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Sampleレヴュー

■Ariel (2015年)

彼にとっての女性像を、内面と外面それぞれから表現した香りのようです。さすがイタリア人、やっぱりそういうテーマは永遠なのでしょう。

トップ:マンダリン、ジンジャー、ダヴァナ
ミドル:アンジェリカ、チュベローズ、ジャスミン、オスマンサス、ヴァイオレット、ローズ
ベース:サンダルウッド、タバコ、アイリス

アンジェリカとチュベローズを軸にしているという割にはチュベローズの主張が少なく、アンジェリカとダヴァナが精油らしいアロマティックな香り方をしたトップでスタートです。フローラルノートもベースノートもどれ1つとして主張しておらず、全体として少しクセのある苦みのあるフローラルウッディといったところでしょうか。この苦みがなければ美しいのですが、天然香料だけでは美しく香らせるのが難しいところ。なんとなく花の中ではプルメリアのニュアンスを感じますので、少しクリーミーで甘いトロピカル系のフローラルがお好きな方には良いのかもしれません。ラストノートはサンダルウッドとアイリス柔らかく甘く残りますので、ベンゾインあたりも入っているのかも。(22/01/2016)


■Bond T (2013年)


斜塔で有名なPisaで食べたチョコレートにインスパイアされた香り。ショコラティエ職人のお名前がPaul de Bondtさんと言うそうです。オフィシャルサイトにはティラミスの画像が使用されていますが、香りはティラミスではなくて、飽くまでもチョコレート。

カカオアブソリュート、パチョリ、オスマンサスアブソリュート

たまたま偶然にもサンプルを頂いた9月下旬、11月に向けてチョコレートの香り(ショコラの時間)を作っていたときだったので驚いたのですが、彼のチョコレートは駆れらしさ満載と言えるダークでディープでストロングというそのままの香りです。とにかく濃厚なチョコレート。甘く美味しいというよりも香ばしくてビターだという表現の方が良いのかもしれませんが、どことなくカカオの中に鰹節のようなニュアンスを感じてしまいます。また、微かなアニマルノートを使用しているのかもしれません。彼らには鰹節という言葉や香りは理解出来ないと思うのですが、乾燥したイモーテルはカレー粉のようなクミン香と鰹節っぽい香りがするのですが、それを思い出してしまうのです。カカオアブソリュートとパチョリの組み合わせはSmell BentHungry hungry hippiesがありますが、Smell Bentの方がリキュールっぽく、シトラスがあるのに対し、こちらはバニラアブソリュートを使用していないんでしょうね。甘さ控えめなカカオで、ミドル以降に(生花のキンモクセイではなく)オスマンサスアブソリュートを感じられるようになります。個性的で楽しいけれど、決して初心者向きではない香り。たっぷりのカカオアブソリュートの中にとっても高価なオスマンサスアブソリュートを合わせてしまうだなんて、良さを打ち消してしまうような気がしますが、そういった使い方が出来るのはオスマンサスに対する先入観がないからなんでしょうね。思い切りが良くてステキです。(13/11/2013)


■Vitrum (2013年)

ジャーナリストをしているという友人、フェデリカのために作った香り。彼女がベチバーが好きだということでベチバーを軸にして組み立てられているのですが、彼はこのようにカスタムメイドも行っています。また、タイトルはラテン語でグラスの意味で、彼はグリーンの透き通ったミネラルウォーターのグラスを思い浮かべているようです。ただそこにはたっぷりのベチバーが入っている、と。

ベチバー、ローズ、ブラックペッパー

香りはとてもスモーキーなベチバーローズで始まります。GuerlainのChamadeのようにローズが香るベチバーではなく、たっぷりのベチバーの中に少しだけローズが隠れているというニュアンスで、ローズのそれらしさは瞬間でベチバーに隠れて見えなくなってしまいます。このベチバーは精油の中でも特にスモーキーな温かみを感じられるものを選りすぐったようで、香り豊かなブランデーを飲むような、身体にじんわりと火が灯る温かで柔らかな香りとなっています。こちらも持続力は抜群ですので、1プッシュでゆっくりと、でも長く香り続けます。(12/11/2013)


■Alter (2013年)

サンバックジャスミンを魅力的に香らせるためにまとめられた香りで、タイトルは英語で言うOtherの意味のラテン語から。ジャスミンのもつ別の面を表現したというか、別の角度から眺めてみたということのようです。インドールの利いたアニマリックで妖艶なジャスミンとは別の、こういうすっきりとしたジャスミンもあるんだよ、ということなのかもしれません。

サンバックジャスミン、ローズ、フランキンセンス、ミモザ、アニマルノート

トップノートにはセロリやカラムスのようなクセの強いアロマティックノートが感じられるのですが、それらを内側から吹き飛ばすような感じで、パッとサンバックジャスミンが開花します。ジャスミンと名のついた植物の中でもサンバック種は臭み成分のインドールの含有量が低めで、すっきりとした香りであるためにジャスミンティーの香り付けに使われている品種です。でも、こちらの香りは逆に微かなアニマルノートを加えてしまったんですよね。臭みのないものにわざわざ加えるという辺りの発想が面白いのですが、もちろん臭みを感じるほど強く入っているわけではありませんのでご安心を。香りは、時間が過ぎれば過ぎるほど美しさを増したサンバックジャスミンとなり、洗練された形となって消えていきます。ただ、持続力は抜群で、1プッシュで8時間は持続しますよ。(12/11/2013)

 

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