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Sampleレヴュー

■Hyperion (2024年)

Saturn VIIとも呼ばれる土星の衛星がタイトルに。だから、香りのテーマは宇宙への旅。でもそれは実際の宇宙への旅ではなく、真っ暗闇な中で内なる自己発見をする旅。瞑想の視点を宇宙にしたわけです。

 

 

ユズ、ジュニパー、スパノーヴァペッパー、フランキンセンス、イランイラン、ヒマラヤシダーウッド、パチョリ、アンバーグリスティンクチャー、コスミックアンバー、ディープスペード

昨年の展示会にムエットで試した際は宇宙ね、というケミカルさが際立つ感じだったのですが、改めて肌で試すとトップでは超新星をイメージしたペッパーが爆発し、アロマティックに始まります。そこに重なるのがメタリックな溶けた鉄の香り。そこがアクセントとなって宇宙に通じていくのですが、時間と共にパチョリが存在感を強め、香りはダークに歪んでいきます。それは超新星が爆発してブラックホールとなる、星の終わり。全てを吸い込んで暗闇に包まれていく様子を表現したのかもしれません。合成香料のバランスがとても良くて、不可欠なケミカルさが全く際立ちません。トップこそアロマティックですが、ダークなパチョリ系オリエンタルに切り替わり、最後はアンバーグリスのティンクチャーではなく合成香料のアンバーグリスが少しスモーキーなオリエンタルノートと共に残ります。ベースにはごく僅かにオークモスが潜んでいるようですよ。(05/06/2025)


■Nuvolari (2021年)

Tazio Giorgio Nuvolariというイタリアンカーレーサーをモチーフとした香りで、1935年7月28日、ドイツのNurburgringのサーキットで、真っ赤なクラシックレーシングカーが22kmのサーキットを駆け抜けた。引き続きCristiano Canaliの調香です。

 

 

トップ:レモン、ブラックペッパー、燃料アコード
ミドル:ミント、ネロリ、ローズ、モーターレーシングアコード
ベース:ベチバー、ウード、アンブロキサン、アスファルトアコード

焦げたオリエンタルウッディノートにメタリックな香りが火花のように散る香りです。クラシカルカーということで、もっとレザーっぽいニュアンスがあるのかな、と想像していたのですが、全体としてはとてもオリエンタルウッディで、メタリックなトーンが薄れていくと安心感すら感じられる少しスモーキーなアンバーウッディとなって落ち着きます。車に関するアコードがどのような香りとなってまとめられているのかわかりませんが、全体に大きな影響を与えるような香りではないようですね。マリンでもオゾンでも瓜系でもないのに、どこか尖ったような透明感、プラスティックやアクリルのようなニュアンスが中に感じられるところがポイントで、コントラストを楽しみましょうというニュアンスです。(03/08/2022)


■Fundamental (2015年)

最初の香りのテーマはモダンクラシカルということで、そのテーマに沿ったストーリーを紡ぎだしたのがErmano Piccoでした。そしてそれを香りとしてまとめたのがCristiano Canariです。

1937年、ヴェローナにて。町の床屋にオーデコロンを卸した初めての香水ショップだったPietro Rubiniのお店。彼はまた、アリーナで歌う女性オペラ歌手たちに、自分のお店の宣伝という意味も含めてとてもステキな香りのフェイスパウダーを差し上げていたのだそう。そこに、ソーヴィニヨンの香り、つまり9月の輝く太陽と熟成されるブドウの香りを足して、彼の最初の香り(基本)としたのです。

 

 

トップ:カラブリアンベルガモット、タンジェリン、シトラスフラワー
ミドル:グレープ、マスティック、アイリス、ビーワックス
ベース:シダーウッド、サンダルウッド、ジャワベチバー、ベルベットアコード、レザー

オペラの場面のように組まれたストーリーですよね。でも、オーデコロンでスタートするとばかり思っていた香りは、オーデコロンほど鮮やかではないシトラスで始まりました。トップから様々なエッセンスが香っているのです。それはとても不思議な組み合わせで、アロマティックであり、ゴムのようなテイストであり、少しグレープのようなフルーティーさであり、フローラルウッディがベースにあるのです。どうにもこうにも説明の難しい香りではあるのですが、微かな酸味はマスティックの樹脂らしいテイストを出していて、パウダリーノートは主役というほど前には出ずに温かな雰囲気づくりをしています。ウッディノートも精油ではありますが、精油のどっしりとした部分は控えめで、とても綺麗にまとめられているのです。幾分合成香料に置き換えているのでしょう。とてもユニークなユニセックスフレグランスで、アイリスがなかったらメンズに感じていたかもしれません。最後はアイロンで温められたようなレザーアイリスが滑らかに肌に馴染んで消えていきます。(21/12/2015)

 

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