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Sampleレヴュー

■Sakura Imperial (2020年)

日本の桜がモチーフとなった香りがコロナ禍で発売となりました。桜の香りにカモミールやサイプレスを合わせるあたりが、日本人にはない発想で楽しいなぁ、と思ったプレスリリースでした。

 

 

トップ:レモン、カモミール、サイプレス、ブラックペッパー
ミドル:チェリーブロッサム、アップルブロッサム、サリチレート、ジャスミン、ブラックカラントフラワー
ベース:サンダルウッド、トンカビーン、ラズベリーフラワー

どのようにまとめられているのか楽しみだったのですが、香りは比較的日本人の知るところの桜のニュアンスを軸とした香りとなっていました。楽しみにしていたカモミールやサイプレスは微かなアロマティックノートとなって広がり、桜を邪魔するほど強くはなく、全体として1つのチェリーブロッサムアコードとなって広がっていきます。トップこそ、何だかワチャワチャした感じで少しケミカルなトーンが飛び出したりしましたが、しばらくで全体が馴染んだ桜となって落ち着きます。これならば日本人も納得の勘違いではない桜の香りです。桜のシーズンは心が浮き立つわくわく感があるものですが、落ち着いた静かなトーンがとてもシックで、可愛らしくない大人の桜であることをうれしく感じたのでした。この香りの発売後に30mlが追加となり、30、100mlのEdPが69、148ユーロで発売に。(07/12/2022)


■Par Amour Pour Lui (2019年)

2019年に発売された最初の香りのうちの1つ。なかなか今ではFor Menと謳う商品が減り、往年のスタイルとなりました。

 

 

トップ:コリアンダー、タラゴン、シスタス、ベルガモット、ラベンダー
ミドル:レザー、タバコ、パチョリ、スティラックス、カーネーションリーフ、ヘイ
ベース:サンダルウッド、ホワイトムスク、ラブダナム、トンカビーン、ベチバー

メンズと謳うのが良くわかる、タバコのアブソリュートにラブダナムを合わせ、クマリンを聞かせたダークなオリエンタルで始まります。タラゴンの中のアニス調の甘さ、干し草の中にもあるアニス調の甘さはクマリンと重なりラブダナムを彩ります。レザーは少しスモーキーなトーンですが、タバコの中に溶け込んで1つの形で香り、全体で重すぎないオリエンタルとなって広がります。ラベンダーが強すぎず、フゼアな要素が少ない点が往年とは少し違いますが、しっかりと往年のファッションフレグランスにあったメンズ香を思い起こさせるのは、どことなくGianfranco FerreのUomoに通じるベースだからかもしれません。(06/12/2022)


■Par Amour Pour Elle (2019年)

いつの時代も変わらないのは、女性への愛でしょう、という香り。KaonのオーナーであるRoberto Draco氏がコンペティションでLucien Ferrero氏にお会いした際、奥様の香水に魅せられ、その香りをLaboratorio Olfattivoのコレクションに欲しいとお願いしたそう。でも、それは奥様へのオリジナルであって売り物ではない、と。それがこの香りとなったのでしょう。

 

 

トップ:ネロリ、ヒヤシンス、ローズ、ブラックカラント
ミドル:カーネーション、オレンジブロッサム、ジャスミン、イランイラン
ベース:チュベローズ、ホワイトムスク、ラブダナム、サンダルウッド、ミルラ

ガルバナムの強くないグリーンローズ風なヒヤシンスが、明るいフローラルノートと共に香り、スタートします。カーネーションのスパイシーさは感じられず、ただただ、美しいフローラルブーケのままゆっくりと静かに香る印象で、しばらくしてから、少し渋めなベースが感じられるようになります。チュベローズっぽいクリーミーなフローラルは調香通りにベースノートが感じられる頃になって見え始め、チュベローズに少しアンバー調のベースが重なるようになって薄れていきます。ラブダナムは決してそれとわかるほど強くはないのですが、明るいだけのフローラルブーケではなく、少しアンバー調のベースが感じられる点が大人っぽく感じられるのではないでしょうか。

上記の画像の中の置物は、南イタリアのカラブリア州にあねトロペーアという街で見つけた、大きな鼻という意味のキャラクターです。マスターパフューマー(偉大な鼻)と大きな鼻で撮影を。(21/06/2019)


■Seringa Blanc (2019年)

待ちわびた春の日に咲くセリンガの白い花。その季節は様々なホワイトフローラルが咲き始める。そうこれは自然への愛情。

トップ:ネロリ、レモンリーフ、ピンクグレープフルーツ、スズランリーフ、タンジェリンブロッサム
ミドル:ホワイトセリンガ、スズラン、ホワイトシクラメン
ベース:ジャスミンアブソリュート、オレンジアブソリュート

ネロリが少しビターなシトラスと共に鮮やかに弾けてスタートです。香りはそこからホワイトフローラルというざっくりとしたイメージにぴったりな雰囲気に変化し、スズラン調の清々しさを湛えます。これはランドリー系のフレッシュさで、誰もが気兼ねなく使える年齢を問わない清楚な香りと言えるのではないでしょうか。大きな個性はありませんが、いつの時代も愛されそうな香りです。ホワイトフローラルを邪魔するようなベースノートはなく、フローラルノートが清々しさをけん引し、フレッシュフローラルを長く楽しむことができます。(21/06/2019)

 

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