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■6th Anniversary

普段からあまり周年というものを気にしていないから気づかずにいたのですが、7月17日をもちまして満6周年を過ぎ、無事に7年目を迎えることが出来ました。当時は掲載していなかったSampleレヴューも途中から追加したことで掲載数もぐっと増えましたし、コンテンツも増えてきました。また、海外からのアクセスも増え、ブランドからの問い合わせもいただくようになったのも大きな成長だと思います。2009年より開始した調香体験セミナーも5年目となり内容も更に充実してきました。その他にもprofice〜オンラインショップも増えましたし、取り扱いのブランドも増えました。ご要望の多かった調香師についてまとめたコンテンツも少しずつですが記載を初めたり、問い合わせの多かった調香師を目指す方のためのページもまとめました。

現在、オフィスにある所蔵香水はおそらく2,000本を超えていると思います。一般には公開しておりませんが、セミナーにご参加の皆さまにはご自由に香っていただけるよう開放しておりますので、是非香りを体験していただけたらと思います。

日々、更新を楽しみにしてくださっている皆さまに感謝致しますとともに、今後もコツコツと更新を進め、確かな情報を発信していきたいと思います。


■半年ぶりです・・・


前回、大阪でのセミナーが無事に終了しました、とご報告した後、半年・・・。また今月22日に開催となりました。しかも、次回は11/3と決定していますので、短いインターバルで年内開催を予定しています。それは、9/22にご参加下さった皆さまのご意見をもとに11/3の開催内容を決定したいと考えたから。Fタイプの方は3日前まで参加申込みを受付ますが、Bタイプ(午後から開催の自由テーマによる調香)は今週末で締め切らせて頂きますので、参加をご希望の方はお早めにお願い致します。(Bタイプへ参加申込み下さいました皆さまへは、週明けに資料をお送りさせていただく予定ですので今しばらくお待ちくださいませ)

東京で開催しているセミナーも年々少しずつ変化してきてまして、もともとは香りを1からオリジナルで手作りすることに力を入れていたのです。ですからB、Cタイプですよね。ところが、模倣レシピを生み出してそこに力を入れると皆さん楽しくご参加されるわけです。もちろんレシピには余白を残していますので、完成させるのは皆さんなわけですが、1から香りを組み立てるよりも、予め決められたレシピがあり、完成形が見えているものに参加した方が楽だと気づいたのです。それはそうですよね、安心ですもん。しかも、最後に好きな香料を足してカスタマイズ出来るわけですから。

今まで模倣レシピあってこそ、の内容だと思っていたのですが、そうではなくてオリジナルのレシピでも興味深いものであればどんどん皆さんご参加下さることがわかりましたので、市販品にはないような個性をもちつつも、きちんと日常的に使える香りとしてレシピを組んだものを開催することとなりました。それが7月から開催していますGタイプなのです。Gタイプには2つの種類があります。1つは100%天然香料のみで組まれた香り。もう1つは合成香料を使用しつつまとめた楽しめる香りたち。前者には色の名前が付けられていますが、後者は和歌や俳句、4字熟語などがテーマとなっています。

コツコツと自身で作っていたレシピたちが皆さまに受け入れられたことをとても嬉しく思います。SNSの方ではすでに今後の内容を公開していますが、10月、11月は以下のような香りたちを開催致します。

香光
(こうこう)
月光
(げっこう)


仏教用語に「香光荘厳」という言葉があります。香りに染まれば自らが香りを放つようになる(だからしっかり念仏を唱えて仏心に包まれなさい)という意味の言葉なのですが、香りに染まれば自らが香りを放つようになる・・・という姿がとても神々しく思え、この香りのタイトルとしました。この香りの特徴はもちろん、画像のような金木犀の香りなのです。真夜中、大きな金木犀の樹木の下に佇むと、香りが降ってくるように感じる・・・そんな瞬間をオリジナルの香りとしてまとめました。以前に開催しましたOriginal Oamanthusとはまた別の細かなレシピで、こちらは天然香料100%ではありません。感動するほど素晴らしい金木犀の天然香料(オスマンサスアブソリュート)を入手したことで開催を決定したのですが、開催日程はちょうど咲くか咲かないか、という時期のはずです。天然香料の良さを活かしたproficeらしい金木犀の香りはいかがでしょうか?

<使用香料 30種>

15mlのEdT <5,500円>
2012年 : 10/6 、8


「秋風に たなびく雲の たえまより もれいづる月のかげのさやけさ」
藤原顕輔が詠んだこの和歌は新古今集のものですが、百人一首にも収められているのでご存知の方も多いと思います。
雲間から漏れてくる月光はなんと清々しいことか、とその月明かりを詠んだわけですが、涼しくなり始めた秋の空。深夜ではなく夕刻から夜な感じですよね。太陽の光は黄色のイメージなのですが、月明かりは乳白色からクリーム色のイメージなのです。ですから、乳白色のフランキンセンスをキラキラとアルデヒドで輝かせ、そこに貴重なハニーサックルアブソリュートやフローラルノートを重ね、全体的にフレッシュでいながらフランキンセンスがしっかり香る、という香りにまとめました。こちらも香光同様に天然香料100%でありませんが、大量のフランキンセンスを使用しています。ハニーサクルアブソリュートはネロリとジャスミンを足したような美しい香りで、それをジュエリーの中に中に隠しました。作った者だけがその存在に気づいて笑を浮かべる、そんな隠し味として。

<使用香料 28種>

15mlのEdT <4,500円>
2012年 : 10/6、8
心中
(しんじゅう)
密会
(みっかい)


「契りきな かたみに袖を 絞りつつ 末の松山 波こさじとは」清原元輔

夫婦の契を交わしましたよね。(約束しましたよね) 互いの(涙に)濡れた袖を絞りながら、末の松山を波が決して越えられないように、
私たち2人に心変わりはないのだと・・・という裏切りの情念を詠んだ一首から、裏切ることなく一緒になるためには死を選ばざるを得なかった曽根崎心中の2人になぞらえ、天国で夫婦になることを固く誓い合い、愛と名誉を守るために、心中するその姿を、女性をチュベローズで、男性をスエードで表現し、肌の柔らかさと温かみ、そして決意の漲る悲哀のアクセントを付けた香りとして表現しました。トップでこそ少し可愛らしいフルーツも見え隠れしますが、ベースは和服に似合うシプレで、ツリーモスとパチョリのダブルアブソリュートにし、ジャスミンやチュベローズのアブソリュートも使用した豪華な香りとなっています。(天然香料100%ではありません)
11月開催予定


「住之江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ」藤原敏行朝臣

昼だけではなく、住之江の岸に打ち寄せる波のように、夜の夢の中でさえも、あなたはなぜ人目を避けようとなさるのでしょうか・・・という夢の中でさえも人目を避けて合うことが出来ないと嘆く様子から、会えるとしたらどんな香りをまとうのか、と想像した香りが密会です。この詩の書かれた平安時代は男性が女性の元へと通うのが常だった時代であり、夢での出来事に一喜一憂していた時代でもあります。そんな中、灯火片手に自ら会いに行くことが許されるのであれば、あなたはどのような香りを選びますか?

香りは4種のローズを重ねたパウダリーなローズに、甘さを持ったスイートシプレノートを重ねて表現したのですが、オンブルローズオリジナルノンブルノワールを重ねたようなセクシーでありつつ和服似合うパウダリーなローズシプレとなりました。(天然香料100%ではありません)

11月開催予定

この他にも、 元祖肉食系とも言えそうな与謝野晶子の短歌「人の子の恋をもとむる唇に毒ある蜜をわれぬらむ願ひ」からというタイトルの香り、春には春の清々しいタイトル等、ストーリーと共に楽しめる香りたちをご用意しています。

今週末と来週の平日夜には天然香料100%で組んだレシピとして2つのウッディノートをご用意しました。1つは白橡(しろつるばみ)というサンダルウッドを多用したサンダルウッドを楽しむ、サンダルウッド好きな方のための香り。これは、

West Indian Sandalwood
Austrarian Sandalwood
New Caledonian Sandalwood
New Caledonian Sandalwood abs

という4種類のサンダルウッド香料をたっぷりと使用しています。 特にニューカレドニア産のサンダルウッドは調香師の間でも人気で、Chanelの新作Coco Noirにも使用されています。更にそのアブソリュートも贅沢に組み込みました。微かなフローラルと軽いスパイスを用いてサンダルウッドを邪魔せずに28種の香料でその良さを引き出した香りとしてまとめました。もう1つは黄蘗(きはだいろ)で、こちらも天然香料100%で組まれています。28種の香料を使いながらヒノキと柚子を気持よく感じられる濃度でまとめた香りとなっています。密かに組み込まれる貴重なハニーサックルアブソリュートとカーネーションアブソリュートがポイントで、作った人にしかわからない喜びの香りに。

そう言えば、半年前のメルマガに記載していましたAnnick Goutalの新作Nuit Etoileeがこの秋国内発売決定となりました。10月にはFタイプとして模倣レシピを公開しますので、ご興味のある皆さまは是非お気軽にご参加下さいませ。通常の模倣セミナーではなく、数値を隠してクイズ形式で作っていくセミナーとなります。使用する香料数が少ないため、こういった形式が可能なのですが、前回のL'Artisan ParfumeurのThe Pour un Eteが楽しかったので、定期的にこういった形式での開催も続けたいと思います。


■4作の連続リリースでした

今年は今までに無く新作リリースのラッシュでした。4種も1年のうちに発売したのは初めてなのですが、その分廃番がないのもPalazzo Vecchioの特徴です。皆さんはどの香りがお好みに合いましたでしょうか?
夏の終わり、涼しくなりかけた頃に優しくフィットする蓮の花も好スタートを切りました。皆さまに愛される香りとなりますように!!

(04/09/2012)

 

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