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様々なガーデニア
日本人にはとても馴染み深い花です。ガーデニアの香りは、梅雨の時期に雨に打たれながらも、暑さでもわーっと香ってくる力強さがあります。鼻腔を刺激するその濃厚な香りは、香水としては濃厚になりがちで、カジュアルというよりは華やかです。

もともとガーデニアは精油に関してはこちらに記してありますが、ほとんど得られずに現在は調合香料が用いられています。日本のいわゆる「くちなし」と海外ブランドのガーデニアの香りが違うと感じるのは、もちろん種類の違いもありますが、日本の湿度が大きく影響している気がします。土地柄による香りの違いです。日本のくちなしは少しクリーミーさが強く出ていて、海外のものほどすっきりと香りません。

日本のくちなしに近い香りを求める人の多いので、ガーデニアを各社比較してみました。

ガーデニアの比較
1、Attar BazaarのFrench Gardenia
バスラインにありがちな香りで、すっきり感とさっぱり感を持っています。BBWの製品に近いイメージがありますね。生花っぽさはそこまで強くはないです。

2、Ava LuxeのGardenia Musk

ムスクが強く、もわんとしたガーデニアで、生花のすっきりクリーミーさは出ていないのですが、ある意味ガーデニア香の典型だと思います。

3、Ava LuxeのGardenia Rain
上のものに比べると甘さとマリンノートが出ていて、すっきりとしています。ただ、生花と似ているわけではありません。

4、Ava LuxeのTiara
タヒチアンティアラフラワーですから、ココナッツが強めに出ています。トロピカル系のガーデニア。

5、Bath & Body WorksのGardenia
生花そっくりではないのがこのブランドの特徴ですから、これもそうで、フルーティーフローラルなガーデニアになっています。美味しそうなガーデニア。

6、Il ProfvmoのGardenia Royal
この香りも生花とは違うのですが、いわゆるガーデニア香の典型。グリーンフルーティーで、青リンゴっぽさを少し感じます。

7、Liz TaylorのGardenia
価格が安いこともあり、多くの人が手にしたことのあるガーデニアだと思います。トップの香りはとてもアメリカ的なガーデニア香で、僕はわりと好きなのですが、香りが持続しません。トップのみがガーデニアです。

8、Palazzo VecchioのGardenia Florida
いわゆる典型的ガーデニアとは少し違ったガーデニアで、時間が経つほどにフローラルが際立ちます。他の物と比較するとダントツに香りの持続が良いです。

9、Royal Hawaiian PerfumesのGardenia
程遠くもなく、決して近くもないガーデニアで、トロピカル系でもありません。

10、Yves RocherのPur Desir de Gardenia
すっきりとしていてクリーミーさは強くはありませんが、生花の良さを強く保持している香りです。安くて良い香りの典型ですね。

11、Annick GoutalのGardenia Passion
すっきりとしていて優しいガーデニアですが、生花に近いかというとそうではありません。クリーミーさのないガーデニアです。

12、ChanelのGardenia
化粧品にありがちなガーデニアで、少しマリンノートが効いています。シングルフローラルというよりもガーデニアメインのブーケ的な感じ。

13、Kai PerfumeのKai Perfume
ネロリっぽさもありますが、クリーミーさを持った生花に近い香りです。イヴロシェがすっきりとしているのに対して、こちらはクリーミーさを持ったガーデニアです。

14、Tom FordのVelvet Gardenia
インセンスが強く、他に類を見ない独特な香りです。ラストノートにアニマルノートが顔を出します。

15、Marc JacobsのMarc Jacobs
生花とは程遠く、強いマリンノートが出ています。

16、Marc JacobsのMarc Jacobs Essence
こちらの方がガーデニアっぽさが強いのですが、生花に近いかというとやはり違い、典型的なガーデニア香になっています。

17、Comptoir Sud PacifiqueのAloha Tiara
ガーデニアというか、タヒチアンティアラですが、フローラルよりもフルーティーさが強く出ていて、すっきりとしたフルーティーフローラルです。

18、Comptoir Sud PacifiqueのVanille Tiare
タヒチアンティアラはどこへ消えたのか、バニラに隠れて見えなくなってしまっています。バニラがメインでねその中にほんのりとフローラルがある感じの香り。

19、MontaleのIntense Tiare
タヒチアンティアラですから、やはりココナッツの香る南国風な香りになっています。

20、Reva De TahitiのEau de Tiare
うーん、ある意味不思議系なガーデニアです。ガーデニアっぽさはほとんどなくて、ティアラフラワーの特徴もなくて渋いです。アーモンドオイルとかガーデニアのクセの強い部分を強調した感じがします。

21、Estee lauderのAzuree
まさにココナッツ系。このラインナップの中でもココナッツがかなり強く出ている香りです。ボディオイルですので軽めな香りに仕上がっています。

22、Stacked StyleのScentarettes - Memoir
ガーデニアにチュベローズを足して、オイル独特の香りを足した感じの香りです。パフュームオイルならでは・・・なのですが、やはり生花っぽくはないです。

23、JalaineのGardenia
すっきりとしたマリンノートの入ったガーデニアで、クセと青みが出ています。

24、Scent by AlexisのWhite Sable
ガーデニアそのものではなく、バニラの強いオリエンタル系の香りになっています。

25、ToccaのFlorence
すっきりとした典型的なガーデニア香で、生花そのものではないのですが、ガーデニアの香りがとてもキレイに香ります。

26、PenhaligonsのEllenisia
ジャスミンとピーチの入ったガーデニアで、甘さが出てきて可愛らしくなります。

27、武蔵野ワークスのくちなし
トップはネロリが強く、くちなしでもガーデニアでもありません。何系とも言えないフローラルですね。



日本のくちなしに近いもの
Kai Perfume
■オイルは香たちも緩やかでしっとりとしています。
Yves RocherのPur Desir de Gardenia
■すっきり系のくちなし

ココナッツ系のトロピカルガーデニア
Estee lauderのAzuree
■ボディオイルで常夏気分です。南国ムード満点。
Ava LuxeのTiara
■こちらも南国ムード満点です。
MontaleのIntense Tiare
■モンタルの製品の中では、唯一の南国系ではないでしょうか。

生花そっくりではないけれど、香水によくある典型的ガーデニア
Liz TaylorのGardenia
■トップノートだけ ! !
ToccaのFlorence
■キレイに香るガーデニア
Marc JacobsのMarc Jacobs Essence
■このブランドの中では一番ガーデニアを感じます。
Il ProfvmoのGardenia Royal
■すっきり系のガーデニアでシンプルです。
Ava LuxeのGardenia Musk
■レインよりもムスクの方がガーデニアそのものを楽しめる感じです。
Annick GoutalのGardenia Passion
■ガーデニア風フローラルなのはトップのみです。

個性的なガーデニア
Tom FordのVelvet Gardenia
■女性らしさを持つガーデニアを無理矢理ユニセックスにした感じ。ここまで渋くなるとある意味感動です。すごい個性です。
Palazzo VecchioのGardenia Florida
■他の典型的ガーデニア香とは少し違う香りながら、花開くように次第にフローラルさを増していく感じが個性的です。


総括
日本のくちなしの香りを求めていろいろなブランドを試す方が後を絶たない香りですが、なかなか生花そっくりなものはありませんよね。その中で、高価なものとしてはKai Perfumeが、安価なものとしてはイヴロシェが2トップでくちなしっぽさを持っています。共に国内販売はしていないブランドですので、オークションや個人輸入でないと購入が出来ない香りなのですが・・・。
ガーデニアの香りは、精油が採集されていないこともあり、各社がそれぞれいろいろな香料を使用して再現しています。生花ではないのですが、香ると「ガーデニア系」だと感じる香りがとても多くあります。マリンノートを入れてすっきりとした香りにしたもの、タヒチアンティアラは特にココナッツを強めて南国風にした香りになっていたり、種類は様々です。
生花と香水の大きな違いは「香り続けないこと」です。生花は時間によって香りが変化することはなく、同じ香りを絶えず一定時間香らせています。アニックのトップだったり、リズテイラー(エリザベステーラー)のガーデニアのトップがもっと持続していたら楽しいのに・・・と思いつつも、持続させることの難しさ、香り続けるのが生花の特徴であると再認識すると、やはり最終的には「生花の素晴らしさ」を感じるのです。生花そっくりな香りを作り出すのは永遠のテーマなんでしょうね。
似ている似ていないは別として、「自分の好きなガーデニア」が見つかればそれが全てだと思いますので、皆さんいろいろと香ってみましょう♪

とにかく、たくさんのガーデニアを試し、生花の芳香成分を学んだ結果、手作りしたものが1番生花っぽくなりました。調香体験セミナーでチャレンジしてみるのも楽しいですよ。


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