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Northern Cardinal / ノーザン・カーディナル


<香 調> アロマティックオリエンタル
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 60ml
<濃 度> Extrait de Parfum (14%)

トップ
レモン、ベルガモット、マンダリン、グリーンリーフ
ミドル
ローズ、クラリセージ、レザー
ラスト
バニラ、オークモス、ムスク、パチョリ



2022年11月発売。調香はRosendo Mateuが担当。この香りが彼にとっての遺作となりました。彼の死を悼み、Victorは2023年発売予定だったこの香りを、年内に発売することに変更しました。彼が亡くなったときにはすでに完成していたのが幸いですが、5月の時点ではイラストが完成しておらず、ラベルなしで5つの限定発売をした後、年内に間に合ってのオフイシャルリリースとなりました。


 

和名で猩々紅冠鳥(ショウジョウコウカンチョウ)という鳥は、日本ではメジャーではありませんが、アメリカやカナダでは誰もが知る鳥で、日本で言うところのスズメやウグイスのような鳥のようです。オスは全体が赤く、礼服を着た枢機卿(カーディナル)のようだということで名づけられました。美しい声で鳴くところもウグイスのようですが、生涯をつがいで過ごすところは別ですね。

 

 

彼はあまり英語が得意ではなく、息子さんが間に入ってVictorとやり取りをしており、なかなかてこずったようです。それは彼の調香がとてもファッションフレグランス的な香りだったから。でも、それはZoologist風ではないとあれこれ注文を付けるも、なかなかその部分を理解しづらかったようで、思うようになかなか進まなかったようです。

香りは、あぁこれは懐かしいと言葉がこぼれた、昔懐かしいファッションフレグランスの香り。ローズとレザーが強めなメンズ香を想像していたのですが、それよりもメンズライクなフレッシュトーンが全体にあり、昔懐かしいGivenchyXeryus Rougeを思い起こせるテイストです。ベースノートのスイートシプレムスクは強くはなく、全体をそっと支える形で、全体としてはシプレではなくアロマティックオリエンタルといったところ。グリーンリーフの部分はフィグ系のStemoneを使用しているようで、それがフローラルトーンと重なり、少しフルーティーなニュアンスをもたらしています。そっくりではありませんが、全体のトーンとしてはEscadaSentiment Pour Hommeや、Hanae MoriHMにも通じる香りですが、一番近いのはXeryus Rougeで、ユニセックスではありますがメンズ寄りです。Xeryus Rougeにフィグリーフと微かなレザートーンを足した感じです。

Xeryus Rougeが発売された当時は、Rosendo Mateu氏にとっては働き盛りの黄金時代だったはず。となると、流行の香りはかなりチェックして研究していたはずです。こうしたテイストはインディパフューマリーや、合成香料の知識が乏しいナチュラルブレンダーな調香師の人たちには作り出せない香りです。そう考えると、流行を追わずに10年後も20年後も愛される香りを作ったのだとも感じられます。若い方にはどこかしら新しく感じられるかもしれませんよね。

14%のExtrait de Parfumとなりましたが、近年というか彼は随分と軽い香りが多くなりました。EdPのような軽やかさで強い印象を残さず、静かに消えていきます。

(26/12/2022)

 

 

タイトルが急遽Northern Cardinalへ改題となりました。それはアメリカでCardinalの商標登録があったから。Heeleyなのかもしれませんが、同じカテゴリで同タイトルは認められないということでの改題です。

(27/02/2023)

 

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