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Sampleレヴュー

■Rosa Vere (2023年)

春のローズはRosa centifoliaがテーマに。春の中でも5月は晩春であり、一度だけ咲く5月のローズがサブタイトルとなりました。香料用のローズと言えばダマスクローズとローズドゥメイがメインですが、花弁数の多いセンティフォリアにレッドフルーツを合わせてリアルな香りに仕立てたもの。

 


(c) Himeno Rose Nursery

 

センティフォリアローズ、レッドフルーツ、シトラスノート、フローラルノート

ムエットで香った際には、この香りが一番ローズらしいローズ香に感じられたのですが、改めて肌に乗せるとベリー系のフルーツが香るフルーティーなキャンディーローズで始まりました。フルーティーなトーンが薄れ甘さが残るとローズは一段と馥郁たる香りとなり、ドライフルーツを合わせたようなミドルを経て、リアルなローズ香となって落ち着きます。ムスクが強いわけではないのですが、とても持続も良く、長く楽しめます。可愛らしいだけのローズで終わらない点と、リアルな香りとなって残る点がこの香りの価値でしょう。(16/05/2023)


■Rosa Aestiva (2023年)

Ann Pat EwenというNovaspinaの農場で育てられているピンクのローズのヘッドスペース法で香りを採取して組み込んだ香り。Ann Pat Ewenは2015年にローマのコンクールでフレグランス賞を受賞した、シトラスノート、特にグレープフルーツピールの香りを有する芳香種。夏の香りのためシャンパンを合わせたもので、サブタイトルはゴールデンローズ。

 


(c) Novaspina

 

シトラスノート、フローラルノート、グループフルーツ、ローズ、シャンパン

シャンパンの泡っぽいニュアンスはそれほど強くはないのですが、軽めのシトラスノートを有した爽やかなローズが広がります。そのまま炭酸を入れて飲みたいほど爽やかなローズで、そういう意味ではシャンパンをこのローズに合わせた理由が理解出来ます。グレープフルーツの香りは少し時間を経てからの方が顕著で、ミドル以降にグレープフルーツローズとなって落ち着きます。シャンパンやグレープフルーツにローズとなるとLes Liquides ImaginairesのDom Rosaが思い出されますが、こちらの方が全体的なトーンがナチュラルで優しい広がりです。(16/05/2023)


■Rosa Autumnalis (2023年)

Rosa Susan R. DanielとRosa rugosaにスパイスを合わせた香り。下記の画像がRosa rugosaでハマナスのこと。スーザンダニエルはサーモンピンクに少しオレンジがかかったような淡い色合いのローズ。サブタイトルは荒れたローズ。

 


(c) Himeno Rose Nursery

 

スーザンダニエル、ロサルゴーサ、スパイス

秋バラのシーズンをテーマとしたわけではなく、その先。秋バラが終わりをつげ、葉が落ちて棘だけが残った、冬に入る準備段階となった季節。スーザンダニエルはビターオレンジやフルーツ、ヴァイオレットの芳香わ持つ特徴的な香りだそうで、そこに典型的なゼラニウム調のローズ香であるハマナスに、棘をスパイスで表現したもの。香りは、思わずうなずいてしまうほどローズの香りです。それも、とても特徴のあるスパイシーなローズ。トップではエステル系のフルーティーノートが香りましたが、シナモン調のローズノートがヴァイオレットやローズに重なり、少し色あせた印象を与えています。これはこれでローズの一面を切り取った、ローズらしい香りだと言えます。(15/05/2023)


■Rosa Hiemalis (2023年)

Rosa chinensisのOld Blushをテーマとした冬のローズで、サブタイトルは凍ったローズ。Old Blushは四季咲きで、冬の寒さの中でも蕾があることがあり、凍った花からも微かな香りが感じられるのだそう。

 


(c) Himeno Rose Nursery

 

チャイナローズ・ローズブラッシュ、ナルシス

香りは少し冷たいトーンを含んだハニーなオリエンタルローズとなりました。グリーン香と冷たいトーンがトップで香り、そこからハニーノートの効いたオリエンタルへと変化していくのですが、ヴァイオレットも強めに感じられるため、重厚感のあるローズとなっています。もともと強香種ではないようですが、仄かな香りはティーローズ系で、ハニーオリエンタルが甘く柔らかく包み込んでいるため、生花そのものの再現香ではありませんが、冬に合いそうな香りとなっています。(15/05/2023)

 

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