イタリアの水というなんともシンプルなタイトルのブランドなのですが、Le Sirenuse(ギリシア神話に登場する美声の女神)という5つ星ホテルのブランドなんです。香水よりもまず、ホテルの方が有名。南イタリアでもかなり景観の良い町として知られるホジターノは、18世紀に貴族の別荘地として賑わいを見せていました。 Marina Sersaleはイタリア人の父とアメリカ人の母のもと、ローマに生まれました。父はナポリ貴族の血を引く人で、この人がホテルを創業したのですね。彼女はドキュメンタリー映画の製作の仕事をしていました。ホテル自体も映画に使われたりしているようですよ。旦那さんはアルゼンチンのブエノスアイレス生まれのSebastian Alvarez Murenaという方で、この人は24年間スペインとスイスに住んでいたというジャーナリストであり企業家です。この2人によって、1953年に開業したホテルの50周年を祝うプロジェクトとして香水が創られることとなったのです。取り掛かったのが2002年で、最初の香りを発売したのが2004年のことでした。香りは全てユニセックスで、バスラインまで幅広く創られています。ホテルのアメニティがこの製品だったらとんでもなく豪華です。

ここのブランドは、100mlの1サイズで価格が110〜120ドルなんです。(14,500円くらい) 結構高価格なのですが、ボトルがアルミなんですよ。豪華さがないのが難点で少し悩みどころだったのですが、香りは抜群に良いです。このアルミボトルは輸送時の破損(凹み)も多いと聞いたのも難点です。実際に手にしてみたら、それほど軽いアルミではなくてしっかりとしていたので安心はしたのですが。 (10/11/2008)

2010年春、新作の発売と共にボトルがリニューアルをしてスクエアボトルとなりました。これにより、上記の心配は全て解消され、ボトルもラグジュアリーにランクアップ。(07/06/2010)

イタリアにはこうした崖に沿った街がいくつかありますが、時間の流れがゆっくりで、とてもステキな場所です。

海側から眺めるのが一番ですので、訪れる際は船がおススメ。僕はアマルフィよりもポジターノの方が好きです。

Pitti Fragranze 12にてオーナーのSebastian Alvarez Murena氏にお会いしてきました。直前に彼らの拠点というかホテルのあるPositanoを訪れていたこともあり、写真を見せたらホテルの場所を教えて下さいました。レヴュー用に、と未レヴューのものをいただけないかとお願いしたら、いやいや全部あげるよ、と全種類をボックスに入れて下さったという優しい紳士でした。

また、発売当初はサンプルとフルボトルの香りの印象が随分違いとまどいましたが、最新のサンプルたちは全てフルボトルに準じていますので香りは安定しています。 (19/09/2014)

ここ数年でEdPラインが増えて価格も改訂に。現在EdTは105ユーロ(140ドル)、EdPは125ユーロ(160ドル)ですから、EdTは14,000円、EdPは16,000円がオフィシャルの定価。(26/01/2016)

Jasmine Leatherの発売を機にボトルをリニューアル。全てが同じホワイトとなり、商品が10種に絞られ5種が廃番となりました。(29/10/2020)