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Pathoulyとは

香りのオフ会のテーマは「パチョリ」です。なんともマニアな香りではありますが、墨の香りにも例えられる大地の香り。単独では少しとっつきにくい感じがありますが、パチョリのもたらす効果というのは多大で、香水には欠かせないエッセンスです。

パチョリはパチュリとも表記をされますが、Pachouliの読みがパチョゥリであるためにどちらも正しいと言えます。その中間が正解なのです。シソ科の植物でミントを大きくしたようなハーブなのですが、植物そのものは香りません。葉をちぎってはじめて香りだすのです。フレッシュな状態では香りがなく、左の画像のように乾燥して枯れた状態のものから香りがしてくるのです。18世紀にはすでにインドで大流行しており、衣類に良く香り付けとして使用されていたそうです。だから東南アジア系のイメージを持つ人も多いことと思います。防虫効果が高いという特性を生かし衣料品にパチョリが香り付けされた状態(服を包んだ布に香り付けしていた)で世界に輸出されたために精油よりも東南アジアの衣料品の香りとして広まったそうです。インドのカシミール地方の製品のフェイクを見分ける方法として香りの有無が取りざたされたおかげで広く知れ渡ったのだとも言われています。

パチョリの精油の良し悪しは鉄分の含有があるようです。高濃度だと変色を促してしまう可能性があるため、除去したものが生成されています。その一手間かけたものが高いわけです。100パーセントのエッセンシャルオイルの中にも安価なものはシダーウッドオイル、ベチバーオイルのレジノイド他混合物が多くあるようで、香りの基となるパチョリアルコールの含有率の低い製品も多々あるようです。一般には分かり辛いのですが。(1番混ぜ物としてよく見られるのはGurjun Balsam Oil)

どちらにしてもオリエンタルな香りには欠かせない香料として広く利用されており、ヒッピーたちの愛した香りとして有名です。ヴィヴィアンウエストウッドはこのパチョリの香りが大好きで、彼女の香水にはかなり強く使われています。今年2008年はこのパチョリの香りが二次ブームとなっており、トムフォードのホワイトパチョリ、ラクロワのセラフェーテパチョリ、YSLからはElleがパチョリを強く組み込みました。

オリエンタル回帰というブームにもなっているこのパチョリをテーマとした香りのオフ会を実施しました。

参加ご希望の方は下記より参加申し込みをお願い致します。
今回のような香りのオフ会は当分開催予定がございませんのでご都合の合う方は是非♪

日時:2008年11月22日、23日、24日(土、日、月)
時間:14時〜20時
場所:杉並区高円寺(有限会社ドゥエッティ)
参加費:1000円
定員:各日共に12名

※追加で振り替え休日の24日の開催も決定です。

11月22日(土)
満員
終了
11月23日(日)
満員
終了
11月24日(月)
満員
終了

総勢34名というご参加で、皆さま最後はわいわいと楽しく過ごしていただけたようです。画像の2段目右にあるのは「鬼柚子」というソフトボール大の柚子なんです・・・。香りのある生花は残念ながらご用意出来なかったのですが、120本のポピーはとても可憐でした。(年中咲いているヘリオトロープがあったくらいです)中段左の画像はホワイトライラックなのですが、残念ながら季節はずれということで芳香はありませんでした。

夕方からは季節的にぴったりだったのでボジョレーヌーボーを開け、バゲットといろいろなディップとおつまみと一緒に楽しみました。(もちろん僕が作ったディップなので香りの強いものばかりです)後は、キンモクセイのシロップを参加者の方が手作り下さったパンケーキに乗せて食べてみたり、と軽食と言えど全てが香りで繋がっているオフ会となりました。


パチョリの比較

精油(エッセンシャルオイル)の希釈版(5%)と乾燥したパチョリの実物をポッドに入れて展示し、それを香った上で3つのカテゴリーの中からお好きな香りを選んでいただく方式としました。パチョリの精油に近いものを探すのではなく、ただただお好きな系統を選ぶ・・・というアンケートです。ラインナップは以下です。それぞれ3種ずつ選んでいただいたのですが、1位を3点、2位を2点、3位を1点として算出しています。(僕を含めず34名のアンケート結果の集計です)

リスト
結果
■比較的どっしりとしたパチョリが香る香りたち
1、Attar BazaarのIndian Patchoul
2、Palazzo VecchioのPatchouly Rosso
3、Il ProfvmoのPatchouli Noir
4、Compagnia Delle IndieのPatchouly
5、EtroのPatchouly
6、Ligne St.BarthのPatchouli Arawak
7、ReminiscenceのPatchouli
■比較的どっしりとしたパチョリが香る香りたち
30点、Palazzo VecchioのPatchouly Rosso
29点、ReminiscenceのPatchouli
28点、Il ProfvmoのPatchouli Noir
27点、Ligne St.BarthのPatchouli Arawak
24点、Compagnia Delle IndieのPatchouly
23点、EtroのPatchouly
22点、Attar BazaarのIndian Patchoul
コメント圧倒的な差は付かなかったので、精油っぽいものは基本的に似たり寄ったりなのではないかと思います。ただ、濃厚なAttar Bazaarは少し苦手だと感じられる方も多かった様子です。EtroとReminiscenceは基本的にとても使いやすくライトな香りで、翌日のムエットは香りがほとんど残らない状況でした。その中でReminiscenceの方が人気だったのはフローラルノートが入っていたからだと思われます。まさかPalazzo Vecchioのどっしり系パチョリが1位になるとは思わなかったのですが、使い安い系を好む方とオリエンタルな香りがお好きな方が二つに別れ、1位と2位を形成したのだと思います。こうして並ぶとPalazzo Vecchioのものはウッディ寄りのパチョリであったことも明らかでした。Il Profvmoは甘さが、Ligne St.Barthはフルーツと甘さが次第に出てくるパチョリです。Compagnia Delle Indieは軽いコロンタイプのもので、シダーウッドやベチバー系にパチョリとシトラスを加えたものなので、上の精油の説明の中の「安価な混合物系の精油」というニュアンスのためにこちらのグループとしました。
■パチョリが主張している様々な香りたち
8、Attar BazaarのTunisian Patchoul
9、Palazzo VecchioのDolce Pachouly
10、L'Artisan ParfumeurのPatchouli Patch
11、MontaleのPatchouli Leaves
12、Le LaboのPatchouli 24
13、Ava LuxeのShambhala Tibet
14、Anne Pliska ParfumesのAnne Pliska
15、Dana ParfumsのTabu
16、Etat Libre D'OrangeのNombril Immense
17、Paco rabanneのLa Nuit
18、Vivienne WestwoodのBoudoir
19、Serge LutensのBorneo 1834
20、MazzolariのLei
■パチョリが主張している様々な香りたち
34点、Etat Libre D'OrangeのNombril Immense
24点、Anne Pliska ParfumesのAnne Pliska
23点、Serge LutensのBorneo 1834
17点、Palazzo VecchioのDolce Pachouly
14点、MazzolariのLei
13点、Paco rabanneのLa Nuit
12点、Le LaboのPatchouli 24
12点、Vivienne WestwoodのBoudoir
10点、Attar BazaarのTunisian Patchoul
10点、Dana ParfumsのTabu
7点、MontaleのPatchouli Leaves
7点、Ava LuxeのShambhala Tibet
4点、L'Artisan ParfumeurのPatchouli Patch
コメント上に比べてこちらは結果がとても顕著です。圧倒的な差を付けて1位となったEtat Libre D'Orangeはベチバー系なウッディの残るタイプです。2位と3位は納得な気がしますね。まとまりも良いし、マニア人気もある香りですから。面白い意見としてはAva Luxeの香りを椎茸などの菌類の香りに感じたなんて人も。Le Laboは「煙い」という意見がありましたがその通りにバーチタールを使用しているんです。それぞれに好みはあってのランキングだと思いますが、L'Artisanが全く不人気だったのも意外でした。これだけブランドと商品が幅広く集まると埋もれてしまう製品だということなのかもしれません。僕以外にもL'Artisanの香りの中にキンモクセイっぽさ(もわんとしたウッディ調)を感じておられた方がいらして嬉しかったり。
■パチョリをアクセントとしたフルーティーオリエンタルな香りたち
21、FragonardのElixir Absolu
22、Profumi di PantelleriaのJailia
23、Palazzo VecchioのFlorentia 26 Frutti Esotici
24、M. Micallef のLes 4 Saisons Automne
25、Roberto CavalliのRoberto Cavalli
26、Thierry MuglerのAngel
■パチョリをアクセントとしたフルーティーオリエンタルな香りたち
44点、Roberto CavalliのRoberto Cavalli
37点、Palazzo VecchioのFlorentia 26 Frutti Esotici
35点、M. Micallef のLes 4 Saisons Automne
33点、Profumi di PantelleriaのJailia
16点、FragonardのElixir Absolu
10点、Thierry MuglerのAngel

コメント1番最初のグループは強いパチョリでしたが、こちらは1番使い安い系統として捉えられていた様子です。普段あまり香りを使ってらっしゃらない方、あまり強いパチョリ系統がお好き出ない方の人気を集めてRoberto Cavalliが1位となりました。発売当初、フルーティーフローラルが全盛期だったこともあってパチョリの効いたこの香りは驚いたものです。この後に発売されたオーロはもっとオリエンタルなんですよ。Palazzo VecchioとM. Micallef、Profumi di Pantelleria、Thierry Muglerあたりは基本的に「フルーティーオリエンタル」というくくりにしているくらいですから似た系統です。ただ結果を見ますと「フルーティーなものほど人気があった」ということになります。予想以上にマリンノートが出ていたFragonardはそれがフラゴナールらしいのですが不人気という結果に。普段はマリンノートがパチョリに隠れるのですが、このラインナップの中ではひときわ目立ったようです。

この他にトムフォードのホワイトパチョリ、SMNのパチョリ等いくつかラインナップから外した製品も置いておきました。それとPalazzo Vecchioのローズブルガリとパチョリロッソを重ねたという香りも用意し重ね付けの様子を楽しんでいただきました。通常のシンプルなローズが深みを増していく様子を感じていただけたことと思います。(パチョリとローズはチーズとワインくらい相性が良く定番中の定番の組み合わせなのです)

今まであまりパチョリを使ったことがなく、そもそもあまり馴染みのない香りだった方や、少し敬遠されていた方々にも様々なバリエーションの香りがあること、エッセンスとしてはとても重要であること、良い面もあることなど広く知っていただく良い機会になったのではないかと思います。パチョリ人気が高まるよう頑張れ、パチョリ♪と言う感じです。

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