガモット、ペティグレン、ピンクペッパー、ローズマリー
ミドル
カルダモン、パイナップル、クラリセージ、ブラックカラントアブソリュート
ラスト
バジル、ラベンダー、ゼラニウム、クミン、パチョリ、オークモスアブソリュート、オークウッド、ラバンジン、トンカビーン、ムスク



2019年3月発売。インド洋の島の動物ということで、カメレオンと一緒に発売されたドードー。最初にドードーと聞いた時、それならば、ユニコーンやドラゴンもありなんか、と発想の自由さにわくわくしたのを覚えています。

 

 

調香は初めてのJoseph DeLappで、島の生き物ということでカメレオンと同時発売となりました。Joseph DeLappはThe Rising Phoenixというインディパフューマリーのオーナーで、2011年に立ち上げ、2014年から商品展開をしていますが、同時に鍼治療師として働く現役の医師。彼が作ったフゼアの香りをLuca Turinがべた褒めしたことがきっかけで、彼にフゼアを依頼したようです。

トップ:ファーン、ライム、ライチ、ラズベリー
ミドル:アンバーグリス、ファーバルサム、ゼラニウム、ローズ
ベース:アンバー、フェザームスク、オークモス、パチョリ、サンダルウッド

 

 

シダの森の中を駆け回る、飛べない鳥ドードー。そのイメージをラベンダーを排除したフゼアでまとめたのがこの香りなのですが、マリンがないのにマリンに感じられます。それはオークモスが海藻のように感じられるから。とても「異質」というか「違和感」にも感じられる混沌とした香りで、アニマリックな雰囲気も感じられるものに。これは随分と好き嫌いが分かれそうというか、決して使いやすい香りでも可愛らしい香りでもありません。ある意味チャレンジな香りですが、10%のEdPだというのが納得です。これはこれ以上高濃度だと使えないものになってしまいそうです。それほど、グイグイと主張してきますから。海藻で作られた浜辺の鳥の巣というイメージには近いのかもしれませんが、好き嫌いとなるとそれはまた別ですからね。イラストのように、野性味あふれる男性的な香りなのですが、ひょっとしたら、船乗りの男性だったらリアルにこういう香りがする、というか似合うのかも、なんて。とは言え、今回もイラストが物凄くクールで素敵ですよね。

(20/08/2019)

 

 

2020年、早々にYves Cassarによって再調香となりました。それは顧客たちからあまりに不評だったから。Joseph DeLappにとっては心を痛める結果となってしまいましたが、Victorにとっても最終に納得の出来ない部分があったようで、見切り発車となってしまっていたようです。

香りは、オリジナルを踏襲してフォーミュラを変更したのだと思っていたら、ベクトルは同じながら全く違うアプローチとなりました。それはブラックカラントが火花を散らすほどスパークして始まったからです。ブラックカラントの香りは、突き刺すようなグリーンフルーティーな香料ですが、薄くしていくと猫のマーキング臭を思い起こさせる、ある意味アニマリックな香料です。その部分を最大限に利用しつつ、フルーティーなフゼアオリエンタルへと変化させたのです。しかも23%という高濃度のEdPで、とにかくブラックカラント一色というパワーがフゼアオリエンタルをけん引していきます。オリジナルはどこかとても生臭くて、テーマには沿っているけれどあまり好まれるタイプの香りではありませんでした。こちらはブラックカラントの過剰投入という個性を出しつつ、ベースにクミンを忍ばせたHanae MoriHMを彷彿とさせる香りとなりました。ベースのオリエンタルフゼアが強くはないため、ユニセックスなまとまりとなっていますが、ドラッグクイーンの皆さまに好まれそうなセクシーさです。

(25/03/2022)

 

 

2023年に、更にトロピカルフルーツ(ジャックフルーツ)のバージョンへと進化を遂げ、カナダのオフィシャルストアの限定品となるようです。不人気な香りでも彼にとっては愛情を注いだ香りだということで。

(27/02/2023)

 

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