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Sampleレヴュー



■Diamond Jubilee Bouquet (2012年)

1897年にヴィクトリア女王の在位60周年を祝った際Victorian Bouquetという香りを発売していたそうです。それを1952年に即位されたエリザベス2世の60周年(Diamond Jubilee)を祝う香りとして2012年に発売された香り。

トップ:シトラスノート、ナルシス、スズラン
ミドル:ローズ、アイリス、ジャスミン、ヴァイオレット、カーネーション
ベース:ベチバー、トンカビーン、バニラ、ホーソン、ムスク、アンバー

ナルシスにスズラン・・・となるとかなりすっきりとしたフローラルで始まるのかと思いきや、オイゲノールの効いたスパイシーな香りで始まりました。トップで香ったのは、オイゲノールにローズとジャスミンが重なったカーネーション。香りはそこからアイリスが感じられるようになり、更にはどんどんベースノートが出てきてカーネーションを軸としたパウダリーオリエンタルへと変化して肌に落ち着きました。これはシックです。ローズも調合香料とアブソリュートの併用のようで、アブソリュートらしい部分が少し感じられます。クマリンも効いていますので、Guerlainの往年の香りがお好きな方であればとてもフィットするのではないでしょうか。やはりそこはエリザベス2世ですから、可愛らしい香りではなく重厚感のあるものでないと。(26/01/2016)


■Betrothal (2011年)

1893年にイギリス国王ジョージ5世の妃メアリー・オブ・テックの婚約を祝して作られた香りを、ウィリアム王子がケイト・ミドルトンと婚約したことを祝しての復刻し、Royal Collectionとしました。当初は10、50mlのパルファムが限定発売されたのでいが、翌年に50、100mlのEdPが発売となり定番化されました。タイトルはそのまま「婚約」という意味です。

トップ:シトラスノート
ミドル:ローズドゥメイ、ジャスミン、イランイラン、ネロリ
ベース:ベチバー、バニラ、ウッディノート

香りは豪華でありつつもとてもモダンに再構築された香りです。香りの軸はローズとジャスミンで、ロイヤルウエディングに相応しい典型的なフローラルブーケ。少しヒヤシンス調のローズっぽいニュアンスがあったり、ハニー系の甘さが見え隠れしていますが、アブソリュートのみではなくきちんと合成香料を使用して美しいブーケに仕立ててあります。ジャスミンは、これはグラース産のものなのかもしれません。アブソリュートのワイルドさは少なく、よりもっとクリーミーで柔らかい感じのジャスミンがローズに重なっているのですが、グラースで咲いていたあの香りにとても近いのです。もし本当にグラース産のものを使用していたとしたら、それは50mlのEdPが300ユーロであっても納得です。香りの軸であるローズとジャスミンの比率を逆にしてアルデヒドとアイリスを投入したらChanelのNo.5に似た雰囲気になっていたかもしれません。Phenyl ethyl alcoholの効いたフレッシュなローズがとても印象的なスイートフローラルブーケで、最後にウッディノートがクマリンに包まれて柔らかく香るあたりが上品です。(25/01/2016)


■Sylvan Song (2014年)

1707年創業というイギリスの老舗百貨店Fortnum & Masonの限定品です。タイトルは、森の妖精の歌という意味。

トップ:ベルガモット
ミドル:ジャスミン、ローズ、イランイラン
ベース:パチョリ、ベチバー、ガイヤックウッド、ベンゾイン、ムスク、フランキンセンス、トンカビーン

 

 

 

香りはあれ? 付けた? とパッとわからないほど穏やかで静かなフローラルで始まります。トップのベルガモットも控えめで、全てをムスクで包んでいるかののような柔らかなフローラルムスクで、あまりオリエンタルには感じません。ベースの香料が多いため、オリエンタル寄りに感じるのですが、香料の種類が多いだけで、割合としてはフローラルがメインです。ただ、時間と共に甘さが出てきてスイートフローラルムスクとなって落ち着きます。ウッディノートも樹脂香もパチョリなどもほとんど主張することなくムスクに溶け込んでいますので、比較的幅広く支持されそうな香りだと思います。数時間後のラストノートの中に少しダスティなウッディノートを感じるくらいで、フローラルノートもフェミニンだというほどではありませんのでユニセックスで使える香りですよ。

展示会ではAmanda Brooke夫人にお会いしたのですが、香りを説明してくれたのは彼女の娘さんでした。(10/10/2014)


Hasu-no-Hana (1888年/2009年)


もちろん日本の蓮をイメージした香りでクマリンのないジッキーのような、シプレフロリエンタル。アクアノートのなかった時代に作られた蓮の香りなわけです。でもムスクは使っているようです。

ベルガモット、ビターオレンジ、ローズ、ジャスミン、イランイラン、アイリス、パチョリ、オークモス、ベチバー、シダーウッド、サンダルウッド、トンカビーン

うわぁ、クラシカル!! と思わず叫んでしまった良い香り。どこがどのようにロータスなのか全くわかりませんが、確かにジッキー風です。ゲラン調のクラシカルな良い香りで、強く出ているのはアイリスですね。トップはシトラスが香りましたがすぐにアイリスとパチョリとトンカビーン等がローズ、ジャスミン、イランイランと共に香りだします。今でもこうしてクラシカルな香りが良質な香料で作られるというのは嬉しいことです。確かに上記の香料はほぼ天然香料で揃えられますもんね。夜間飛行を再現した際に感じた雰囲気を思い出しました。でも、香り自体はロータスではあませんので悪しからず。ゲランのクラシカルなジッキー、夜間飛行のパルファム、Mitaoukoのパルファム辺りがお好きな方には良いのではないかと思います。3つの中では1番クラシカルな香り。(15/12/2009)


Phul Nana (1891年/2009年)

インドの花々のブーケをイメージした香りでウッディベースのアロマティックフゼアにフローラルノートを加えた香り。花々という内容よりもフローラルなタブーだというレヴューもありましたので華やかさよりも渋さが強いのかもしれません。カーネーションとパチョリにローズとジャスミンが加わったような香りかもしれませんね。

ベルガモット、オレンジ、ネロリ、ゼラニウム、チュベローズ、イランイラン、パチョリ、ベンゾイン、シダーウッド、サンダルウッド、オポポナックス、トンカビーン、バニラ

フローラルなタブーというのも言いえて妙なのですが、カーネーションにパチョリとトンカビーンが加わったような香りです。カーネーションの中のクローヴというかオイゲノールを強く感じるスパイシーなフローラル。そこにグリーン調が少し出ていてタブーよりも薬っぽい雰囲気です。フローラル調ももちろん強いのですが、華やかというよりもやはりクラシカルで重厚です。とても今の時代にマッチした香りではないのですが、クラシカルな再現香としてはぴったりな雰囲気で、忠実に再現していったのだという雰囲気がとても良く伝わります。とても精油感が強くてチュベローズのアブソリュートも本当に微かながら感じ取ることが出来ます。3つの中では1番柔らかな香り。(15/12/2009)


■Shem el Nessim (1906年/2009年)

エジプトでアラブの春を祝う祭りのタイトルを持つ人気の高かった香り。フィレンツェ産のアイリスを使って作ったオリジナルのアイリスアコードレシピを使ったグリーンフローラル調のブーケ。女性らしさが賞嘆されたエドワード王の時代の香り。オフィシャルサイトではロリガンっぽいとありますが、香った方の印象では全然ロリガンっぽくないよ、と。

ベルガモット、ネロリ、ゼラニウム、ジャスミン、ローズ、イランイラン、アイリス、ムスク、パチョリ、シダーウッド、サンダルウッド、ヘリオトロープ、バニラ

Hasu-no-Hanaに負けず劣らずアイリスが強く出ています。アイリスが強いのですが、こちらはとてもキレイに広がるアイリスで、ローズを再現する時に使用する香料や、スズラン系の合成香料が出ています。アイリスの根のパウダリーな香りと花の持つ瑞々しさを合わせて作ったという感じの香りで、パウダリーなスイートピーという雰囲気もします。かなりアイリスは強いんですけど、3つの香りの中では1番ケミカルさを感じます。リナロールとフェニルエチルアルコールがとても強く入ってます。でも香りは瑞々しくて素敵ですよ。あ、全然ロリガンっぽくはないです。3つの中で1番ラストノートがキレイな香り。(15/12/2009)

 

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