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■The Scent of Excellence

 

 

展示会2日目、3日目までが関係者日。今までは2日間しかなかった関係者日が会場が広くなったことで1日追加となったのです。ゆっくり回れる? 時間が取れる? いえいえ、3日目ともなると疲れ果ててしまい、香る気力も激減してしまうのです。もういいよ、お腹いっぱいだよ、という雰囲気に。でも、2日目はまだまだ元気にGO!!

 

 

押し合いへし合い、といような混雑もなく展示会はとてもスムーズに流れていきました。トイレの数が少し少なかったかな、とは思うものの休憩所もあり、バイヤー用のラウンジも広くなり、軽食レストランブースも広く設けられました。

 

 

Caleのブースはとても目を引くデザインに。新作があったのかどうかはわからないのですが、撮影だけをしてきました。

 

 

Tiziana Terenziはいつも入口に近いところにブースを広く設けているのですが、今回も入ってすぐの場所に。しかも通路の両側という贅沢なスペースに。更には新作もドカドカ投入されていて、もう何が何だかよくわかりません。ただPaoloに挨拶をして、撮影だけをしてきました。この画像のウッディキャップのものは販売店舗の限定品になるのだそう。

 

 

V Cantoシリーズにはこのようなボトルの香りが新作として登場していました。もう今やV Canto(ダンテの神曲)とは離れたラインになってしまいましたよね。

 

 

イタリア最大のフレグランスコミュニティAdjiumiを運営しているCristian Cavagna。彼はAdjiumiのラインとしてグルマンを4種、自身のブランド名でチュベローズをテーマとした香りを7種発売。その中の5種がリリースとなっています。毎年1つずつなので、再来年で7種が完成ですね。レザー調のチュベローズ、グリーンなチュベローズ、マリンチュベローズなどバリエーション豊富に楽しめます。僕はイタリア人だからね、Pradaしか着ないんだ。と公言している彼は、今年も終日全てPradaでした。凄い。

 

 

展示会で初公開となったのは、Mystikumというドイツのパフューマリー。1920年代に実在したパフューマリーが復刻となりました。もちろん香りは当時のものとは違いますが、ボトルはとてもそっくりなデザインで、香りもバリエーションが整っていて好感触でした。サンプルセットは今品切れですが69ユーロ、フルボトルは220ユーロで発売に。全6種でのデビューです。

 

 

Parfumeurs du Mondeからは少しオゾニックに感じられる合成香料っぽいトーンを持った天然香料を使用した新作が公開に。Terre de soleilとSha'raanです。

 

 

2019年にスタートしたばかりのイタリア発の可愛らしいサンダルブランドCarlotha Rayは5種のフレグランスが公開に。全て昨年も公開されていたのですが、ブースをスルーしてしまっていたのでした。でも、全てを調香したJean-Michel Duriezから連絡があり、今年はきちんと訪れたのですが、残念ながら彼は来場しておらず。会おう会おうと言いつつ、毎年すれ違ってしまっている状態。香りはとても日本人好みなテイストで、フェミニンなフローラルからメンズっぽいものまで最初の5種はベクトルの違う香りで勝負です。

 

 

昨年Nose Shopにて国内発売がスタートしたPierre Guillaume Parisではバニラをテーマとした21番からOrchidivyが登場。タイトルのようにIvyのグリーンノートを生かした香りとなっていました。

 

 

新作はそれだけでなく、Le Musc & La PeauのExtrait de Parfumが登場です。彼のラインでExtrait de Parfumは初めてなのでは? 他の香りも発売されることとなったら、とんでもない数になってしまう。

 

 

今回公開された新作の中にはボディスプレーというか、ファブリックスプレーというか、マルチに使えるデイリーフレグランスもありました。これが一番好感触。一日中笑顔になりますように、というBonheur Jour(幸せな日)はシトラスの明るいシャワーだけでなく、アロマティックなハーブ類も多く、コロンではない香りになっていました。アルコールフリーのEdTのよう。

 

 

Cigno NeroからはBlu Divinoというトロピカルな香りが公開に。ビターシトラスがトップにあるのですが、それが少しラクトニックなトーンに重なり、印象としてはジャックフルーツのように感じられたり。

 

 

Barutiからは娘さんのLauraをテーマとした可愛らしい香りが公開に。この後ろに見えているのはプロトタイプではあるものの、Hot CottonとMono No Awareが。もちろん物のの哀れで、彼はタトゥーまで入れてましたよ。昨年来日した際のことが香りになったのでしょう。Hot CottonはAldambreというアイロンをかけた時の熱したアイロンの香りがするムスクを使用した香りで、もちろんアイロンかけた時のコットンシャツをイメージして作られたのでしょう。Aldambreありき、という香りです。

 

 

Olfactive Studioからは3種の香りが公開に。Cecile Zarokianによる3つの香りはブランドとしては初めてフェミニンをテーマとした香りに。画像は全てAIによるもので、女性同士の友情や素肌感などが香りになったものでした。Celineは既存のラインの中にフェミニンな香りがないと顧客に言われたから作ったのだと言ったのですが、その割には随分ユニセックスだよねと言ったら、私には十分これでもフェミニンなのよ、と。自分にはフェミニンさが足りないのだと豪快に笑うのでした。秋以降の発売だそうです。

 

 

イスタンブール発のニューパフューマリー、Ephemeral Dyadicが今年は初お目見え。昨年のPitti Fragranzeでデビューしていたようです。このブランドの香りを試して少し目当たらしく感じられたのは、トルコのパフューマリーであることを全く意識していない、トルコの根付いた文化をテーマとした香りではないことでした。そこにこだわる必要はないわけですよね。

 

 

見てはいたけれど、あまり足が向かなかったスペインのBotanicae。今年はボタニカル関係のパフューマリーも多くありましたが、どのブランドも全て似たような香りでバリエーションに乏しく、結局天然香料のみだと高価なアブソリュートやレアオイルを使わない限り、表現は広がらないことを誰もが感じたのではないでしょうか。ただこのブランドは精油のみなわけではなく、合成香料もしっかり使っていて、画像のライン以外は合成香料の方が強く感じられるほどでした。画像のEdPは100mlが90ユーロで、EdT Intenseラインは55ユーロとお手頃価格。

 

 

5種のElixirは75mlで140ユーロでしたが、そちらは全く面白みがなかったので、良し悪しと言う感じです。

 

 

焦ることなくゆっくりと新作をリリースしているRubiniからは宇宙をテーマとしたメタリックな香りHyperionが公開に。発売はもう少し先になりそうです。

 

 

Regalienからはトルコのハマムをテーマとした3種の香りが公開に。だから蛇口のあるブースとなっていました。ただ、サンプルはなかったのでレヴューはなし。

 

 

どこで発売されているのかいまいちわかりづらく、価格もラインもなかなか見えてこないAgatho Parfumからは、今年グリーンボトルの3種とホワイトボトルの3種が公開に。キャップを今までのものと変えて簡素化していますので、低価格ラインになるのかもしれません。

 

 

今年の印象を・・・と聞かれて気づいたのは丸いキャップのブランドが多かったこと。

 

 

丸いボトルはオリジナルではないものが多いので、初期投資が少なく済むわけですが、やはりそこそこの価格の商品ならばオリジナルにして欲しいところ。見た目の差別化も難しいですよね。印象にもあまり残らない。

 

 

事前に連絡を頂き、会場近くのホテルで開催していたのはFragrance Du Boisでした。 もうこんなに種類があるんですね。安いものでも230ポンド(45,000円)ほどするパフューマリー。

 

 

右から2つ目のピンクのボトルのSireneが最新作でした。Givaudanの女性調香師Nanako Ogiによる調香。香りはフルーティーフローラルウッディでしたよ。後日レヴュー予定です。ボトルもパッケージもとにかく豪華でした。

 

 

ホテルの外で目にしたのはAC Milanoのバス。サッカーチームがホテルに滞在していたのか、記者会見でもしていたのか、出待ちのファンがたくさん。ミラノらしい光景ですよね。

 

 

会場外で繰り広げられた展示会は他にもたくさんありましたが、まだ情報未公開ということでシークレットのものもあります。ドゥオモ近くのレンタルスペースで展示会をひっそりとしていたのはVenezia 1920。毎年会っていてすっかり仲良くなったオーナーのGianluca Zinに呼ばれて訪れたのですが、なんと日本発売が決定したそうです。百貨店になるのかな?

 

 

最新作は会場内を入れてもこれが一番良かったのではないかと思うほど、スパークするフルーティーさ。Belliniという白桃とシャンパンのカクテルが香りとなりました。調香は引き続きRoberto Darioが担当。グリーンなのはBelliniのボトルの色から。液体はカクテルに合わせてオレンジになるそうですよ。これは誰もが笑顔になる香りだと思います。暑い夏こそ使いたい。

 

 

2日目の午後になってメッセージが届き、駆け付けたのはSulekoのブースでした。新作はフロリダをテーマとしたアロマティックウッディに。ボトルも今までとは違い、セラミックキャップが2色登場です。収縮率がガラスとは違うので計算が難しいですよね。

 

 

1日しかなかった一般開放日。押し寄せる波のように人々が待っていて・・・。みんな、今からこの波が押し寄せるよ〜、と動画で伝えたりして。

 

 

 

最終日は一番雨が降っていた日だったので、スタートも肌寒く感じられた朝でした。

 

 

FilippoよりもFilippoらしいというか、まるで教祖のように人だかりの中で説明をしているスタッフのDiego。彼のような存在はとても大切です。

 

 

Houbigantのブースも人だかり。みんな試したいよね、いろいろと。

 

 

一般開放日の会場内は普通に犬がいたり、車椅子の方がいたり、子どもがいたりと路面店のよう。日本だったら特別なケアスタッフが張り付くところですが、本当にその辺の日常のように犬や車椅子の人たちが通り過ぎていくのです。こうでなくちゃ。

 

 

今回残念だったのは直前まで参加が決まっていたNeela Vermeire CreationのNeelaが不参加となってしまったこと。体調がすぐれずにキャンセルとなってしまったため、商品はビジネスフランスというブースに一任されたのでした。でもこのブースのスタッフたちはあまり積極的な広報をせず、閑散としていました。残念過ぎる。

 

 

今回はご縁あってJovoyのブースにも長居をしてオーナーさんといろいろ話をしたのですが、Jovoyは今回15mlを公開しました。この香りたちがセットになったボックスも発売されるそうですよ。

 

 

 

 

展示会の最終日、一般開放日になるとブースを片付けてしまって空になるブースがいくつかあります。関係者のみに解放であって、一般客相手に仕事をしたくない気持ちはわからなくもないのですが、あまりにも顧客を下に見た行為ですよね。プロフェッショナル(関係者)たちは顧客の大切さを知っている。だから、終了の時間まできっちりと消費者、来場者たちに対応していく。そうしたブースこそが価値あるブランドであり、価値ある商品を生み出していると考えています。だから、最終日に空になってしまうブースは応援する気がしない。

忙しいブースは常に忙しく、閑散としたブースは常に閑散としているのも毎年のことで、それは認知度が高くないブランドであることも理由の1つですが、やはりそれだけ立ち止まるに値しないと判断されているのだと思います。

(15/03/2024)

 

 

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